フロントタイヤからノーズまでの距離が圧倒的に短くなった!
マツダが「ラージ商品群」と呼ぶ、FR(後輪駆動)プラットフォームを開発して次世代のミドルサイズ以上のモデルに採用するということはすでに発表済みですが、その第1弾となる「CX-60」が欧州で先行公開されました!
マツダのアイデンティティである「魂動デザイン」を採用しているのは間違いありませんが、真横からみるとこれまでのマツダ車とはシルエットが異なるのが一目でわかります。エンジンを縦置きするFRプラットフォーム(CX-5など従来の同社のSUVはエンジン横置きのFFプラットフォームを採用)をアピールするかのように、フロントタイヤからノーズ先端までの距離が、これまでのマツダ車より圧倒的に短いのです。
マツダの次世代SUV「CX-60」が姿を現した! 日本発表は4月、さらに高級化する内外装を画像でチェック
公開されたのはプラグインハイブリッド仕様で、フロントに2.5Lガソリン4気筒エンジンを搭載、8速ATと電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドになっています。燃費などの詳細情報は公開されていませんが、バッテリー総電力量は17.8kWhで、満充電で39マイル(約63km)のEV走行が可能。システム最高出力は327馬力ということで、後輪駆動のスポーティなハンドリングも期待できそうです。
英国では“日本製”を押し出したブランディングを展開
3月8日から受注が始まった英国マツダのホームページでは「ロードスターとSUVの経験を活かした運転感覚の味わえるニューモデル」とアピール。さらに注目すべきは“Crafted in Japan.”というキャッチコピーが使われていることで、欧州では日本庭園をイメージさせる写真も公開されるなど、日本製のプラグインハイブリッドであることを強調しています。
CX-60の生産は山口県にある防府第2工場で行なわれますが、日本の精神を取り込んだプラグインハイブリッドというブランディングは新しいアプローチかもしれません。
英国では約670~735万円のプレミアムな価格帯
グレード名にも注目で、ラインナップは次のようになっています。
エクスクルーシブライン:4万3950ポンド(約670万円)
ほむら:46700ポンド(約715万円)
たくみ:4万8050ポンド(約735万円)
エクスクルーシブラインは18インチタイヤで、フロントバンパーの形状も異なります。一方、「ほむら」と「たくみ」は20インチタイヤで、たくみにはナッパレザーのシートが与えられています。いずれもハンズフリーの電動テールゲートが標準装備です。
ほかにも12.3インチの横長ディスプレイを用いたマツダコネクト、シートヒーター&ステアリングヒーターなどを標準装備。上級グレードにはステアリングの電動調整機能、フロントシートのベンチレーション機能なども備わります。
日本仕様は4月上旬公開。補助金は最大55万円程度か
なお、日本仕様の情報は4月上旬に公開されます。現状のインフラとCO2削減効果を考えるとプラグインハイブリッドは最適解という声もあります。
ちなみに、「三菱 アウトランダーPHEV」や「レクサス NX450h+」といった国産プラグインハイブリッド車には最大55万円の補助金が用意されています。はたしてCX-60の日本での価格は補助金を考慮してどのくらいに設定されるのでしょうか。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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