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2022年の漢字は「戦」! というわけで「戦」の文字が似合うクルマとそのトピック4つを選んでみた

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2022年の漢字は「戦」! というわけで「戦」の文字が似合うクルマとそのトピック4つを選んでみた

 この記事をまとめると

■今年の漢字は2度目となる「戦」となった

6台すべてが伝説の名車! レースで勝つために生まれた日産の市販車たち

■日本の自動車メーカーは「戦」とも呼べる争いを各地で繰り広げている

■「戦」の相手は「社長」「市場」「サーキット」とさまざまだ

「戦」を繰り広げるクルマたちを紹介

 例年通り、清水寺で今年の漢字が発表となりました。「戦」という字、じつは2001年(アメリカ同時多発テロが発生)に続いて2度目となりました。世相を表す漢字とはいえ、クルマ好きとしては微妙な気分かと。一方、クルマの世界でも「戦」の文字が当てはまるトピックスがいくつかあります。世間の「戦」と違って、わりと楽しげな「戦」をいくつかご紹介しましょう。

 豊田章男社長と戦うプリウス

 フルモデルチェンジのニュースもフレッシュな5代目プリウス。とてもスタイリッシュになり、また走りと環境性能も飛躍的な向上をしたと、さまざまなメディアを席巻したかと。

 ですが、開発のスタート時には社内から「いつまでハイブリッド車をつくるんだ」といった逆風もあったそうです。つまり、カーボンニュートラルを目指すべきトヨタにとってはハイブリッドでなく、EVのほうが優先されるべきといったニュアンスでしょうか。

 ここに抗ったというか、反対表明をして戦ったのが豊田章男社長その人でした。ハイブリッド車のプリウスを「どうしても残さないとならないクルマだ。なぜなら、誰でも手が届くエコカーだから!」なるほど、カーボンニュートラルの実現にはあらゆる人々の協力が欠かせません。誰もが手に入れられるエコカーは絶対に必要な存在に違いありません。

 また、豊田社長はプリウスの開発に当たって「タクシー専用車にしたらどうか」と提案。これは、コモディティ化することで走行台数が増え、タクシーなど長距離を走ることで、よりエコカーとしての機能、価値を高めようという狙い。たくさんのエコカーがじゃんじゃん走れば、それだけ環境に優しくなるということ。

 ここで、開発チームは豊田社長と戦いました。彼らはコモディティ化、つまり「プリウスを白物家電のようなクルマにしたくない!」、クルマ好きとして愛情を注げる「愛車」にしたいと。このくだりはプリウスの発表会でも紹介され、豊田社長も「このケンカはおもしろいね」とコメントしたとのこと。

 さて、豊田社長が戦ったプリウス、その出来ばえはぜひご自身でお確かめください。プリウスをめぐる戦いは、すなわちクルマ好きとエコのせめぎ合いにも等しいのですから。

 インフレと戦うスズキ・アルト

 増税とか値上げだとか、ほんとイヤなニュースには事欠きませんが、昔から庶民の味方になっているアルトの存在には大いに勇気づけられる、というか励まされているクルマ好きも少なくないことでしょう。

 思い起こせば、初代アルトは当時の事情としては画期的な全国統一価格47万円という破格を打ち出し、しかも商用車登録とすることで税金もゼロ! 軽自動車が軒並み60万円という時代ですから、売れに売れまくったことも当然です。

 そうした初代の意気込みやコンセプトは、7代目にも継承されていることは確かでしょう。トールボーイ真っ盛りな市場に、あえて商用車スタイルを堅持(商用車登録だから当たり前といえばそれまでですが)必要最低限の「下駄グルマ」としては必要十分、いやそれ以上の仕上がりといっても過言ではありません。

 登録台数を見ると、さほど数字が伸びている気配がないのは、例の「半導体不足」でもって生産台数に制限がされているから。また、商用ニーズだけでなく、50代以上の男女比がほぼ同等というのも「普段使い」に供しているユーザーが多い傾向を表しているのかと。

 ハードの良し悪しは別としても、表面上はどうにかなっているのを装いながら、じつは破綻しているかのような日本にとって、アルトは「地に足の着いた」あるいは「きちんと現実を見据えた」存在といえるのではないでしょうか。もしかしたら、アルトは古き良き日本人の本質や魂に代わって戦ってくれているのかもしれません。ちょい、大げさだけど(笑)。

 世界でも日本のメーカーが大活躍!

 ニュルブルクリンク24時間レースで戦うスバル WRX

 国内での報道が少ないためか、WRXがニュルブルクリンク24時間レースで無双にほど近い活躍を知っている方はそう多くないようです。2022年こそクラッシュ、リタイヤという結果となりましたが、3度にわたる連続クラス優勝(2011&2012、2015&2016、2018&2019)という輝かしい快挙を成し遂げています。

 マシンの製作はおなじみスバルのワークスファクトリーたるSTIが担い、2リッター以下のターボ車クラス(SP3T)にエントリー。ライバルはVWゴルフGTI TCRや、SEAT(セアト)のLEON(レオン)といった侮りがたいヨーロッパ勢が並ぶため、STIをもってしても楽に勝たせてくれるはずもありません。ちなみに、2022年の総合優勝はアウディR8 LMS GT3 EVO2で、約20秒遅れた2番手(!)にはメルセデスAMG GT3といったリザルトなので、24時間の耐久レースがいかにホットなものかイメージもできますね。

 STIにとってニュルブルクリンクは、WRXなどの開発コースとしてもはやホームに近い存在かもしれません。もっとも、地の利に似たアドバンテージを持っていたとしても、やはり24時間におよぶ耐久レースは生半可なものでないこと言うまでもないでしょう。そんなレースに続けて参戦しているだけでなく、何度もクラス優勝をものにしているWRX、もっともっと評価されてほしいものです。

 WRCで戦うGRヤリス

 世界ラリー選手権もまた、興味を抱いているのはマニアックなラリーファンが中心で、なかなか一般の興味をひくことが少ない気がします。が、前述のインプレッサ同様、GRヤリスの活躍はもっと知られるべきであり、日本国民として誇りをもてる成績にほかなりません。

2017年から参戦し、2018シーズンは早くもマニュファクチャラータイトルを獲得、2019年にはドライバー&コドライバータイトルという二冠を達成すると、2021年にはついにドライバー&コドライバー、そしてマニュファクチャラーの三冠をゲット! F1でドライバー&マニュファクチャの両タイトルを獲ることがいかに難しいか、想像していただければ、GRヤリスが成し遂げたことは偉業にも等しいことおわかりかと。

そして、2022シーズンのGRヤリスはなんとハイブリッドシステムを搭載したWRカーとして参戦しています。さらに、マニュファクチャラー、ドライバーともにポイントランキング年間1位を獲得し、2022年シーズンを終えました!

 注目すべきはレギュレーションによるマシンの変更点で、ハイブリッドシステムは搭載したものの、カナードやエアロパーツが禁止され、また4輪駆動のためのアクティブセンターデフも廃止(代わりに機械式LSDを装備)。さらにはパドルシフトも使えなくなり、一般的なフロアシフトMT(前後で操作するシーケンシャル)となるなど、よりネイティブなヤリスに近づいたマシンとなっていること。そのうえで、トップランナーとして戦い続けているGRヤリス、見識を新たにされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 さて、さまざまな「戦」をご紹介してきましたが、クルマ好きの皆さまにとっては、どんな「戦」の1年だったでしょう。ともあれ、いまやクルマ好きでいること自体がある種の戦いなのかもしれません。ここはひとつ不景気やネガ、あるいは逆風に負けることなく、クルマ好きとしての矜持でもって乗り切っていきましょう!

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みんなのコメント

17件
  • ヤフオクで落札したクルマをDIYで直しながら「貧」と戦っているオレもノミネートしてよ!
  • シンプルにWRCのヤリスと
    F1のレッドブル(HONDA)ですかね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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