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戦闘機みたいな見た目のバカッ速のニューマシン「Gen3」を投入! フォーミュラEシーズン9は見る価値大のレースになった

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戦闘機みたいな見た目のバカッ速のニューマシン「Gen3」を投入! フォーミュラEシーズン9は見る価値大のレースになった

 この記事をまとめると

■フォーミュラEのシーズン9が開幕した

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■フォーミュラEとは、EVフォーミュラカーによる国際レース

■2023年より投入された「Gen3」がレースを面白くしている

 Gen3はまるで“1/1サイズのミニ四駆”

 ここ数年、フォーミュラEが盛り上がっていない……と言われてきたが、2023年のシーズン9は魅力が多く、レースファンが見ても楽しめるシリーズになりそうだ。

 事実、1月15日にメキシコで開幕戦が開催されていたのだが、随所でスリリングなバトルが展開。オンデマンドでの視聴だったが、これまでフォーミュラEに対して否定的な見解を持っていた筆者も食い入るように観戦した。

 ご存じのとおり、フォーミュラEとは2014年にスタートしたEVフォーミュラカーによる国際レースで“電気自動車のF1”として定着。ヨーロッパを中心にEVの普及が推進されていることから、設立初年度から多くの自動車メーカーが参入しており、現在も「ジャガー・レーシング」や「アウディ・スポーツABT」、「ポルシェ・チーム」、「マセラティ・レーシング」、日産の「DAMS」などメーカー系のチームが参戦するほか、F1でも活躍する「マクラーレン」など有力チームが参戦している。

 マシンはダラーラ/スパークのワンメイクシャーシで、モーターやインバータなどのパワートレインは独自開発が可能である。現在は日産やポルシェ、マヒンドラ、DSオートモービル、ジャガー、マセラティがパワートレインを開発。タイヤはそれまでのミシュランに変わって、今季よりハンコックのワンメイクでコントロールされている。

 そして、フォーミュラEのハード面において最大のトピックとなるのが、2023年より投入されている第3世代のマシン、「Gen3」で、シーズン9を面白くしている最大の要因がこのニューマシンにほかならない。

 Gen3の見た目は“1/1サイズのミニ四駆”といった雰囲気で、戦闘機に採用されているデルタウイングデザインをイメージしていることから、どことなくSF映画に登場する未来の戦闘機も彷彿とさせるスタイリングだ。そのため、従来のフォーミュラを好むレースファンのなかにも好き・嫌いが分かれるところだが、筆者が驚いたのはパフォーマンスで、Gen3はこれまでのマシンを凌駕する仕上がりとなっている。

 スピード感がシーズン9の魅力!

 まず、全長、全高、全幅、ホイールベースの縮小が図られるなど、ディメンションの小型化が実施されたほか、それに合わせてマシンの最低重量も900kgから840kgに変更された。さらにモーターの最高出力も250kWから350kWに引き上げられたことで、最高速度も280km/hから320km/hオーバーとなるなど一気に拡大。つまり、マシンが大幅に速くなっているのだが、このスピード感がシーズン9の魅力だといえる。

 そもそも電動フォーミュラカーを使用するフォーミュラEではエンジン搭載のフォーミュラカーと違って豪快なエンジンサウンドや官能的なエキゾーストサウンドはなく、モーター音とタイヤのスキル音しか響かないことから、迫力不足が多くのファンに指摘されていた。しかし、筆者がこれまでのフォーミュラEに対してネガティブに思っていた点は、サウンドではなく、スピード不足にあり、オンデマンドでの視聴でも、現地での観戦(2019年の香港)でも「遅いなー」というのが第一印象だった。

 やがて、この遅いマシンが筆者のなかでフォーミュラEの代名詞となり、シリーズに対して興味を失うこととなったが、シーズン9の開幕戦のメキシコを見る限り、Gen3のスピード感は抜群だった。とくにレース中に4分間だけ使えるアタックモードはなかなか効果的で、パワフルな加速を武器に劇的なオーバーテイクを演出していた。

 もちろん、Gen3でもレーシングカーとして心地よいサウンドはなく、ギャラリーの歓声が聞こえるほど、マシンは静かな状態だったが、レースはバトルさえあれば、そこそこ楽しめるものであり、“1/1ラジコンレース”としての魅力はあったように思う。

 ちなみに筆者は2018年のパイクスピークインターナショナルヒルクライムレースで、フォルクスワーゲンが投入したEVレーシングカー「ID.Rパイクスピーク」を取材していたが、同マシンは静かながらも、そのスピードは異次元のレベルで、「爆音≠迫力」であり、「速さ=迫力」であることを改めて認識。その点から見てもGen3のフォーミュラEは面白いものだった。

 加えてドライバーの顔ぶれも元F1ドライバーやWECドライバーなど充実したラインアップで、アンドレ・ロッテラーやサッシャ・フェネストラズ、ニック・キャシディなど日本でもおなじみのドライバーが参戦している。さらに2023年はインドやブラジルなど初開催のイベントが増えたほか、2024年には初めて日本の首都、東京での開催が発表されるなど身近なカテゴリーとなりつつあるだけに、2023年はフォーミュラEもチェックしたいものだ。

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みんなのコメント

2件
  • レースは速さという事は同意です、そしてカメラアングルも考慮して欲しい。
    トップカテゴリーのレースが体感的に遅いというのは、シャーシーが同一とはいえ納得できない、電動の場合加速が売りになるので”この区間で~Kmまで出してくる!”という所に魅かれるはずだ。
    タイヤもワンメイクだが、このミシュランでは無いタイヤはEVの加速に耐えうる物か?疑問です、実戦で見せてもらいましょうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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