2020年のLAで発表されるアウディeトロン GT
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
EVのフラッグシップとなるアウディeトロン GTは、来年のロサンゼルス・モーターショーで発表される予定であることを、アウディのデザインを統括するマーク・リヒテが明かした。
リヒテは実際にはモデル名を上げなかったが、「1年後にはここでクーペを発表します」 と話している。2018年にコンセプトモデルが発表された、eトロン GTの量産モデルであることは間違いないだろう。
4ドアのスポーツサルーンで、ポルシェ・タイカンの姉妹モデルとなる。アウディeトロンとeトロン・スポーツバックに続く、アウディとして3番目のEVだ。またコンパクトモデルも控えているはずで、2025年までに12車種のEVを展開するとアウディは発表している。
アウディeトロン GTは、A7に相当するボディサイズを持つクルマで、アウディのEVとしてはフラッグシップ・モデル。高性能部門、アウディ・スポーツのもとで開発が進められている。
航続距離はWLTP値で400km。350kWという大容量の急速充電器に対応する。20分以内に80%まで充電が可能となり、課題だった充電時間を大幅に短縮。現在の水準のおよそ半分という速さだ。
家庭用充電システムとしては、ケーブル接続のほかに、電磁誘導プレートを敷設するワイヤレス充電機能もオプションとして用意するという。
クワトロで590ps、バッテリーは96kWh
GTコンセプトでは、同期モーターを前後に1基づつ、合わせて2基を搭載し、総合での最高出力は590ps。0-100km/h加速は3.5秒で最高速度は239km/hがうたわれている。パワーはトルクベクタリング機能付きの4輪駆動クワトロ・システムを介してタイヤに伝えられる。
「(単発での)加速力は重要ではありません。5回、6回と何度も同じ加速を再現できなければなりません」 とアウディ・スポーツのマーケティング主任、ステファン・ホリシュカは話す。バッテリーに掛かる負荷のため、いくつかのEVは鋭い加速を何度も繰り返すことが難しいことを匂わせた。
GTコンセプトには容量96kWhのバッテリーをホイールベース間に配置。アウディR8と同等の低重心を叶えている。ボディはアルミニウム、高張力鋼板、カーボンファイバーが適材適所で用いられる。
4輪操舵システムも持ち、スポーツカーのような機敏性と正確性を備えているという。「96kWhのバッテリーは走行性能と充電時間、航続距離とで最良のバランスです」 とホリシュカは述べている。
アウディeトロン GTは、ポルシェ・タイカンと同じJ1プラットフォームを採用。着座位置の低いスポーツモデルに適した、平らなバッテリーが組み合わされる。この2台の類似性についてホリシュカに聞いてみた。
「タイカンとは異なる正確が与えられます。可能な限り差別化を試みています。(ポルシェとアウディの)デザイナー同士は、常に連絡を取り合っているのです」
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