「暖冬」「雪不足」という文字がニュース記事の見出しを飾る昨今ではあるけれど、さすがに十勝平野までやってくると風は身を切るように冷たい。降り立ったとかち帯広空港の外気温計はマイナス2度で、市街地を一歩離れれば道路も雪で覆われている。この地で、ジープ各モデルの走破性能を試す試乗会が催された。
最初にドライブしたのは、ジープブランドのなかでももっともヘビーデューティな性能の持ち主「ラングラー アンリミテッド ルビコン」。“ルビコン”というグレード名は、米国ネバタ州からシエラネバタ山脈を越えてカリフォルニア州へと至る、全長約35kmのルビコントレイルに由来する。
【試乗記】ラングラー アンリミテッド ルビコン 2.0リッターモデル in ハワイ!
【主要諸元】全長×全幅×全高:4870mm×1895mm×1850mm、ホイールベース:3010mm、車両重量:2050kg、乗車定員:5名、エンジン:3604ccV型6気筒DOHC(284ps/6400rpm、347Nm/4100rpm)、トランスミッション:8AT、駆動方式:4WD、タイヤサイズ:255/75R17、価格:612万円(OP含まず)。このクルマは、花崗岩の岩場や急傾斜のガレ場が連続し、全米でももっとも過酷とされるルビコントレイルを匍匐前進するようにクリアするモデルだ。SUVの始祖であるウィリスMB直系の後継であるジープ ラングラーの運転席に収まり、とかち帯広空港の駐車場を出発する。
自慢のロックトラック©4✕4システムは「4H AUTO」、つまり状況に応じて前後輪にトルクを配分するフルタイム4駆のモードで事足りる。ハンドルを通じて、4本のタイヤががっしり路面をつかんでいることが伝わってくる。
搭載するエンジンは3604ccV型6気筒DOHC(284ps/6400rpm、347Nm/4100rpm)。傾斜のきつい滑りやすい路面ではパートタイム式4駆に切り替え、前後のセンターデフをロックすればさらに走破性能は上がるけれど、そこまで本気を出す必要はない。ラグビー選手が試合前に、軽くジョギングするくらいの力の入れ具合で、悠々と雪道を進む。
ラングラーは2018年のフルモデルチェンジで乗り心地やハンドリング、内装のデザインは洗練された。一方で、悪路走破性を第一に考えた基本設計やラギッドなスタイリングは変えなかった。長年のマニアは納得、新しい顧客も満足という好ましいモデルチェンジだった。
【試乗記】ラングラー アンリミテッド ルビコン 2.0リッターモデル in ハワイ!
前後のディファレンシャルをロックするシステム「トゥルロック」のスウィッチはインパネにある。市街地を離れ、山に向かう。ジープ ラングラーで真っ白な雪に覆われた北海道の山道を走るのは楽しい。雪のワインディングロードは関東人の目には非日常に映るから、冒険をしているような気になる。けれど、ラングラーの室内は平穏そのもの。ぬくぬくと、安心して楽しめるプチ冒険だ。
ラングラーには、効率的な2.0リッターの直列4気筒ガソリン・ターボと、よりパワフルな3.6リッターV型6気筒ガソリンの2種のエンジンが用意されるが、ルビコンは後者。“シュン”と軽やかにまわるタイプではなく、アクセルの踏み加減に応じてじわじわと力を発揮する、底力を感じさせるエンジンだ。この味わいはどっしりと安定して走るこのクルマの雰囲気に合っているし、じんわりとパワーが出るセッティングが雪道ではコントローラブルだ。
8.4インチのインフォテインメントシステム用モニター(タッチパネル式)は標準。「GO ANIYWHERE,DO ANYTHING」を体感!試乗会の拠点「星野リゾート リゾナーレ トマム」に到着する。パウダースノーが自慢のゲレンデと隣接しているリゾートホテルだ。スキーやスノーボード以外にもスノーシューでのピクニックやスノーモービルでのクルージングなど、多彩なアクティビティを用意している。
【試乗記】ラングラー アンリミテッド ルビコン 2.0リッターモデル in ハワイ!
「星野リゾート リゾナーレ トマム」からはトマム山などが見える。「星野リゾート トマム スキー」は全29コース。ここでパウダースノーを楽しむこともできたけれど、せっかくラングラーで北の大地を走ることができるのだから、走りに出かけたい。そこで筆者は凍結した湖に赴き、ワカサギ釣りにチャレンジすることにした。
ラングラーの駆動方式は4WDのみ。氷に穴を開けてワカサギを釣り、その場でてんぷらに揚げて食する、というのは昔からやってみたかったことのひとつで、リゾナーレ トマムは「気軽に氷上ワカサギ釣り(半日プラン)」というアクティビティを設定している。
リゾナーレ トマムから約1時間の金山湖を目指す。ラングラー アンリミテッド ルビコンで真っ白なワインディングロードを走りながら、このクルマのドライブフィールが洗練されたことを肌で感じる。タイトなコーナーもスムーズに曲がるし、「ラダーフレーム+前後リジッドサスペンション」というタフさを最重視した構造によるゴワゴワした乗り心地も大幅に改善した。雪の北海道を走っていると、どこでも行けるぜという気分が盛り上がる。
ワカサギ釣り用テントがならぶ金山湖。ブ厚い氷で覆われた金山湖に到着。湖上というか氷上にはカラフルなテントが並んでいる。テントの中はストーブが焚かれ、ぽかぽかだ。厚さ約25センチの氷には穴が穿たれていて、そこに仕掛けを落とす。
ワカサギは水深約10メートルの底近くを泳いでいるとのこと。最初は仕掛けが底に着いたかどうかがわからなかったけれど、慣れるとオモリが着底した瞬間の「モニョ」という感触がわかるようになる。
【試乗記】ラングラー アンリミテッド ルビコン 2.0リッターモデル in ハワイ!
するとしばらくして、プルプルプルという明確なアタリが! 仕掛けを引き上げると、銀色の美しい魚体が躍った。ワカサギは群れで移動しているようで、アタリが続く。
そしてテントの外では天ぷらの準備が進む。水質の良い金山湖のワカサギは美味なことで知られ、フレンチレストランにも卸されているという。揚げたてということもあって、確かにうまい! ホクホクだ。
ワカサギ釣りを堪能してから、寒風が吹き抜ける氷上を歩いてラングラーに戻る。エンジンを始動して出発。ステアリングヒーターとシートヒーターが、こんなにありがたい装備だとは知らなかった。
ラングラーで来た道を戻る。「GO ANIYWHERE,DO ANYTHING」というジープのキャッチフレーズはただの宣伝コピーではないことを肌で知った。
ステアリング・ホイールはヒーター機構付き。車検証やオーナーズマニュアルを入れる専用ケースは迷彩柄だ。文・サトータケシ
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