ルノー・グループが自社のF1パワーユニットプログラムを停止するという噂に対するフランス国内の反応は、予想どおり極めて否定的なものだった。もちろん、フラビオ・ブリアトーレ(アルピーヌF1チームのエグゼクティブ・アドバイザー)とルカ・デメオ(ルノーCEO)はこれらの声を気にしないだろうが、この状況によってフランスのマニュファクチャラーがイメージダウンを被ったことで、後者はこのような急進的なステップを踏んだことを後悔するかもしれない。
ルノーF1の初代チーム代表だったジェラール・ラルースは、ルノーが下そうとしている決定に対する失望を声高に表明した。このプログラムを、始まりの1977年から1984年末まで導き、その後の1987年から1994年までは自身のF1チームを率いたラルースは次のように認めた。「最初は信じられなかった。息子が教えてくれたのだが、その時はフェイクニュースだと思ったほどだ!」
ルノーのエンジン製造撤退の噂に様々な反応。RB代表はアウディが参戦してもF1のOEMの数は変わらないと危惧
ル・マン24時間レースで2度の優勝経験を持つラルースは、この決定について「私にとっては、とてもショックなことだ」と続ける。
「ショックだし非常に残念だ。なぜなら、私はビリー-シャティヨンにたくさんの思い出があるためだ。このチームの歴史すべてを考えると、少なくともF1での活動を突然停止するのはひどいことだと思う」
84歳のラルースは、歴史あるこのファクトリーがルノーのモータースポーツ活動だけでなく、市販車プログラムへの貢献においても果たした役割を振りかえり、次のように付け加えた。「F1のターボを開発したのはルノーだった。プロダクションカーでは、我々がこのトレンドを始めたんだ」
「私たちはルノーのために優れたエンジンマニュファクチャラーのチームをまとめ上げたと思う。フランソワ・キャスタン(ビリー-シャティヨンの初代テクニカルディレクター)を追悼したいが、彼は墓のなかで身をよじっているに違いない」
F1パドックの多くの人々と同様に、ラルースもアルピーヌとメルセデスの提携の仮説は不自然だと考えている。元レーシングドライバーである彼は、「メルセデスのエンジンを搭載したアルピーヌでレースができるとは思えない」とはっきりと述べている。
「このふたつを結婚させることはできない。アルピーヌはフランス製のエンジンを搭載するように作られている」
「ルノーはつい最近アルピーヌを再販売したが、私の時代には少し忘れ去られていた。しかし、現在このブランドは一定の知名度を取り戻している。私には理解できないことを認めるよ」
しかし、ルノーをF1で強力な存在に押し上げたラルースは、苦い悲しみとともに次のように認めた。「おそらく、これはルノーがF1から完全に撤退することを目指した作戦の始まりなのかもしれない、と私は理解している」
さらに同氏は、8月末での退任が決まっている現チーム代表ブルーノ・ファミンの招待で最近ビリー-シャティヨンを訪れ、そこで見たものに衝撃を受けたことを明かした。「4月に彼らの施設を見たとき、そこに存在する可能性に本当に驚いた。ビリーを訪問できて本当にうれしかった。導入されている設備には本当に驚かされたよ。あそこにあるものはすべて壮大だ。彼らは考え得るあらゆる手段を持っていると感じた」
だからこそ、ベテランのラルースはそれらすべてを目の当たりにして、「大いに驚いた」と語ったのだ。「ビリーの現場では500人が働いていると聞いた。しかしビリー-シャティヨンに無能な人材が500人もいるわけがない。そんなことはありえない!」
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みんなのコメント
2026年以降もルノーがF1にファクトリーチームとして参戦するなら、最低限自社製PUでしょ。