一般ユーザーには広く愛用されているものの、カーマニアからは高く評価されることの少ない軽自動車。
だが最近の軽をそのように軽んじるのは間違いではないか? だって最近の軽、けっこういいよ?
【車名当てクイズ】この名車、迷車、珍車、ご存じですか? 第19回
さあ、今こそ「軽自動車の逆襲」を喰らえ!
※本稿は2021年10月のものです
文/伊達軍曹 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年11月10日号
[gallink]
■全開にできる軽こそが日本では最強なのだ!?
ホンダ S660 言わずと知れたミドシップの軽オープン2シータースポーツ。新車はすでに完売しているが、中古車は150万円から探すことが可能。最高値は500万円超になるが!
確かに「ご近所お買い物スペシャル」的な軽自動車の走りは一般的にショボいわけだが、そうでない軽自動車も世の中にはたくさんある。例えばホンダS660やダイハツのコペン、あるいはスズキのアルトワークスなどはその最右翼と言えるだろう。
もちろんそれらにしたって大排気量エンジンを積んだ登録車と比べれば「ショボい」わけだが、ショボくたっていいではないか。
ダイハツ コペン 電動開閉式トップを備え、まあまあ実用的にも使えるオープンスポーツ。パワーユニットは直3ターボのみで、トヨタとタッグを組んだ「コペンGRスポーツ」もある
スズキ アルト ワークス ターボRSをベースに、アクセルレスポンスを高め、専用開発の5MTまたは専用チューンの5速AGSを組み合わせた下町ロケット。前後ダンパーも専用設計のKYB製だ
なぜならば、日本はドイツのように200km/h超や250km/hで延々と走れるような場所などどこにもない。ある程度以下の速度域のなかで「そのときどきの快感」を味わえるかどうかだけが鍵なのだ。
そうであるならば、最高出力が64psぐらいでも何ら問題はないのである。むしろそのぐらいのほうが「いつ何時もアクセル全開にできる!」という意味で、スーパーカー以上にファンである可能性は高い。
そういった意味では、ホンダのN-ONEに設定されたRS(6MT)は最高に素晴らしいクルマのひとつだ。
ホンダ N-ONE RS(6MT) N-ONEのターボグレード「RS」には6MTも用意される。ギア比はS660と同じく1~5速を近づけたもので、ギア比もフィールも気持ちいい!
アルトワークスなどと比べればパンチ力には欠けるが、小気味よく決まるMTをコキコキさせながら、程よく吹けるエンジンを自分の好みどおりに吹けさせていく作業は「快感!」のひと言。そして足回りのしなやかな感触も、このクルマの素晴らしい美点だ。
また英国ケータハムの「スーパーセブン」も、日本の軽規格のなかで楽しむことができる。以前はセブン160というモデルが販売されていたが、9月23日には「セブン170」という新型が発売された。
ケータハム セブン170 セブン160の後継となる軽自動車規格のスーパーセブン。エンジンはスズキ製の直3ターボで最高出力は85ps。最軽量仕様のパワーウェイトレシオは5.18kg/ps!
車両重量はわずか440kgで、そこにスズキ製の最高出力85psのターボエンジンが搭載されているのだから……その走りが楽しくないわけがないじゃないか! 最高だぜ、(一部の)軽!
■絶版モデルの軽の走りもまだまだ充分イケてるぜ!
ダイハツ ソニカ 「爽快ツアラー」というコンセプトで2006年に発売。低く構えたプロポーションとKF-DETターボエンジンがもたらす走りは爽快。現在の中古車相場は10万~70万円といったところ
そして当然ながら「絶版モデル」のなかにも、イケてる走りを存分に楽しめる軽自動車は多数存在している。
候補はさまざまあるが、筆者の個人的な好みでいえばダイハツの悲運の名作「ソニカ」は、今でも「軽自動車界のアルピナである!」と思っている。
素晴らしいエンジンと強く優しい足回り、そして優秀な空力性能は、筆者が当時乗っていたアルピナB3Sというドイツ車と「ほぼ同じぐらいステキ!」と確信したのだ。
ソニカは、CVTとエンジンの結合剛性を高めることでエンジンノイズを源流から低減させ、車内に侵入する走行音を軽減させるため、ドア下部のゴムシールは二重化されていた。それもあって、高速域でもアルピナ並みの(?)静粛性を発揮したのだ。
マツダ AZ-1 当時のアルトワークスと同じ直3ターボエンジンをミドに搭載し、超クイックなステアリングとガルウイング式ドアを採用。今なお中古車相場は170万~400万円となる
また、「まるでスーパーカー消しゴムみたい(笑)」と色モノ扱いされがちなマツダ AZ-1も、いまだ熱心な愛好家が多い(実は)ちゃんと走れる素晴らしい一台だ。
ダイハツのミラターボや三菱のミニカダンガンZZなどが持つ、現在の軽のように洗練されてはいない爆竹のような(?)楽しさも、好きな人にとってはたまらないものがあるはずだ。
ダイハツ ミラターボ TR-XX 547ccの直3 SOHCターボを搭載し、最高出力52psと最大トルク7.1kgmを発生。中古車もまだ流通しており、50万~80万円ほどで見つかる
三菱 ミニカ ダンガンZZ 世界初の5バルブ・インタークーラー付き3気筒DOHCターボは548ccながら64psをマーク。中古車は超希少だが、60万円前後で流通中
そして忘れてはならないのが、スバルが軽自動車の自社開発を行っていた時代の「スーチャー軍団(スーパーチャージャー軍団)だろうか。ヴィヴィオとプレオおよびR1などに搭載されたEN07型エンジンは、軽自動車用なのに4気筒で、なおかつ唯一のスーパーチャージャー付き。
スバル ヴィヴィオ 3気筒が当たり前な軽自動車用エンジンにあって、EN07型エンジンはスバルこだわりの直4。そこに高過給のスーパーチャージャー架装エンジンを搭載したのが「スバル・スーチャー軍団」だ
スーチャー軍団の一角を担うスバル プレオ
スバル R1 SOHCでスタートしたスーチャー軍団だが、R2の登場時からDOHCとなり、ヴィヴィオRX-R登場時に開発されたEN07Xはインタークーラー付きに。現在の相場は10万~150万円ほど
その高過給型の見事な出力特性と、贅沢な四輪ストラットの独立懸架の足回りと併せ、状態のよい中古車があれば即買いのうえ、いつまでも持っておきたい気持ちになる名作である。
【結論!】さまざまな制約あるからこそ軽自動車はオモシロイのだ!
軽自動車の『逆襲』といえる側面をさまざま述べてきたが、結局、軽を楽しめるか否かは「物事は制約があったほうが面白い」と思えるかどうかにかかっているのかもしれない。
軽自動車規格という制約のなかでの各社のさまざまな創意工夫を「面白い!」「愛おしい!」と思える人は、軽自動車を買っても、充分以上に楽しめるはずだ!
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みんなのコメント
FFですが、ハードトップを後部トランクに収めることにより
前後重量バランスも良くなり、低重心にもなっています。
オープンにしたボディ硬性もしっかり補強されていますから、
オープンでブンブン振り回せて、サイコーな走りが楽しめますよ。