■現行フラッグシップセダン「A8」より大きい全長5.35m
独アウディは2021年9月2日、コンセプトスタディモデル「グランドスフィア」を世界初公開しました。同年9月7日からドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ2021」のアウディブースで展示される予定です。
【画像】10年後の高級セダンはこうなる!? アウディ「グランドスフィア」コンセプトをチェック(23枚)
グランドスフィア・コンセプトは、全長5.35m×全幅2m×全高1.39m、ホイールベースは3.19mというフルサイズのセダンで、アウディのフラッグシップセダンである現行「A8」のロングバージョンよりも大きいモデルです。
100%電気自動車(フルEV)で、フロントとリアにひとつずつモーターを装備したクワトロ(4WD)です。トータルの出力は530kW(720馬力)・960Nmを発揮、0-100km/h加速は4秒強で、最高速度は航続距離を伸ばすために制限しているといいます。
前後のドアは観音開きとなり、短いオーバーハングやフラットなボンネット、前方に出たフロントガラスなど、EV特有のデザインで4ドアGTを再定義しています。ただし多くのEVとは異なり、未来的な印象はなく、むしろ伝統的な美の理想を強調しています。
23インチのホイールを装備。この6本ダブルスポークデザインはモータースポーツ用の機能的な面と、バウハウスの伝統を思い起こさせるものになっています。
このモデルは、未来の先進的なラグジュアリーを定義するというアウディの主張を具現化したものです。「走るファーストクラス」「道路用のプライベートジェット」をイメージして作られたといいます。
自動運転レベル4に対応。レベル4とは特定条件下における完全自動運転のことで、自動運転モードにすると、グランドスフィア・コンセプトはステアリングホイールとペダル類を格納、車室内を広いラウンジに変えます。
これにより、ドライバーを運転というタスクから可能な限り解放するだけでなく、その自由をコミュニケーションやリラクゼーション、仕事やプライベートなどさまざまに活用できるといいます。
■アウディの「スフィア」コンセプト第2弾モデル
プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)と呼ばれるプラットフォームは、バッテリー駆動のEV専用に開発されたもので、その技術を最大限に活用しています。
PPEの重要な要素は、グランドスフィア・コンセプトでは約120kWhのエネルギーを保持するアクスル間のバッテリーモジュールです。車軸の間のスペース全体を使用しているため、フラットなバッテリーレイアウトを実現しています。
すでに日本でも発表されているアウディ「e-tron GT」同様、800Vの急速充電に対応しています。これにより、わずか10分の充電で300km以上走行可能なレベルまで充電が可能だといいます。120kWhのバッテリーを5%から80%までするためには、わずか25分といいます。
アウディのディレクター、アンドリュー・ドイル氏は「グランドスフィア・コンセプトは、アウディが電動化戦略でどこへ向かおうとしているのかという明確な意思表示です。ラグジュアリーセグメントの未来をどのように考え、再構築するかを見ることができるグランドスフィアは、最先端のテクノロジーと次世代のデザイン言語を融合させ、真にエキサイティングなビジョンを生み出しています」とコメントします。
※ ※ ※
今回登場したグランドスフィア・コンセプトは、3モデルが用意されるアウディの「スフィア」コンセプトカーの第2弾となります。
2021年8月に登場した電動ロードスター「skysphere concept(スカイスフィア・コンセプト)」は、自動運転のGTが可変ホイールベースの自動運転スポーツカーに変身するという壮大なコンセプトで登場しました。
そして2022年、第3弾として「urbansphere concept(アーバンスフィア・コンセプト)」が登場します。3モデルのスフィア・コンセプトは、すべてレベル4の自動運転を前提としたモデルとなっており、フォルクスワーゲン(VW)グループのソフトウェア開発シンクタンクであるCARIADと協力、10年後にこの技術を導入することを目指すといいます。
今回世界初公開されたグランドスフィア・コンセプトに搭載されている技術やデザインは、数年以内に将来のアウディシリーズで再び登場します。技術的な変革と、まったく新しいモビリティの提供において、自動車業界のトップに立つトレンドセッターになるというブランドの主張を示しています。
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