■2代目ロードスターは精悍にイメージチェンジ
1998年に登場した2代目「ロードスター(NB型)」は、シャシやエンジンを初代から踏襲して、大きく変わることを選択しませんでした。しかし、エクステリアのイメージチェンジに加え、細部にまで手を入れられ、より洗練されたオープン・ライトウェイトスポーツカーへと進化を遂げることになります。
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なお、初代は「ユーノス・ロードスター」の車名で販売されましたが、2代目では「ユーノス」ブランドの廃止にともない、「マツダ・ロードスター」に改められました。
軽量、オープン、2シーターであることは初代からのキープコンセプトでしたが、エクステリアデザインは大きく変わりました。特に初代ロードスターで特徴的だった、ヘッドライトがポップアップするリトラクタブルヘッドライトが、オーソドックスな固定式ヘッドライトに。
これは、対人衝突時に与えるダメージの低減や、フロント先端に重量物を置くことを避けたためです。また昼間でも、常時ヘッドライト点灯を義務付ける国への輸出も考慮したことによります。結果、特にフロント部分のデザインが大幅に変更され、初代が可愛い印象だったのに対して2代目は精悍なイメージとなっています。
また、ロードスターの魅力をさらに高めるために細かな改良が施されました。シャシでは、サスペンションセッティングの見直しや補強、軽量化などにより、ロードスターの目指す『人馬一体』へと、さらに近づけました。
エンジンでは、初代に搭載していた1.6リッターエンジンを復活させ、従来の1.8リッターエンジンと、ふたつのラインナップを設定。1.8リッターではマニュアルトランスミッションを6速として、さまざまな速度域で適切なギアが選べ、“シフトチェンジする楽しさ”と“心地良い加速感”を実現しました。
■改良を重ね生産累計50万台を達成
初代「ロードスター」から受け継がれたコンセプトである、理想のライトウェイトスポーツカーを目指しながらも、ユーザーニーズを満たすための改良や台数限定の特別仕様車が多く登場しました。
1999年の1月には、ロードスター誕生10周年を記念した限定車『10周年記念車』が日本のみならず北米、欧州、豪州の各市場向けに登場。専用チューニングされたビルシュタイン社製のサスペンションパーツが装着されるなど、世界統一仕様で7500台が発売されました。
同年2月には、生産累計台数50万台を達成するなど、一度は衰退したと思われていたオープン・2シータースポーツカーのニーズが本物であったことを世界中に示したのです。
2000年7月には、大幅な改良が行われました。1.8リッター車は「S-VT」と呼ばれる可変バルブ機構を備えたBP-VE型エンジンに変更。高回転化を図り、マニュアルトランスミッション車では最高出力が160PSに向上。シャシでは軽量化と、側面/下回りの構造変更により剛性を高め、このモデル以降はロードスター愛好家からは『NB2』型と呼ばれています。
■ロードスター初のターボとクーペが誕生
2代目「ロードスター」は時代に即した販売方法も実験的に導入しました。2001年2月には、インターネット上でインテリアの素材や配色などオーダーできる『ウェブチューンドロードスター』を展開します。
同年5月には、マツダのスポーツブランドである『マツダスピード』製のエキゾーストシステムと車高調整式サスペンション、専用ボディーカラーにエアロパーツを装備した限定車『マツダスピード ロードスター』を発売。走りの質を高めたモデルに仕立て上げられました。
そして、2代目「ロードスター」最大のトピックスとなる2台の特別なロードスターが誕生します。
まず、2003年10月から完全受注生産でクーペボディに改造されたモデル「ロードスター クーペ」を発売。このモデルは元々オープン用に作られたシャシに、手作業で屋根部分を溶接。重量増を抑えつつ剛性も高めたクローズドボディとなっていました。
全体のフォルムは曲線を活かし、流麗で美しく仕上げられ、エクステリアの違いから3タイプのグレードが用意されました。
さらに、2004年2月には、172PSの最高出力を発生する1.8リッター・ターボエンジンを搭載した「ロードスター ターボ」が登場。歴代ロードスターでターボチャージャーを搭載した唯一のモデルです。
ターボ化によって出力は160PSから172PSと12PSアップ、トルクは17.3kg-mから21.3kg-mと4kg-mのアップと、決して大幅なパワーアップではありませんでしたが、低速からトルクを発生させるセッティングで、気持ちの良いアクセルレスポンスを重視しています。
2005年5月には、ギネスブックに世界一生産された『2人乗り小型オープンスポーツカー』として認定されるという金字塔を打ち立てました。
2代目「ロードスター」は、初代「ロードスター」のコンセプトやニーズを上手に受け継ぎ、世界中のロードスターファンを魅了するモデルとなりました。
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