現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > じつは軽は『走り』もけっこういい!! 解き明かされる軽自動車の真実

ここから本文です

じつは軽は『走り』もけっこういい!! 解き明かされる軽自動車の真実

掲載 37
じつは軽は『走り』もけっこういい!! 解き明かされる軽自動車の真実

 一般ユーザーには広く愛用されているものの、カーマニアからは高く評価されることの少ない軽自動車。

 だが最近の軽をそのように軽んじるのは間違いではないか? だって最近の軽、けっこういいよ?

【車名当てクイズ】この名車、迷車、珍車、ご存じですか? 第19回

 さあ、今こそ「軽自動車の逆襲」を喰らえ!

※本稿は2021年10月のものです
文/伊達軍曹 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年11月10日号

[gallink]

■全開にできる軽こそが日本では最強なのだ!?

ホンダ S660 言わずと知れたミドシップの軽オープン2シータースポーツ。新車はすでに完売しているが、中古車は150万円から探すことが可能。最高値は500万円超になるが!

 確かに「ご近所お買い物スペシャル」的な軽自動車の走りは一般的にショボいわけだが、そうでない軽自動車も世の中にはたくさんある。例えばホンダS660やダイハツのコペン、あるいはスズキのアルトワークスなどはその最右翼と言えるだろう。

 もちろんそれらにしたって大排気量エンジンを積んだ登録車と比べれば「ショボい」わけだが、ショボくたっていいではないか。

ダイハツ コペン 電動開閉式トップを備え、まあまあ実用的にも使えるオープンスポーツ。パワーユニットは直3ターボのみで、トヨタとタッグを組んだ「コペンGRスポーツ」もある

スズキ アルト ワークス ターボRSをベースに、アクセルレスポンスを高め、専用開発の5MTまたは専用チューンの5速AGSを組み合わせた下町ロケット。前後ダンパーも専用設計のKYB製だ

 なぜならば、日本はドイツのように200km/h超や250km/hで延々と走れるような場所などどこにもない。ある程度以下の速度域のなかで「そのときどきの快感」を味わえるかどうかだけが鍵なのだ。

 そうであるならば、最高出力が64psぐらいでも何ら問題はないのである。むしろそのぐらいのほうが「いつ何時もアクセル全開にできる!」という意味で、スーパーカー以上にファンである可能性は高い。

 そういった意味では、ホンダのN-ONEに設定されたRS(6MT)は最高に素晴らしいクルマのひとつだ。

ホンダ N-ONE RS(6MT) N-ONEのターボグレード「RS」には6MTも用意される。ギア比はS660と同じく1~5速を近づけたもので、ギア比もフィールも気持ちいい!

 アルトワークスなどと比べればパンチ力には欠けるが、小気味よく決まるMTをコキコキさせながら、程よく吹けるエンジンを自分の好みどおりに吹けさせていく作業は「快感!」のひと言。そして足回りのしなやかな感触も、このクルマの素晴らしい美点だ。

 また英国ケータハムの「スーパーセブン」も、日本の軽規格のなかで楽しむことができる。以前はセブン160というモデルが販売されていたが、9月23日には「セブン170」という新型が発売された。

ケータハム セブン170 セブン160の後継となる軽自動車規格のスーパーセブン。エンジンはスズキ製の直3ターボで最高出力は85ps。最軽量仕様のパワーウェイトレシオは5.18kg/ps!

 車両重量はわずか440kgで、そこにスズキ製の最高出力85psのターボエンジンが搭載されているのだから……その走りが楽しくないわけがないじゃないか! 最高だぜ、(一部の)軽!

■絶版モデルの軽の走りもまだまだ充分イケてるぜ!

ダイハツ ソニカ 「爽快ツアラー」というコンセプトで2006年に発売。低く構えたプロポーションとKF-DETターボエンジンがもたらす走りは爽快。現在の中古車相場は10万~70万円といったところ

 そして当然ながら「絶版モデル」のなかにも、イケてる走りを存分に楽しめる軽自動車は多数存在している。

 候補はさまざまあるが、筆者の個人的な好みでいえばダイハツの悲運の名作「ソニカ」は、今でも「軽自動車界のアルピナである!」と思っている。

 素晴らしいエンジンと強く優しい足回り、そして優秀な空力性能は、筆者が当時乗っていたアルピナB3Sというドイツ車と「ほぼ同じぐらいステキ!」と確信したのだ。

 ソニカは、CVTとエンジンの結合剛性を高めることでエンジンノイズを源流から低減させ、車内に侵入する走行音を軽減させるため、ドア下部のゴムシールは二重化されていた。それもあって、高速域でもアルピナ並みの(?)静粛性を発揮したのだ。

マツダ AZ-1 当時のアルトワークスと同じ直3ターボエンジンをミドに搭載し、超クイックなステアリングとガルウイング式ドアを採用。今なお中古車相場は170万~400万円となる

 また、「まるでスーパーカー消しゴムみたい(笑)」と色モノ扱いされがちなマツダ AZ-1も、いまだ熱心な愛好家が多い(実は)ちゃんと走れる素晴らしい一台だ。

 ダイハツのミラターボや三菱のミニカダンガンZZなどが持つ、現在の軽のように洗練されてはいない爆竹のような(?)楽しさも、好きな人にとってはたまらないものがあるはずだ。

ダイハツ ミラターボ TR-XX 547ccの直3 SOHCターボを搭載し、最高出力52psと最大トルク7.1kgmを発生。中古車もまだ流通しており、50万~80万円ほどで見つかる

三菱 ミニカ ダンガンZZ 世界初の5バルブ・インタークーラー付き3気筒DOHCターボは548ccながら64psをマーク。中古車は超希少だが、60万円前後で流通中

 そして忘れてはならないのが、スバルが軽自動車の自社開発を行っていた時代の「スーチャー軍団(スーパーチャージャー軍団)だろうか。ヴィヴィオとプレオおよびR1などに搭載されたEN07型エンジンは、軽自動車用なのに4気筒で、なおかつ唯一のスーパーチャージャー付き。

スバル ヴィヴィオ 3気筒が当たり前な軽自動車用エンジンにあって、EN07型エンジンはスバルこだわりの直4。そこに高過給のスーパーチャージャー架装エンジンを搭載したのが「スバル・スーチャー軍団」だ

スーチャー軍団の一角を担うスバル プレオ

スバル R1 SOHCでスタートしたスーチャー軍団だが、R2の登場時からDOHCとなり、ヴィヴィオRX-R登場時に開発されたEN07Xはインタークーラー付きに。現在の相場は10万~150万円ほど

 その高過給型の見事な出力特性と、贅沢な四輪ストラットの独立懸架の足回りと併せ、状態のよい中古車があれば即買いのうえ、いつまでも持っておきたい気持ちになる名作である。

【結論!】さまざまな制約あるからこそ軽自動車はオモシロイのだ!

 軽自動車の『逆襲』といえる側面をさまざま述べてきたが、結局、軽を楽しめるか否かは「物事は制約があったほうが面白い」と思えるかどうかにかかっているのかもしれない。

 軽自動車規格という制約のなかでの各社のさまざまな創意工夫を「面白い!」「愛おしい!」と思える人は、軽自動車を買っても、充分以上に楽しめるはずだ!

[gallink]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

運転が困難!? クセが強すぎる1977年製[サニー]が超刺激的だった件
運転が困難!? クセが強すぎる1977年製[サニー]が超刺激的だった件
ベストカーWeb
【2025最新版】スバル読本~Now & Future~
【2025最新版】スバル読本~Now & Future~
グーネット
ホンダの魂が聞こえてくる 幻のS360復活 独占詳報プレイバック【ベストカーアーカイブス2013】
ホンダの魂が聞こえてくる 幻のS360復活 独占詳報プレイバック【ベストカーアーカイブス2013】
ベストカーWeb
くるまりこちゃん OnLine 「高速道路と眠気」第135回
くるまりこちゃん OnLine 「高速道路と眠気」第135回
ベストカーWeb
[ホンダ CR-V e:FCEV]って燃料電池車の中でダントツに完成度高くない?
[ホンダ CR-V e:FCEV]って燃料電池車の中でダントツに完成度高くない?
ベストカーWeb
藤トモ「三菱の歴史を感じる一台」パジェロ登場! オフローダーの注意点は? 【グー鑑定団】
藤トモ「三菱の歴史を感じる一台」パジェロ登場! オフローダーの注意点は? 【グー鑑定団】
グーネット
【ポイントランキング】2025年WRC第2戦ラリー・スウェーデン後
【ポイントランキング】2025年WRC第2戦ラリー・スウェーデン後
AUTOSPORT web
三菱のコネクティッドサービスが進化!KDDIと開発した新スマホアプリを導入
三菱のコネクティッドサービスが進化!KDDIと開発した新スマホアプリを導入
グーネット
R’Qs MOTOR SPORTS、2025年もメルセデスでスーパーGT参戦へ。庄司雄磨が第4ドライバーに
R’Qs MOTOR SPORTS、2025年もメルセデスでスーパーGT参戦へ。庄司雄磨が第4ドライバーに
AUTOSPORT web
初勝利まであと3.8秒。勝田貴元が2位表彰台獲得「まだ勝つ準備ができていなかった」/WRCスウェーデン
初勝利まであと3.8秒。勝田貴元が2位表彰台獲得「まだ勝つ準備ができていなかった」/WRCスウェーデン
AUTOSPORT web
アウディ 新型「A5/A5アバント」シリーズ日本導入!限定モデルも同時発売!
アウディ 新型「A5/A5アバント」シリーズ日本導入!限定モデルも同時発売!
グーネット
自宅のような快適空間!新型「ディスカバリー1」 充実装備のフルサイズキャブコン
自宅のような快適空間!新型「ディスカバリー1」 充実装備のフルサイズキャブコン
グーネット
勝田貴元が首位浮上も、リード守り切れず。僚友対決を制したエバンスがWRCスウェーデン優勝【最終日レポート】
勝田貴元が首位浮上も、リード守り切れず。僚友対決を制したエバンスがWRCスウェーデン優勝【最終日レポート】
AUTOSPORT web
【最終結果】2025年WRC第2戦ラリー・スウェーデン パワーステージ後
【最終結果】2025年WRC第2戦ラリー・スウェーデン パワーステージ後
AUTOSPORT web
マツダ タイでの生産を強化 新型バッテリーEV「マツダ 6e」含む5車種投入へ
マツダ タイでの生産を強化 新型バッテリーEV「マツダ 6e」含む5車種投入へ
グーネット
こっそり決定!? ベストカーで選んだ[クルマ]流行語大賞
こっそり決定!? ベストカーで選んだ[クルマ]流行語大賞
ベストカーWeb
日産 リーフの車検費用|内訳や安くおさえる方法、車検業者選びについて解説
日産 リーフの車検費用|内訳や安くおさえる方法、車検業者選びについて解説
グーネット
トヨタ カローラ アクシオ/フィールダー 10月末での生産終了を発表
トヨタ カローラ アクシオ/フィールダー 10月末での生産終了を発表
グーネット

みんなのコメント

37件
  • 今乗って一番楽しい車はGRコペンですかね。
    FFですが、ハードトップを後部トランクに収めることにより
    前後重量バランスも良くなり、低重心にもなっています。
    オープンにしたボディ硬性もしっかり補強されていますから、
    オープンでブンブン振り回せて、サイコーな走りが楽しめますよ。
  • みんなオカシイ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

153.8168.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.1308.0万円

中古車を検索
アルトワークスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

153.8168.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.1308.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村