2025年のスーパーGTが、いよいよ岡山国際サーキットで開幕する。ここまで2度の公式テストが雨に祟られ、ドライコンディションでの走行が限られた中で開幕を迎えるが、シリーズ3連を狙う1号車au TOM'S GR Supraは、その中でもショートラン、ロングランともに好調で、まさに死角なしといったところ。今季のタイトル候補を挙げるとしたら、その多くがau TOM'Sの名前を挙げるはずだ。
今や絶対王者となりつつあるau TOM'Sの好調ぶりはこれまで何度もお伝えした通りだが、ではどのチームがそこに対抗し得るのか?
■フォローすればレース観戦がもっと楽しくなる? 今、“国内エンジニアのSNS”がアツい……群雄割拠の中スーパーGT王者も参入、彼らの思いとは
当然、テストだけで勢力図を推し量るのは難しいというのは大前提。さらにパフォーマンスを図る大きな指標であるドライコンディションでのロングランも、公式テストで実施できたのは富士テストの2日目午後のみだった。非常にデータが限られている状況ではあるが、その富士テストのロングランで好調さの片鱗を見せていたGT500チームのドライバーに、その手応えを聞いた。
■Deloitte TOM'S笹原「少なくとも自信は持てるようになってきている」
まず、GRスープラを走らせるトヨタ陣営。39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraのトラブルもあり全車のデータを見ることはできないが、多くの車両が1分30秒台にタイムを落とす中で、au TOM'Sだけがほとんどのラップを1分29秒台で揃える圧巻のロングラン。平均ラップも1分29秒台(※)と、頭抜けた安定感を見せた。
※平均ラップはいずれも編集部独自の集計
そのau TOM'Sに迫るペースを見せていたのが、トムスのもう1台、37号車Deloitte TOM'S GR Supraだ。笹原右京がドライブしたロングラン1本目の平均ラップは、編集部の集計では1分30秒03秒だった。
笹原にロングランの手応えを尋ねると「普通だと思います(笑)」と苦笑したが、まずまずの手応えがある様子。ただ、相性の良くなかった富士スピードウェイでしっかりとパフォーマンスが出せたことを好材料に捉えているようだ。
昨年はシーズン2勝を記録したDeloitte TOM'S。ノーウエイトの最終戦でも、笹原が予選Q1でトップと僅差の2番手に入るなど、高いパフォーマンスを見せていた。「今年はその延長線上でスタートできていると思います。自分自身も、もう少し(ドライビングなどで)詰められていると思うので、少なくとも自信は持てるようになってきています」と笹原は言う。
やるだけの準備はしっかりやってきた。その自負が笹原にある。「ここ(開幕戦)は発表会みたいなものなので」と笑顔を見せる笹原は、「あとは自分たちの力を出し切れるように頑張るだけです」と締め括った。
■ARTA大津「濃いシーズンオフを過ごせた」
続いてホンダ陣営。シビック投入2年目はデータの蓄積もあり、昨年よりも脅威になるのではないかと見る向きもある。富士テストでは17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTにトラブル発生、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTのロングランはペースこそ良いものの周回数が少なめとあって、ややサンプル不足は否めない。その中で、16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTはペースの落ちこそやや気になるが、平均ラップは1分30秒1とまずまずであった。
16号車ARTAの大津弘樹は、「タイヤテストをやっている中でのロングランだったのでなんとも言えませんが、富士に向けたセットアップや方向性は結構良い」と語る。ロングランでも、十分な手応えを得たようだ。また、各車データ不足の中で開幕を迎えるとあって、開幕戦岡山に向けてはコース特性の異なる富士でのテストデータをかなり参考にしたという。
また大津は、2台体制のARTAが、車両データの共有やドライバー間のフィーリングの共有などの点でこれまでと異なるアプローチで連携していると明かし、これまで以上に強いレースができるのではないかと期待を寄せた。
「2台体制のメリットをもっと活かすべく、やり方を変えて来ています。2台とも速くなるという点で、そこの意識はかなり変わってきています」
「僕たち16号車も、佐藤(蓮)選手も2年目で慣れてきているということもありますし、強いレースができるんじゃないかと思います。テストで走れる機会は少なかったですが、濃いシーズンオフを過ごせたと思いますね」
■NISMO NDDP佐々木「狙い通りに来ている」
そして、タイムシート上はなかなか上位に来ず、元気がないように見えた日産勢。ただ富士テストのロングランデータを見ると、au TOM'Sとほぼ同水準のペースを見せたチームがあった。それがNISMO NDDPの3号車Niterra MOTUL Zだ。
3号車Niterraは三宅淳詞がロングランを担当したが、1本目、2本目共に平均ラップタイムは1分29秒台。17周ほどのロングランで、タイムの落ちもほとんど見られなかった。
これについて今季3号車Niterraに新加入の佐々木大樹は、「狙い通り」だと静かに自信を見せる。
「僕たちは今年のコンセプトとして、予選というより決勝に重きを置いています」
「雨でテストができない時も多かったですが、1月のセパンテストからとにかくロングラン向けのセット出しをしていました。富士テストでは、国内で初めてロングランをすることができたのですが、去年のクルマ、タイヤを知っている三宅選手に乗ってもらった中で、ロングランがすごく良くなっていました」
「トラフィックの兼ね合いなどもあると思いますが、セクタータイムを見ても36(au TOM'S)に匹敵する速さで走れていたので、まさしく狙い通りに来ているなと思います」
今季はロングラン重視に方針を変えたことで、チームとしてセットアップの方向性も大きく変わったと説明する佐々木。だからこそ、テストでのベストタイムは気にしていなかったという。富士での好調なロングランを経て、富士で開催される2大会に限らず、2025年シーズン全体に向けてポジティブな手応えを感じているようだ。
「昨年のau TOM'Sの強かった部分は、サクセスウエイトを積んだ状態でも速かったこと。そしてどこが速かったかというとロングラン。その強さで挽回できるのがチャンピオンの秘訣であり、そこが強くないとチャンピオンになれないというマインドをチーム全体で持っていました。そこを徹底的にやってきたのが少しプラスになっていると思います」
「(開幕戦の)決勝レースは天気が読めませんが、僕たちのクルマはピークを出すというよりも、どんなコンディションでもマイルドに走れる、良い意味で常に70点、80点で走れるマシンになっています。GTレースは70点、80点の走りが常に出せるかが重要だと思っています」
「ドライのテスト不足で、予選に向けて残りの20点をどう埋めるかが分かっていませんが、そこを明日(の予選)に向けて見極められればと思っています」
このように、打倒au TOM'Sに向けて虎視眈々と爪を研いでいるライバルもいる。開幕戦では上記の3チームをはじめ、ライバルの逆襲なるかに注目だ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「ヘッドライトが“まぶしすぎるクルマ”」最近なぜ増えている? 信号待ちで「ライトを消さない人」が多数派に!? 夜間のヘッドライトにまつわる“新たな常識”とは!
「シビックのくせに高い」は本当か? “新車価格400万円時代”と日本人の給料を冷静に見比べて見えてきた残酷な現実
中国空母が沖縄の「絶海の孤島」を1周! 海自艦艇と睨み合い 約260回も艦載機が発着
軽自動車に「普通車っぽい“白いナンバー”」を付けたいです! 「黄色いナンバーは軽自動車って感じがしてイヤ…」な人に朗報! どんなナンバーを選べばいい?
大雪の国道で「スタック同時多発」に怒りの声“殺到”!? 「免許返納しろ!」「厳罰化を!」 この期に及んで「タイヤチェーン未装着」全く動けず… 東北の国道で4件発生 山形・宮城
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?