スタイリングを一新して5速ミッションを採用、エンジンも新開発した、話題の新型グロムがついに発売となった。気になるのはその走り。従来型とはどう変わったのか、テスト&レポートをお届けする。
文:太田安治、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
ホンダ「グロム」インプレ・解説(太田安治)
5速ミッション+新エンジンで、走りの爽快感がアップ!
【原付二種のカブを比較】乗り味・燃費・装備・価格を比べてみた!
ホンダが得意とする「レジャーバイク」の中でも「ユーザーが手軽にカスタマイズできる」というユニークなコンセプトで注目されているのが新型グロム。発売を待ち焦がれる声も多かったが、ついにその国内仕様に試乗できるチャンスがやってきた。
以前、生産国のタイ仕様にも先行試乗したが、ホイールの色などを除けば、今回試乗した国内仕様もほぼ同じ。車体の基本構成は前モデルがベースで、外装を一新してハンドルとシートを変更。
グリップ位置が高くなって上半身のリラックス度が増し、着座位置の自由度が大きいシート形状と併せて大柄なライダーでも窮屈さを感じないポジションだ。
みんなが気になるのは5速ミッションの採用だろう。従来の4速ミッションはビギナーでも扱いやすい反面、各ギアのレシオ差が大きく、登り坂やコーナーで意図した回転域から外れるとパワー不足やギクシャク感が出ることがあったのに対し、新型の5速ミッションは自然な繋がりで加減速もスムーズだ。
ピークパワーはほぼ同じだが、最高速に到達するまでの時間は新型の方が短いはずで、これはサーキットでも大きな武器になる。
ちなみに、60km/h巡航時は4速で5000回転、5速だと4000回転。市街地なら4速までを多用して、郊外のクルージングは5速でゆったり、という使い方がいいだろう。
個人的に最も感心したのはロングストローク化した新エンジン。ボア×ストロークを52.4×57.9mmから50×63.1mmに変更し、圧縮比は9.3から10に高められている。
ロングストロークと聞いて、乗る前は低回転型の穏やかな特性を想像したが、実際に走ると低回転域での粘り強さよりも5000~7000回転あたりの反応が良くなっていることが印象的。
特に6000回転近辺での力強さはストリートライディングの楽しさを大きく引き上げている。8000回転手前から回転上昇の勢いが弱まるが、レブリミッターが作動する9500回転までキッチリ回るのでストレスは感じない。
小径ホイールとコンパクトな車体でコロコロと転がるようなコーナリング特性と硬めのサスペンション設定が生むキビキビした操縦性に、格段に爽快感を増したパワー特性がプラスされ、新型グロムはよりスポーティな走りが楽しめるように進化した。
とっつきやすさは変わらないが、より幅広いライダー層に嬉しい仕上がりになっている。
ホンダ「グロム」カラーバリエーション
2021年モデルの国内仕様車のカラーバリエーションは2タイプとなる。
フォースシルバーメタリック
マットガンパウダーブラックメタリック
【アンケート】あなたはどのカラーが好きですか?
お好きなカラーをポチっとお選びください。投票後、集計結果をご覧いただけます。
元サイトで投票・回答ホンダ「グロム」ライディングポジション・足つき性
シート高:761mm
ライダーの身長・体重:163cm・42kg
コンパクトな車体サイズだが、新型はハンドルが高くなり、シートの段差がなくなったことで大柄なライダーでもゆったりしたライディングポジションが取れる。761mmのシート高で足着き性がいいこともグロムの美点だ。
ホンダ「グロム」タンデム(2人乗り)チェック
パッセンジャー 木川田ステラの感想
シートが短かく、グラブバーもないので、タンデムはライダーに密着したポジションになります。ヒザの曲がりもきつめで、さすがに長距離は厳しいですが、ちょっとそこまで、くらいなら十分。ライダーと仲良く走りを楽しめます。
ホンダ「グロム」各部装備・ディテール解説
ホンダ「グロム」主なスペック・価格
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
[ アルバム : 【写真15枚】ホンダ「GROM」 はオリジナルサイトでご覧ください ]
文:太田安治、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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