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BMW X2に試乗 2ℓ直4ターボ搭載車、価格をもとにスペックを評価

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BMW X2に試乗 2ℓ直4ターボ搭載車、価格をもとにスペックを評価

もくじ

ー X2、「SUV」ではなく「SAC」
ー 2ℓ直4ターボ、走りの印象は
ー 乗り心地、ハンドリングを検証
ー 鮮烈な印象、乗り味に見出しづらく
ー BMW X2 xドライブ20i MスポーツXのスペック

新型BMW X2ディーゼルに試乗 価格/サイズ/内装、Q3やGLAへの一手は

X2、「SUV」ではなく「SAC」

世界中の多くのメーカー、多くのブランドがSUVを市場に送り出すなか、BMWのコンパクトSUV、X2が新型に生まれ変わって、日本でも発売された。というのは、実は正しい表現ではない。BMWはこのクルマをSUVではなく、「SAC=スポーツ・アクティビテイ・クーペ」と称しているからだ。

しかもX2は単なるニユーモデルではなく、BMWとしてはまったく新しいコンセプトを採用した、新しい世界観、新しい価値観を具現化したなのクルマだという。具体的にはまず、これまでのXシリーズとはややテイストの異なるスタイリングにそれが現れているといえる。

これまでとは逆に、下の方が幅広いキドニーグリルや、その下の大きなエアインテークを特徴とするフロントエンド、さらにはリアクオーターウインドウの後端がせり上がるBMWの象徴たるホフマイスターキンクを、このクルマではCピラーに採り入れるなどしたのが新しいポイントの例だといえる。

それに加えて、ウエストラインが高く、その上に上下に浅いキャビンが載った感じというクルマ全体のバランスも、これまでのXシリーズとは異なるポイントだろう。

それらの結果、ボディには独特のボリューム感があって、なにやらマッスルな雰囲気を漂わせるところが、自ら「The Rebel」、つまり反逆者を名乗る理由だろうか。

今どきのクルマだから、コンパクトといっても特に小さいわけではなく、ボディサイズは4375×1825×1535mm、ホイールベース2670mmという大きさだが、全高をタワーパーキングに収納可能な1550mm以下に抑えたところに、日本市場に対する配慮がうかがえる。

プラットフォームの基本は、現行ミニやBMW 2シリーズと共通するもので、フロントに横置きされるパワーユニットは1.5ℓ直列3気筒ターボと、2ℓ直列4気筒ターボの2種類。前者が18i、後者が20iと呼ばれる。

トランスミッショッンは18iが7段DCTと、20iが8段ATと組み合わせられて、駆動輪は前者がFWD=前輪駆動のみ、後者がAWD=4輪駆動のみとなる。

2ℓ直4ターボ、走りの印象は

バリエーションは18iと20iのそれぞれにスタンダードとMスポーツXが用意されて、合計4モデル。プライスはX2 sドライブ18iの436万円から、xドライブ20i MスポーツXの515万円の範囲にある。

今回の試乗車は最も高価なxドライブ20i MスポーツXに、20インチホイール&タイヤなどのオプションを装備した、585.3万円のクルマだった。

そこでまずはドライバーズシートへ。広報資料には「ドライバーを中心においたコンセプトと調和させるため、低重心のシートポジションが設定され」、とあるが、実際にそこに腰を落ち着けてみると、SUVとして特に低いという印象は感じなかった。ただシートの形状はスポーティで、身体をよくホールドする。

2ℓ直4ターボエンジンは、192ps/5000rpmのパワーと28.6kg-m/1350-4600rpmのトルクを発生、対する車重は1620kgという関係。したがって、軽く踏めばごく普通のペースで、深く踏み込めばそれなりに力強く、X2は加速していく。

総じてパフォーマンスは、上りのワインディングロードでも充分に活発といっていいレベルにある。

シフトパドルを備える8段ATは変速をスムーズに決めるから、滑らかな加速を提供してくれる。

その一方でこのエンジン、決して静かではなく、常にそれなりのサウンドを発している印象がある。クルマのキャラクターを考慮して、敢えてそうしているのだろうか。

乗り心地、ハンドリングを検証

ミニと基本共通のプラットフォームということの影響もあってか、あるいはそれと関係なくMスポーツの脚がそういうセッティングなのか、ステアリング操作に対するレスポンスは適度にクイックで、狙ったラインを外すことなく、ワインディングロードでもハイペースを維持できるクルマだと感じた。

サスペンションが硬めなわりには、コーナーではそれなりにロールを感じさせるが、しかし姿勢は安定していて、コーナーで背の高さを持て余すことはない。

前記のように、Mスポーツ仕様は標準型よりサスペンションが硬いのに加えて、試乗車はオプションの20インチホイール&タイヤを履いていたこともあって、乗り心地はソフトではない。けれども、かといって強い突き上げを見舞ったりすることがないのは、さすがBMWというところか。

今回、オフロードを走るチャンスはなかったが、未舗装の道なき道よりも舗装路をキビキビと走ることを意図して生み出されたクルマだと感じた。その点に関しては、開発する側も、購入して乗る側も、共通する認識の上に成り立っている、といっていいだろう。

最後にリアシートの居住性をチェックしてみた。まずレッグルームは、特に広くはないけれど、大人にとって不足のない空間が確保されているといえる。

一方、キャビン部分が低いスタイリングを採用した影響か、ヘッドルームには大きな余裕は感じられない。

鮮烈な印象、乗り味に見出しづらく

キドニーグリルを見ればすぐにBMWだとわかるけれど、これまでのBMWとはテイストの異なるスタイリングに魅力を感じるかどうか、そこがまず「買い」かどうかの別れ目になるのではないか。

BMWいうところの反逆者、あるいは「Un Follow」、つまりフォロワーに非ず、という精神を乗り手が持ち合わせているかどうかが、ポイントということか。

スタンダード系のモデルに乗っていないので何とも言えないが、少なくともMスポーツ系は、アクティブな印象が強調されたクルマではある。そういったあたりの乗り味に対する好みも、「買い」かどうかを決める重要なファクターになるといっていい。

「買い」かどうかを左右するもうひとつのファクターは、プライスだろう。1.5ℓ3気筒モデルで436~481万円、2ℓ4気筒モデルで474~515万円という税込み価格は、同カテゴリーのSUVのなかでは高価な方だろう。

BMWのブランドの魅力と、X2独特の「Un Follow」な雰囲気、それにスポーティなドライビング感覚に心を奪われたならば「買い」ということか。

とはいえ、鮮烈な印象を残す際立ったポイントを乗り味に見出しにくいクルマで、しかも同カテゴリーにライバルが数多く存在するためもあって、一気に結論に持ち込みにくいクルマかもしれない。

BMW X2 xドライブ20i MスポーツXのスペック

■価格 515万円
■全長×全幅×全高 4375×1825×1535mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費 14.6km/ℓ(JC08)
■CO2排出量 –
■乾燥重量 1620kg
■パワートレイン 直列4気筒1998ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 192ps/5000rpm
■最大トルク 28.6kg-m/1350-4600rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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