この記事をまとめると
■いまクルマの電動化が推し進められている
カタログ記載の航続距離も出せないことはない! オーナーが語るEV電費のリアル
■そのメインともいえるEVは、所有することの利点がいまいち認知されていない
■そこでこの記事ではEVに乗ることのメリットを解説する
いまなら購入時に補助金が交付される
「地球環境を守るため」「持続可能な社会のため」として世界的に促進されている電動化車両への置き換え。とくにBEV(バッテリEV)は、個人が購入できるラインアップも増えて、ついに三菱・日産から軽自動車のEVも登場したこともあり、どんどん身近になっている印象です。
でも一部では、日本の場合は化石燃料による発電に頼っている限り、EVに乗ったとしても期待するほどエコではないのでは? といった議論があったり、同クラスのガソリン車より数百万円も高いお金を払って買うことのどこがエコなのか? と非難されたり、「結局、EVに乗るとなんのメリットがあるの?」とよくわからない人も多いかもしれないですね。
そこで今回は、いろいろと難しい話は置いておいて、ひとまず個人がEVを所有すると得られるメリットにはどんなものがあるのか、ご紹介したいと思います。
まずコスト面では購入時に、ガソリン車やハイブリッド車、ディーゼル車にはなくてEV・FCV・PHVのみにあるものといえば、国や地方自治体からの補助金です。これは経済産業省の「クリーンエネルギー車(CEV)導入事業費補助金」といって、4年間保有するなどの条件を満たせば、現時点(令和3年度補正・令和4年度補助金)で85万円が交付され、地方自治体ではたとえば東京都なら45万円が交付されますので、同じ車両価格ならガソリン車を買うよりかなりお得感があるというわけです。この補助金は予算がなくなり次第終了となっているので、早めの決断がよさそうですね。
次に、愛車を稼働させている限り逃れられない「維持費」の面でも、EVは優遇されています。以前はハイブリッド車やクリーンディーゼル車にも自動車税の免税措置がありましたが、現在はなし。でもEVなら、購入翌年度の自動車税が概ね75%減税です。また、購入時と1回目の車検時に支払う重量税も免税になりますので、たとえば1.5t~2t以下のガソリン車と比べると、ここでも3万円程度得をすることになります。
駐車料金の無料化もスタート!
そして、維持費ではほかにもメリットが。EVが出始めた当初は高速道路などの急速充電は無料だったので、その頃と比べるとだいぶメリットは小さくなってしまいましたが、それでもガソリン価格が高騰している今、よく走る人ほどランニングコストはお得になります。たとえば日産アリア(B6)を購入すると、自宅に充電器を設置した場合、昼間に充電すると電気代は500km走行するのに約1800円、夜間に充電すると約1200円ほど(東京電力エナジーパートナーのスマートライフS/Lで計算。いずれも電力料金のみの金額)。ボディサイズで同程度となるトヨタRAV4のハイブリッドモデルで計算すると、燃費が20.6km/L(WLTCモード)なので500km走行するのに約4100円かかります(レギュラーガソリン価格168円/Lで計算)。自宅に太陽光発電を取り入れていれば、その電気を使うことでCO2排出をさらに減らせることにもなり、もっと地球にやさしい乗り物になりそうですね。
また、外出先で急速充電器を使用する際には、日産自動車が用意している「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)」に入会すると、その都度支払いをする手間がなく便利。4つのプランがあり、普通充電はどれでも回数無制限で無料。急速充電が10回無料で月額4400円、20回無料で6600円、40回無料で1万1000円となっています。では1回の急速充電でどれくらい走れるのかというと、アリアB6は80%充電までに約65分かかるため、ここでは1回の急速充電で約半分の40%まで充電できると仮定して計算します。満充電での航続距離が最大470km(WLTCモード)なので、その40%では約188km。これが10回なら、単純計算ですが1880km走行できることになり、500km分なら3回の急速充電で足りるということに。たくさん走る人ほど、どんどんランニングコストが抑えられるというのもあながち眉唾ではないですね。
さらに、東京電力エナジーパートナーでは、自宅でマイカーに充電するとポイントが貯まる「eチャージポイント」というサービスがあります。月々の電気使用量が300kWh以上だと毎月最大300ポイント、年間で最大3600ポイントが貯まり、提携先で1ポイント1円相当として利用可能です。ポイ活好きな人には嬉しいですよね。
さて、EVに乗るメリットは万が一の際にクルマが家庭の電源として使えることも大きいと思います。これが「V2H(ビークルトゥホーム)」というシステムで、災害で停電になった際などにEVから電気を取り出す給電用機器を用いて、自宅に直接つなぐことができるのです。一般家庭の消費電力が1日約10kWhと言われており、40kWhのバッテリーを搭載した日産リーフなら、約4日分もの電力が家庭で使えるというわけです。これは心強いですよね。家庭用の発電機も性能が上がってきていますが、ここまでの大容量の電力を使えるようにするには、かなりのガソリンを常備しておかなければならず、安全性の面でも不安が残りそうです。
ではそのほかのメリットとしては、令和3年4月より、国立公園や国民公園の有料駐車場で、EVとFCVの駐車料金無料化がスタートしています。日光国立公園や瀬戸内海国立公園など10の公園では終日無料、新宿御苑や京都御苑では時間に制限がありますが、お得になっています。環境省のWebサイトに詳細がありますので、チェックしてみてくださいね。
また、マイカーでの走行が制限される富士山周辺の道などでも、EVはその規制から除外されるところもありますので、ガソリン車では走れない道もEVならドライブできる! これもちょっと優越感に浸れるメリットですね。
ということで、EVに乗ることで得られるさまざまなメリットをご紹介しました。自分のライフスタイルに合っていれば、EVは音も静かで乗り心地もよく、先進の安全運転支援技術との相性もいいので、快適なカーライフが送れるのではないでしょうか。
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