GTワールドチャレンジ・アジアは、市販車をベースとしたツーリングカーが競うレースとして人気のカテゴリーである、GT3マシンとGT4マシンが混走するアジアを舞台としたレース。富士スピードウェイで行われた第2ラウンドの第3戦、第4戦の模様をレポートする。
2023 GTワールドチャレンジ・アジア Rd.2決勝は翌日第4戦が夏空のもと富士スピードウェイにて行われた。スタートではスーパーGTでも見られないような大迫力の密集状態で1コーナーに進入していく。その1コーナーで日本勢の#500チーム5ZIGEN GT-RニスモGT3が接触によるスピンで動くことが不可能になり、早くももセーフティカーが導入となる。
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レースは3周目から再スタートし、トップ3の順位は変わらないもの12位スタートの#47 D'station Racing Aston Martin Vantage AMR GT3藤井が確実にバトルを制しながら順位を上げていく。その後、8周目の1コーナー手前で、昨日優勝した#9 BINGO Racing Corvette C7 GT3-Rを操っていた飯田が、#19 The Spirit Of FFF Racing Lamborghini Huracan GT3 EVOと高速領域で接触、大きな音が別コーナーで撮影中の筆者にも聞こえるほどのクラッシュだった。幸い両ドライバーは大きな怪我もなかったが、2度目のSCが導入されることとなる。
レースは13周目から再開されたが、再スタートでトップ争いの#37 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3 EVOと、#2 Climax Racing Mercedes-AMG GT3 EVOが1コーナーで派手に接触。#37はここでリタイアとなってしまう。
この時点で昨日2位の#911 AAS Motorsport by Absolute Racingがトップ、そして#4 R&B Racing Porsche 911 GT3 R (992)が2位に上がって来た。ドライバー交代義務であるピットウインドウがオープンになると数台のマシンがピットへ向かう。昨日のレースはジェントルマンドライバーがスタートドライバーとなっていたが、今回のレースはプロがスタートドラーバーの為、交代義務時間内ギリギリまで各チーム引っ張るのがセオリーだが、そこでの戦略が明暗を分かち、順位が変動した。
その後上位でピットインを終えた#911 AAS Motorsport by Absolute Racingと#2 Climax Racing Mercedes-AMG GT3 EVOがまたも接触し#911がスピンしてしまい順位を落としてしまう。続いて同じ周回数の19周目#77 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3 EVOがタイヤが原因かホームストレートで単独クラッシュが発生。そのクラッシュの影響でパーツがコース上に散らばり、なんと3度目のSC導入となる。
この時点でトップが#22 KCMG Honda NSX GT3 EVO、 2位が#47 D'station Racing Aston Martin Vantage AMR GT3、 3位が#4 R&B Racing Porsche 911 GT3 R (992)となる。
レースは残り7分。壮絶なバトルが繰り広げられ、23周目には#47 D'station Racin星野がトップに躍り出る事に成功した。背後に迫る#4 R&B Racing Porscheに首位を明け渡すことなくトップでチェッカーを受けた。
表彰式はゴールした順位のまま開催された。ところが、レース終了数時間後に27台を対象にタイム加算ペナルティが科されることになってしまった。それは、ホームストレートでのクラッシュによる3度目のセーフティカーが入った際に、レースコントロールからセーフティカー導入アナウンスとともに「すべてのマシンはピットレーンを通過してセーフティカーに従う様に」との指示に対して多くのマシンがピットレーンを通過していなかったとされ、SROおよび審査委員会が調査を行い、27台に対して30秒加算ペナルティが科されることなったというものだ。その他にも多くのペナルティが出されるという波乱に満ちたレースとなった。
その結果、暫定14位でフィニッシュを受けた#88 Triple Eight JMR Mercedes-AMG GT3 EVO が優勝となった。なおGT4クラスは、完走した3台にそれぞれ30秒が加算されたため、最終的な順位に変更はなく、大塚直彦/小林翔組の#718 チェックショップ・ケイマニア・レーシングがクラス優勝を獲得した。
次の第3ラウンドは7月14日~16日に三重県の鈴鹿サーキットで開催される。
Photo/text:Hisao.sakakibara
【筆者の紹介】 Hisao sakakibara モータスポーツフォトグラファー。レーシングカー好きが高じて、サーキット通いに明け暮れる。モータスポーツの撮影取材を始めて25年のベテランフォトグラファー。
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