マイナーチェンジを受けたレクサス「LC500」コンバーチブルに、小川フミオが試乗した。優雅な和製オープンカーの魅力に迫る!
全天候型としての完成度が高い
優雅で、かつファン・トゥ・ドライブなオープンモデル……そんなクルマを愛するひとは洋の東西を問わず多い。しかし今は貴重な存在だ。でも、大丈夫! レクサスがLC500コンバーチブルを用意してくれている。
レクサス車のすばらしいところは、つねに改良を怠らない姿勢だ。2023年6月に何度目かの改良を受けたLC500コンバーチブルに乗って、あらためて、「これはとてもいいクルマですよ」と、伝えたくなる。
どこがいいか? というと、もちろん、最大の魅力はスタイリッシュで、かつオープンドライブが出来る点だ。
ウインドシールドが乗員の頭上近くまでくるので、風の巻き込みは少なく、太陽はたっぷり浴びられる。
センターコンソールの小さなリッドを開けると、ソフトトップの開閉ボタンがある。たとえば、木立のなかの道など、速度を落とすか、一瞬停車してオープンにして走りだすと、オープンエアモータリングの醍醐味が味わえる。
夏でも、シートにそなわるベンチレーション機能を使うと効果的で、意外なほど冷涼感を得られる。ソフトトップを上げて高速を走っても、風が幌を叩く音はかなり低く抑えられているし、ようするに全天候型としての完成度が高い。
魅力的なエンジンフィールそして、もうひとつ、改良を受けたLC500コンバーチブルの魅力は、しっかりした操縦感覚にある。
無理にどこかを突出させたりしない。やたら元気なエンジンとか、するどいいっぽうのステアリングとか、そういうのはない。じつはそこがよい。
私がいいなぁと思ったのは、エンジンのフィーリングだ。
351kWの最高出力が7100rpmで、540Nmの最大トルクが4800rpmで出るという、高回転型のV8エンジンだ。魅力は、アクセルペダルの踏み込み加減と、それに対してパワーの出方の絶妙なチューニングである。
もちろん、踏めば踏むほどパワーが湧き出てくるエンジンだが、つねに、ドライブしている自分が求めるだけの力が、ちょうどいい具合に得られる。
言葉にするとなかなか難しいのだけれど、制御が見直されたというオートマチック変速機のおかげだろうか、踏めばどこからでも加速という表現よりも、欲しいだけの加速をきちんとしてくれる、乗るひととクルマとの一体感を与えてくれる。
エンジンのもつポテンシャルをうまく使って、洗練された走行フィーリングを味わえるのだ。
ふと、最近、アストンマーティンが発表した「DB12」を私は連想した。V8エンジンで後輪駆動、2プラス2のパッケージ、という点では成り立ちがLC500コンバーチブルとちょっと近い。
DB12は、カリカリのスーパースポーツというのでなく、ゆったり走りたいときはゆったりと、とドライバーの気持ちをうまくすくいあげてくれる洗練度の高いモデルだ。
最新のLC500コンバーチブルも負けていない。アストンマーティンみたいに、たいへん好ましく変わった。言葉にしにくい改良だけれど、ゆえにたいしたもんだと思う。
うまく操縦性を全方位的にまとめてあげているといえばいいだろうか。考えてみると、これは最近、改良を受けたレクサス車と共通するフィーリングかもしれない。
「レクサスならではの乗り味を深化させる」というコンセプトにもとづいた改良。たしかに新車時、「もう少しここがよくなっていればなぁ」と、思う点があったとすると、それがどんどん改善されていくのだ。
そのクルマのエンジニアが目指す完成形があって、それを、円にたとえるとすると、かつてはでこぼことした多角形だったクルマの状態が、どんどん真円に近づいているような。
従来型のオーナーが知ったら、けっこう悔しがるんじゃないだろうか? そう思わせるほどの内容といってもよい。
LC500コンバーチブルならではの魅力改良版のLC500では、クーペ/コンバーチブル問わず、サスペンションシステムやATシフトスケジュール、エンジンマウント特性などに手が入れられている。
さらにコンバーチブルでは、トンネルと床下に補強用のブレース追加など、ボディ剛性向上の手立てが講じられている。
ホイールの締結には、従来のボルトとナットに代わり、ダイレクトな操舵感覚を生むハブボルトが、最近のレクサスモデルに準じて採用された。
サスペンションシステムのコイルスプリング、スタビライザー、ダンパーも改良され、接地感や、ハンドルを切ったときの操舵応答性の向上を謳う。
さらに、オートマチック変速機の制御が見直され、アクセルペダルへの応答性が高められている。変速機にはオイルクーラーが追加されて、サーキットでの油温上昇を抑制するとされる。
もともとLC500には、良い印象が強かった。“鋭くて優雅”というレクサスによるコンセプトが、ホントにうまく活きているなと思ってきた。スタイリッシュながら、サーキットでもけっこう速い。
LC500コンバーチブルは、ウエストラインを低めに設定したスタイリッシュなフルオープンボディだけに、クーペモデルほどの剛性感はないかもしれない。
とくに路面がやや荒れた個所などでは、少しだけ車体がわなわなっとする印象も。そりゃあ、2プラス2のフルオープンなんだから、少しぐらいはしょうがない。
しかしあえていえば、自動車メーカーの多くはつねに“高剛性命”と謳う傾向があるけれど、それだけがクルマのすべてではない。そう思わせてくれるのも、LC500コンバーチブルゆえの魅力だと私は思う。
そうそう、ひとつつけ加えておくと、ボイスコントロールの精度が上がっている。聞き取りの性能が向上して、的確に対応してくれるのが嬉しかった。インフォテインメント面もいい方向へ進化してますな。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
エンジンも共有してるし車体デザインもイマイチ高級感ないし、スポーツ系でもない。
良くも悪くもトヨタの80点主義を継承している。
テールの構造は昭和感が強いしウィンカーもプリウスの様な縦型だし、レクサスとしての基準が未だにない。
だから印象にもあまり残らないのだろうね。
歴史もないし。