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最近聞かれる「軽自動車で十分」という声! では「不十分」なケースとは

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最近聞かれる「軽自動車で十分」という声! では「不十分」なケースとは

 使用状況によっては普通車コンパクトにメリットがある

 ここ10年ほど軽自動車の進歩は本当に目覚ましい。軽自動車は進歩に加え、ダウンサイザーと呼ばれる大きなクルマから小さなクルマに乗り換えるユーザーも増えていることもあり、直近の年間乗用車販売台数を見てみると、乗用車のおおよそ3分の1ほどを占める。

【今さら聞けない】軽自動車は車庫証明がいらないってホント?

 それだけに「もうクルマは軽自動車で十分」という声を聞くことも増えている。その意見はもちろん正しい部分もあるが、そうとは言い切れないところがあるのも事実で、「軽自動車では不十分、1つ上のコンパクトカーを考えた方がいい」というケースを考えてみてた。

●高速道路を含む、長距離ドライブが多いユーザー

 いかに軽自動車が良くなったとはいえ、ターボ付きでも動力性能の余裕が「もう少し欲しい」というケースは多々ある。また、とくに全高の高い軽自動車だと横風に代表される走行安定性が足りないことや、室内幅やシートの小ささといった居住性、騒音の大きさといった要因で、コンパクトカーに対して乗員の疲労が溜りがちというのは否めない。

 軽自動車で疲労が溜ってくる1回の走行距離はザックリいうとターボ車で200km、NA車で100kmといったところだろうか。このくらいの長距離ドライブをする機会が少なくないという人は、動力性能を筆頭にいろいろな面で余裕のある1.3リッター級のコンパクトカーを基本に考えた方がいいだろう。

 また動力性能の余裕が少ない軽自動車は、かつてとは雲泥の差ながら、高速道路ペースだとエンジン回転数が高めになりがちで燃費がいいとは言い切れない。軽自動車には高速道路の料金の安さというメリットもあるが、その分がガソリン代で水を差されてしまうということもよくある。

●室内、ラゲッジスペースの狭さ

 室内に関してはスズキワゴンRのようなハイトワゴンやホンダN BOXのようなスーパーハイトワゴンなら4人乗りでも申し分のない広さが確保されているが、スズキアルトのようなセダンタイプだとリヤシートにそれなりの時間乗るのは厳しい。

 また軽乗用車は4人が室内に問題なく乗れても、一泊分でも4人分の荷物を積むというのは難しいことが多く、そういったケースもコンパクトカーが欲しくなる。また仕方のないことだし、そういった機会は少ないと思うが、軽自動車は5人乗車(リヤシートの3人掛け)もできない。

●安全性がコンパクトカーに劣るケースがある

 ここでいう安全性というのは主に衝突安全性についてだが、まず前方の何かにぶつかるという場合の衝突安全性は軽自動車もコンパクトカーと大差ない。

 しかし側面衝突に関しては今後厳しくなる法規で、全幅に余裕のない軽自動車はサイド&カーテンエアバッグがないと乗員が大きなダメージを受けると言われている。

 この点はサイド&カーテンエアバッグを付ければ解決するのだが、軽自動車でサイド&カーテンエアバッグがオプションででも選べるクルマというのは探してみても意外に少なく(ホンダはほとんどのクルマ、グレードで選べる)、この点を気にするユーザーで欲しい軽自動車に設定がないと、他の軽自動車かコンパクトカーを選ぶ必要性がある。

 もう1つ衝突安全性で怖いのが追突された際のリヤシートの乗員のダメージだ。軽自動車はラゲッジスペースが小さいため、追突された際のクラッシャブルゾーン(衝突の際のエネルギーを吸収する潰れ代)は小さく、見るからに危険だ。

 それでもN-BOXのようにリヤシートの前後スライド機能があり、「走行中はリヤシートを前にする」というなら許容できる面もあるが、そうでないクルマやリヤシートの前後スライド機能があってもそういった使い方をしないとなると怖い。さらに日本には追突された際の衝突安全性に関する法規や基準はないのだ。そういったことを考えるとリヤシートを頻繁に使う人だと、軽自動車よりコンパクトカーを選びたいところだ。

 以上「軽自動車では不十分なケース」≒「軽自動車の弱み」を挙げたが、逆に考えれば各々の使い方などによって「軽自動車で問題ない、十分」と思え、かつ軽自動車の価格に納得できる(最近は軽自動車の値段がアッという間に200万円を超えることもよくあるので)というのであれば、維持費が安く、リセールバリュー(処分する際の査定)が有利なことが多い軽自動車を積極的に選ぶのもいい。

 とにかくクルマ選びは自分が求めたい要素を総合して、なるべく自分に合ったクルマを選ぶことが重要だ。

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