電気自動車の普及が進んでいるが、エンジン車の音や匂いに親しんできたオッサンが気になるのは「EVの運転のそっけなさ」。排気音にしびれることもないし、ダブルクラッチやヒールアンドトゥに酔いしれることもできない。そこでやや郷愁も込めて「EVになるとなくなってしまう儀式」を集めてみた!
文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA、AdobeStock、ベストカーWeb編集部(トップ画像=Satoshi@AdobeStock)
おじさんは懐かしい!? EV時代には見れなくなるクルマ好き儀式5選
■運転する気にさせる「イグニッション オン!」
セルが回る「コヒョヒョヒョヒョ……」という音に続いての「ブオン!」という始動音……クルマが眠りから目覚めるような感覚に胸がときめいた(VictoryCAT@AdobeStock)
電気自動車の始動は、自動車というよりも家電に近い。ボタンを押してシステムを起動させるだけだからなにもリアクションがない。せいぜいインパネがポワンと点灯する程度だ。
その点エンジン車は違った。キーをひねってスターターを回すとブオン! とエンジンがかかり、「あー俺はこれからクルマを運転するんだ」という「儀式感」に満ちていた。
点火系が電子制御化される前はそもそもエンジンがかかるかどうかが心配で、キャブレターのV型12気筒エンジンに火が入った瞬間なんて、本当に鳥肌が立ったものだ。
おそらく今後、EVの起動にはもっと「セレモニー感」が付与されるだろう。美少女がほほ笑むのかナイト2000がしゃべるのかはわからんが、ともかく「クルマって楽しいなあ」と思わせるものであってほしい!
■スポーツドライブには必須だった「タコメーター」
アクセルペダルを踏むと、それに呼応して揺れ動くタコメーターの針……いかにも「操作している」という実感があった(MP_P@AdobeStock)
EVにはタコメーターがない。代わりに充放電や運転のエコ度などが分かるパフォーマンスメーターが備わっている車種もあるが、電気モーターは基本的にトランスミッションもないし(ポルシェ・タイカンは2段変速)、フラットトルクだから不要という判断だろう。
対してエンジン車は大変だった。元気よくコーナリングするには進入するギアを選び、タコメーターを見ながら力が一番出る「トルクの山」を探りながら走ったもんだ。
ブレーキングの時はシフトダウンも一緒にしなきゃなんないから、「ヒール&トゥ」なんて、今考えてみたら曲芸にしか思えない技を繰り出して対処してた。手間がかかったなあ(遠い目)。
いっそのことモーターにもタコメーター付けたら、と思うのだが、1速ギア固定なので、おそらくスピードメーターと同じ速度くらいでしか針が動かないだろう。エンジン回転とシンクロしたタコメーターの針を眺めるのは、それなりに快感だったのだが……。
■ポン付けタービンで100psアップなんて夢見た「チューニング」
エンジン系のチューニングがあったからこそ「峠のハチロク」や「悪魔のZ」、あるいは「親父の形見のチャージャー」などのドラマが生まれたのだ(Valmedia@AdobeStock)
当たり前の事実だが、エンジンがないEVにはエンジン系のチューニングができない。これは何気に痛い。ぶっといマフラー付けても笑われるだけだし(そもそも付かないし!)、ターボのブーストアップしたくてもターボチャージャーがない(燃料電池車には酸素を送り込むための過給機が付いているが)。
その点エンジン車はチューニング天国だった。ポート研磨やボアアップに始まって、フライホイール軽量化やらタービン交換やらやり放題。「青春時代の給料がすべてチューニングに消えた」という御大もいらっしゃるはずだ。
チューニングメーカーは賢いので、きっとEVのチューニングメニューも登場してくるだろう。
すでにモーターの制御メニューを書き換えることは行われているようだが、将来的には「こいつはあの〇〇さんが手組みで仕上げた禁断のパワーアップモーターだぜイッヒッヒ」みたいな神パーツが登場するのかもしれない。あくまで法律の範囲内だが、夢を追うのはいいことでしょう。
■高いやつ入れたという満足感に浸れた「オイル交換」
ガソリンの給油が「ペットに餌を与える」ような行為だとすれば、オイル交換は「おやつにチュールを与える」ようなクルマへのご褒美感がある。ちょっといいオイルに交換した時などはなおさらだ(LIGHTFIELD STUDIOS@AdobeStock)
電気モーターにも潤滑は必要なのだが、内部でガソリンが爆発したりしないので、圧倒的にメンテナンス頻度は少なくてすむ。
当然「俺は5000kmごと」とか「1万kmごと」とか世話を焼いていたオイル交換も不要になるわけだ。ちなみにEVはブレーキの負担も少ないから(減速エネルギーをモーターが回生してくれるため)、ブレーキパッドの減りも少ないようだ。
内燃機関のオイル交換が煩わしくないといえばウソだろうが、オイル交換してあげると、なにか愛車にいいことしてあげた感がしてうれしくもあった。お金があれば高いオイル入れたり、添加剤をおごったりして「奮発したんだから壊れず走ってくれよー」と念じたものだ。
「手間がかかるがゆえの愛車との距離の近さ」は、内燃機関ならではの魅力だったと思う。EV時代にも、愛車を相棒と感じる気持ちは生き続けてほしいものだ。
■コミュニケーションの場でもあった「給油」
昔のガソリンスタンドでは、店員さんからメカニックのことを教わったり、常連客どうしの情報交換などの風景があった(Pixel-Shot@AdobeStock)
最後に紹介するのがEVとエンジン車最大の違いでもある「給油」だ。走り屋がガソリンスタンドにいる姿は絵になるが、EV時代の走り屋は自宅のコンセント近くとか、高速の急速充電器あたりにたむろするのだろうか。なんかピンとこないなあ。
近頃はガソリンスタンドもセルフが当たり前なので昔の風情は失せたが、ちょっと前まではスタンドの店員さんからメカのことを教わったり、クルマ好きの客どうしが情報交換できたりして楽しかった。
スタンドのアルバイトにあこがれたクルマ好きもいっぱいいたし、常連さんどうしがクルマを安く譲り合ったなんて話もあったほどだ。
今後はガソリンスタンドが減っていくと予想されているが、クルマ好きのコミュニケーションの場が失われるのは残念な限り。充電スポットに形を変えるなどして、生き残ってほしいものだ。
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みんなのコメント
メディアなら、見れなくじゃなく、見られなくってちゃんと書けよ。
嘘つき専門の集まりだから、仕方ないか。