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初代メルセデス・ベンツ GLKは悪路走破性でライバルとの違いをアピールしていた【ヒットの法則470】

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初代メルセデス・ベンツ GLKは悪路走破性でライバルとの違いをアピールしていた【ヒットの法則470】

2008年、メルセデス・ベンツから初代GLKもデビューしている。BMW X3がほぼ独占していたプレミアムコンパクトSUV市場にアウディQ5、VWティグアンなどともに参入、にわかにマーケットが活気を帯びてきた。では、初代GLKはどんな個性を発揮していたのか、ライバルとはどう違っていたのか。今回はドイツ・デュッセルドルフで開催された国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年9月号より)

乗用車ライクであり、スポーティな乗り味
今年2008年1月のNAIAS(デトロイトショー)でコンセプトモデルとして登場、その後、4月の北京自動車ショーでデビューを果たしたメルセデス・ベンツ初のコンパクトSUVがGLKだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

ドイツモデルとしては長い間BMW X3の牙城だったこのジャンルに、ティグアン、Q5、そしてGLKが同時期に相次いで登場したのは興味深い。以前からRAV4やキャシュカイなど日本車の人気も高かったヨーロッパではもちろん、燃料高騰の影響で自動車のダウンサイジング化が進むと言われるアメリカ市場、また新興マーケットである中国でも今後市場規模の拡大が期待されるジャンルのため、メルセデス・ベンツではGLKを「今年のハイライトのひとつ」と位置づける。

全長は、ひとつ上の兄貴分、Mクラスよりも約260mm短い4528mm。これは、ティグアン(4427mm)とQ5(4629mm)の間に位置し、X3とほぼ同じとなる。

搭載エンジンはガソリン2種、ディーゼル2種の計4種類。そのうちGLK220CDIブルーエフィシエンシーは来年2009年の発売となる。このモデルは新型の4気筒ディーゼルエンジンを搭載したエントリーモデルで、170ps/400Nmを発生するパフォーマンスと、6.9L/100km(14.5km/L)の好燃費を両立しているという。

GLKの国際試乗会は、ドイツ西部の街デュッセルドルフで開催された。初めて目にするGLKは、写真から想像するよりもはるかにワイド&ローなスタイルで、精悍な印象だ。また直線を基調にしたクラシカルなデザインは、どこかGクラスを思い出させる。これは単なるシティ派SUVではなく、オフローダーとしての実力も備えているということを外観からもアピールする意思の表れなのかもしれない。

まずは市街地を抜け、アウトバーンを走行する。試乗したのは3.5L V6エンジンを搭載するGLK350。試乗車には前235/50、後255/45の19インチタイヤ(ピレリPゼロ)や、車高を20mm下げたスポーツサスペンションなどを装備したエクステリアスポーツパッケージがオプションとして装着されていた。

標準搭載された7Gトロニックで滑らかに加速していく。締まりのある足なのだが、路面が悪くなった場所でも19インチの低扁平タイヤを履いているとは思えないほど当たり感は少なく、いなしは上手い。高速域にいくとドアミラーあたりから発生する風切り音が少々気になるが、静粛性は悪くない。

アウトバーンを降りワインディング路に向かう。ここでの走りは非常にスポーティだ。MやGL、Rクラスにある、あの大らかなゆったり感はそこにはない。ロール感も少なくコーナーをクリアしていく感覚は、視線自体は高いのだがSUVよりもむしろセダンモデルに近い印象で、ベースとなっているのがCクラスだということを思い出させる。ここまでのインプレッションだけならば、「オンロード重視のシティ派SUV」だと断言してしまいそうになるのだが。

本格的オフローダーの顔も併せ持つ2面性
デュッセルドルフから南東におよそ100km。試乗の目的地はシュロスブルグという場所にある古いお城。1133年に建てられたというこの古城の裏山に、本格的なオフロードコースが常設されており、一般道試乗に続いては、そこを試走できるという。

用意されたのはオプション設定のオフロードエンジニアリングパッケージ装着車。これはセンターコンソール上のボタンでアクセル特性やシフトポイントなどをオフロード走行に適したモードに変更できるほか、急坂を下る際に設定した速度を自動的に維持するダウンヒルスピードレギュレーション(DSR)も装備される。タイヤは前235/60、後255/55の17インチオールテレインを履いていた。

助手席のインストラクターの指示でスタート。斜度が40度近くありそうな急勾配、片輪が浮き3輪での走行となるモーグル、膝ほどの水深があるウォーターウエイ、こぶ山、丸太橋など、事も無げにクリアしていく。こういう場所の走行経験が少ないのでライバル車との優劣比較はできないが、少なくともGLKは本格的コースを難なく走ることができる実力は備えている。

これは、そのエクステリアデザインからも見て取れる。前後のオーバーハングを短くし、アプローチアングルを23度、デパーチャーアングルを25度にするなど、険しい場所でも走行できるように設計されているのだ。

街中ではスポーティSUVとしての爽快な走り、オフロードでは本格コースをもクリアできる悪路走破性。この相反する性能の両立を可能にしたのが、ダンパーの減衰力特性をフレキシブルに設定した「振幅感応ダンピングシステム」を持つ新開発のアジリティコントロールサスペンション。

コンパクトSUVというジャンルに、ここまでの本格派オフローダーとしての性能が必要なのか、という率直な疑問も残るが、これから拡大していくであろうこのジャンルで生き残り、人気を博すには、ライバルにはない魅力を持つということは非常に大事なことである。その魅力、プレミアム感を「群を抜いた悪路走破性」というものに求めた手法は、プレミアムSUV市場で30年もの間君臨し続けるGクラスに倣ったものだとも言える。

全車4MATICを採用、ただしその構造上左ハンドルのみ
そうした走りを支える基本は4MATICシステム。GLKのドライブトレーンはすべて4MATICとなり、FRモデルの設定はない。

基本的に前45:後55にトルク配分されるこの4輪駆動システムは軽量コンパクトな設計で、GLKのベースとなったCクラスを例にとると、FRモデルと比較しても45kg増、燃費は100km走行に対してわずか0.2~0.4L増と非常に優れているという。

Sクラス以降、新しい乗用車系モデルに採用されているこの4MATICシステムは、フロントタイヤを駆動させるためのプロペラシャフトを、トランスミッション右側を通り前方に「戻す」形の構造のため、コンパクトな設計とは言え右前席の足下にはスペース的な制約がある。したがってこのGLKも右ハンドル仕様はなく、左ハンドルのみの設定となる。GLKの日本への導入は、2009年初頭が予定されている。(文:Motor Magazine編集部)



メルセデス・ベンツ GLK350 4MATIC 主要諸元
●全長×全幅×全高:4528×1840×1689mm
●ホイールベース:2755mm
●車両重量:1755kg(EU)
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3498cc
●最高出力:272ps/6000rpm
●最大トルク:350Nm/2400-5000rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:7速AT
●最高速:230km/h
●0→100km/h加速:6.7秒
※欧州仕様

[ アルバム : メルセデス・ベンツ GLK はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

4件
  • 左ハンドルしか無かった時点で論外。

    性能ショボいのに燃費も極悪だったダメ車だよ、これ。
  • こいつはブサイクだったわ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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