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地元出身リンナマエが快挙。最終パワーステージで9.3秒差を逆転しGRヤリス・ラリー2がERC初勝利

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地元出身リンナマエが快挙。最終パワーステージで9.3秒差を逆転しGRヤリス・ラリー2がERC初勝利

 ERCヨーロッパ・ラリー選手権第4戦として、7月5~7日に超高速フラットサーフェースを特徴とするグラベル戦『ラリー・エストニア』が開催され、地元出身の若手スター候補生が激しいデッドヒートを繰り広げる展開に。ともにイベント会期直後の7月8日に誕生日を迎えたゲオルグ・リンナマエ(トヨタGRヤリス・ラリー2)とロバート・ヴィルヴェス(シュコダ・ファビアRSラリー2)が競技初日からシーソーゲームを演じ、最終パワーステージで9.3秒の差を逆転したリンナマエが初優勝を達成。今季デビューのトヨタ製ラリー2モデルにとっても、これが欧州選手権初制覇となった。

 季節外れの天候が一時的に回復したものの、初日から荒天に見舞われた予選ステージでは、ミシュランタイヤを装着するトヨタGRヤリス・ラリー2のリンナマエが、地の利を活かして早々にトップタイムを記録。ERC通算4勝のニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)や、元フィンランド王者ミッコ・ヘイッキラ(トヨタGRヤリス・ラリー2)を抑え込んだ。

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「とてもクリーンな感じだった。できるだけきちんとした走りを心掛けたし、コースはかなりトリッキーだったが、よかったよ」と自らのドライブに手応えを得た様子の25歳。

 一方、4番手に続いたヴィルヴェスの背後では、ディフェンディングチャンピオンのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が先頭出走で14番手タイムに沈み、規則に従い翌日からのレグ1で良いスタート順を手にする方法を模索する。

「明らかに滑りやすい。明日は雨が降ることを期待しているが、FPの轍はラインが水でいっぱいで、どこでもアクアプレーニングを起こしているから、火傷を負うことになりそうだ。最初の路面を走るのは良くないね」と掃除役を強いられたパッドン。

 そのまま金曜の晩に実施された全14SSの幕開けとなるタルトゥのスーパーSS(1.48km)では、チャンピオンが貫禄のドライブでトップタイムを記録。「WRC時代はスーパースペシャルステージでまったくダメだった。10年前にこのことを知っていればよかったのに(笑)」と冗談を飛ばす余裕も取り戻す。

 しかし明けた土曜のSS2でチャンピオンは早速の苦難に見舞われ、ステージ途中のジャンプで大きく降下した姿勢で着地したヒョンデi20 Nラリー2は、ラジエターから蒸気が噴き出し大きくタイムロス。ロードセクションで急ぎ修復し、続くSS3では驚きのトップタイムを叩き出すも、焦る気持ちがそうさせたか。SS9で岩にヒットしてステアリングを曲げ、パルクフェルメには7番手で帰還する展開となる。

■ミシュランのソフトタイヤが路面とマッチ

 こうして王者が苦戦を強いられる展開のなか、晴天と大雨の間を揺れ動く天候にもかかわらず速さを披露したのが地元出身ドライバーたちで、10ステージを通じて計3度にわたって総合首位を入れ替えながら、リンナマエを約1秒リードしたヴィルヴェスがレグ1首位に立った。

「公平に言えば、楽しむことが大事だ。なぜなら、楽しむ方が物事はうまくいくことが多いからね」と、自身もスピンやアクシデントに遭遇していたヴィルヴェス。「地元イベントで戦うことには余計なストレスはないし、ベストを尽くすだけさ」

 落ち着いてそう語った23歳は、明けた日曜最初のループでも3本中2本でベストを記録し、リードを拡大する。

 一方、SS12で反撃しヴィルヴェスのリードを2.9秒に縮めたリンナマエも、最終ステージを前に9.3秒まで差を拡げられ、これで勝負あったかと思われた。

 しかし激しい雨と強風により危険なコンディションと化した最終パワーステージを前に、リンナマエはミシュランのソフトコンパウンドを選択。これが路面条件にピタリとハマり、ピレリを履いたヴィルヴェスを11.5秒上回るスーパーベストを叩き出し、2.2秒差での大逆転勝利を飾ってみせた。

「信じられない! もちろん全力を尽くしたが、パワーステージは本当にクレイジーだった」と望外のERC初勝利を喜ぶリンナマエ。

「ほぼすべてのコーナーでチャンスがあり、人生でもっとも大胆なステージになった。何もかもを出し切ったよ……。最後のステージを前に、大きな仕事が待ち受けていることはわかっていたが、タイヤの選択が報われると理解していた。本当に素晴らしい、素晴らしい戦いだった。ラリーカーで経験した中でもっとも楽しかったよ、最高だ!」

 一方、初優勝を逃したものの、先日のWRCポーランド戦に続く自身ERC初ポディウムの2位を得たヴィルヴェスも「誰にとっても簡単なことではない。意外な穴などもあり、ドライブするのは簡単ではなかったが、かなりいい走りができた」と語り、それぞれ26歳と24歳になる誕生日を祝う結果となった。

 前日の遅れから立ち直り5位カムバックを果たしたパッドンが、暫定順位で10ポイントリードとした2024年のERCシーズン。折り返しとなる第5戦は、世界的に有名なコロッセオ前のSSSがハイライトでもあるターマック戦『ラリー・ディ・ローマ・カピターレ』が7月26~28日に開催される。

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