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ロードテスト ポルシェ718スパイダー ★★★★★★★★★☆

掲載 更新 2
ロードテスト ポルシェ718スパイダー ★★★★★★★★★☆

はじめに

ほぼ際限なしのアピールを生み出すレシピがある。シートはふたつのみで、車両重量は控えめに。エンジンは自然吸気で、後輪駆動。そうそう、もちろんトランスミッションは手動変速でなくては。

【画像】ポルシェ718スパイダーとライバル 全15枚

これら5つのどれも、ドライバーズカーの世界ではおおいに歓迎される要素だ。ところが現状、そのうち3つでも兼ね備えるクルマを探すのさえ難しいのが実際だ。4つとなれば、絶望的なほど少ない。

今回のテスト物件は5つをすべて持ち合わせている。それを造り出したのがポルシェだと聞けば納得するかもしれない。しかし彼らは、この手のクルマを過去のものにするだろうと、少し前まで思われていた。

エミッション規制は強化されつづけている。しかも、市場リサーチでは、ほとんどのユーザーがデュアルクラッチ式自動変速機の便利さや素早いギアチェンジを求めているという結果が出ている。となれば、機を見るに敏なポルシェが、少なくとも自然吸気+MTをラインナップから外しても不思議ではないからだ。

状況の変化は突然だった。車名にGTの文字を戴くモデルのなかでも抜きん出た人気を誇る存在、911GT3からクラッチペダルを排除しただけでなく、718を名乗ることとなったボクスターとケイマンからは6気筒を取り上げ、それより味気ないフラット4ターボに差し替えたのだ。

ドライビングプレジャーを追求する歴史を紡いできたブランドとしては理解に苦しむ動きだけに、それはユーザーを困惑させた。それを受けてか、911GT3にはMT仕様が追加されることとなる。それに続いたのが、718系に搭載する自然吸気フラット6の新開発だ。

この新型ユニットを得て昨年夏に登場した718系の新顔が、スパイダー(ボクスターとは名乗らない)とケイマンGT4だ。いずれも、先に述べた5大元素が揃ったクルマだ。

世間の声に押し切られてか、この4.0Lノンターボの新型6気筒はもっと手頃なGTSグレードにも導入された。だが今回、その実力を確かめる連れ出したのはボクスターがベースの3代目スパイダーである。

コンセプトモデルのようなスタイリングとミドシップレイアウト、そして911GT3からの転用も多いシャシー。これは、現行ポルシェの中でも最高のロードカーとなりそうな予感を禁じえない。

意匠と技術 ★★★★★★★★★★

このクルマの心臓部は水平対向6気筒で、最高出力は420ps、最大トルクは42.9kg-mを発生する。排気量は4.0Lだが、9000rpmまで回るレースユニットのような911GT3の9A1系をデチューンしたものではない。

先代のボクスター・スパイダーは、当時の911カレラS用3.8Lフラット6を搭載。大幅な改修は行われず、最高出力は375psだった。

今回は9A2エヴォこと992カレラSの3.0Lツインターボをベースとする、新開発のエンジンだ。ボアとストロークを拡大し、ターボを排除。シリンダーヘッドやバルブ、ピストンとコンロッドを刷新した。クランクシャフトも新造品で、8000rpmまで回る。

どうしてポルシェは、驚異的な4.0L自然吸気6気筒を持ち合わせていながら、わざわざこんな手間をかけたのだろうと、疑問に思うかもしれない。その理由はふたつある。

まず、911GT3スペックのエンジンは、コストがあまりにも高いこと。それを積んでいたら、このクルマの価格は10万ポンド(約1400万円)を超えただろう。

次に、ミドシップレイアウトとするためには、リアエンジンと前後逆に搭載する必要があるため。そうなると、外付けオイルリザーバーを設置するスペースが確保できない。

このニューエンジンの出力は、デュアルマスのフライホイールを備えるショートストロークの6速MTと、機械式LSDを介して、後輪を駆動する。

今回は、ボクスターがベースのスパイダーに、サーキット志向のケイマンGT4と同じメカニズムがはじめて導入された。このクーペ は、ニュルブルクリンクのラップタイムを、先代モデルより12秒短縮したと豪語する。

このタイム短縮のうち、3秒は新型エンジンが稼いだものだとか。残りは、911GT3と同じ倒立ダンパーやコントロールアーム、ボールジョイントを持つ軽量ストラットサスペンションに負うところが大きい。サブフレームもまた、ポルシェの象徴的なGTカーから流用している。

ボクスターの標準モデルと比較すると、718スパイダーの地上高は30mm低く、これ見よがしなフロントスプリッターとリアディフューザーは専用品だ。

車両重量は重くはないが、期待したほど軽くもない。スペック表の数字は、簡易的な手動のソフトトップを採用しているにもかかわらず、先代モデル比で100kg以上の増量となる1420kgだ。

それでも、馬力荷重比はなかなかのもの。トンあたり296psというのは、911カレラSカブリオレをも凌いでいる。

内装 ★★★★★★★★★☆

マカンあたりに比べれば、718スパイダーのインテリアは古ぼけて見えるほどではない。とはいえ、スマートでミニマルな992世代の911に並べると、2020年における最新ファッションでないことは明白だ。

ダッシュボード中央とセンターコンソールにあふれるボタンは、設計年次の古さを物語る。インフォテインメントディスプレイのグラフィックも、以前ほどシャープには思えなくなった。

ただし、そうした不満にいつまでもとらわれることはないはずだ。実際、ピッタリと包んでくれるキャビンに身を置くと、このクルマにふさわしい雰囲気はこれまでと同じものを感じる。

ポルシェらしく、マテリアルのクオリティは最上級。ふんだんに用いられたレザーやアルカンターラ、ポリッシュされた金属パネルが、インテリアの広範囲を覆っている。プラスティック剥き出しの部分は少ないが、どれも品質は安定して高い。

ドライビングポジションはドンピシャ。うれしくなるほどシンプルなGTステアリングホイールは手元に引き寄せられるし、アルカンターラ巻きの細いリムはモータースポーツ由来であることをプンプン匂わせる。

左肘を動かせる範囲は狭く、ほぼ相変わらず手触りのいいシフトレバーの真後ろのみ。オプションのカーボンバケットシートは胴体からヒップを優しく包み、安心感のある横方向のしっかりしたサポートをもたらしてくれる。シートバックは固定式だが、座面の高さは電動調整が可能で、背の低いドライバーでもスカットル越しに良好な視界を得られる。

カップホルダーやドアポケットは、室内にある程度の実用性を与えてくれるが、バッグなどの置き場はない。ボディの前に150L、後ろに120Lの容量を用意したラゲッジスペースに入れるしかない。

ただし、リアのトランクを開くには、ルーフの一部を取り外す必要がある。戸惑うほど難しいものではないが、使用頻度は下がるはずだ。そのルーフは、後部の固定を外すにはいったん車外へ出なければならない。ひとりでたためないこともないが、ふたり掛かりならずっと楽で確実に片付けられる。

走り ★★★★★★★★☆☆

718系の最新トップグレードに、4気筒ターボに代えて新開発の自然吸気6気筒を積んだことで、ポルシェは982世代のボクスターとケイマンが登場した際の批判の元凶に向き合った。

もはや疑問の余地はないはずだ。このエンジン、さすがはGT部門の作品だと納得できるものがある。スロットルレスポンス、スムースさ、高回転域でのフレキシビリティとデリバリーのリニアさは、どれも息を呑むほどみごと。パティキュレートフィルターがあろうとなかろうと、そのサウンドはポルシェの偉大なるフラット6らしいものだ。

ところが、おかしなことだが、この718スパイダーを走らせる時間が長くなればなるほど、珠玉と思えたパワートレインにキズがあると確信するようになる。腹立たしいほど小さなことだが、うっとうしいことこの上ないそれは、ギア比の設定だ。

スパイダーの6速MTはGT4と同じもので、ギアボックスもファイナルもレシオに違いはない。さらにいえば、これは982系のMT車すべてで共通の仕様。つまりこれまでは、低回転域から十分なトルクを発生し、しかもきわめてよく回るターボユニットとの組み合わせだったわけだ。

ところがスパイダーとGT4は、最大トルクを得るために5000rpm、最高出力はレブリミットの8000rpm近くまで回さねばならない。せめて出足の鋭さを叶えるためにファイナル比だけでも落とさなければ、本当に速いと感じるにはかなりエンジンに鞭を入れることが求められるのだ。

さらに、エンジンの美味しい回転域を使おうとすると、3速でも130km/h近く出てしまう。さらに、4速なら225km/hに達する。しかも、その速度域にあってなお、あと2段もギアが残っているのだ。

それだけいえば十分におわかりだろう。一般的な道を高めのギアで走ると、このエンジンはややフラットに感じられる。そして、タイム面でも、日常的な条件に妥協してのドライビングでも、このエンジンは718スパイダーにあるべき速さを与えられない。8000rpmのレブリミットいっぱいまで使い切れる機会も、まずないといっていい。

今回のテストで計測されたパフォーマンスは、ポルシェの公称データどおりの数値で、立派という以上の成績だ。それでも、ギア比の設定が適切だったなら、0-97km/hで4秒を切れたに違いない。

もっとも、それを欠点だとするのは贅沢すぎる指摘かもしれない。エンジンもギアボックスも、全般的にみて間違いなく運転が楽しいパワートレインといえるものだ。

シフトのクオリティはガッチリしていながらなめらかなタッチで、欠点を補うに十分。エンジンは、6000rpm以上回すたびに味わい深さを堪能できる。それだけに、その楽しみを邪魔するギアリングだけが残念でならない。

使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

インフォテインメント

タイカンや911、パナメーラのものほど大きくなく、ディテールがシャープではないが、7.0インチのディスプレイはスパイダーのインテリアにピッタリだ。

ダッシュボードへのフィッティングはこの上なくクリーンで、その下にはサブメニューへの手早いアクセスを可能にするショートカットボタンが並ぶ。

ナビゲーションシステムやデジタルラジオ、Bluetooth接続機能はすべて込みで、Apple CarPlayもインストール済み。スパイダーにはスポーツクロノパッケージも標準装備され、デジタル式のストップウォッチやラップタイム計測機能が使用できる。

テスト車は、2769ポンド(約38.8万円)のオプションであるブルメスターのサラウンドサウンドシステムも装備。みごとなオーディオだが、それを存分に楽しむには、クルマ自体の洗練度が足りない。それを気にするようなクルマではないだろうが。

燈火類

バイキセノンヘッドライトとLEDデイタイムライトが、718スパイダーの標準装備アイテム。テスト車は、オプションのフルLEDヘッドライトを装着していたが、その性能を試す機会はなかった。

ステアリングとペダル

ペダル配置は、完璧なヒール&トウを決めるのに理想的な間隔。クラッチペダルの踏み応えは、適度にガッチリしている。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

ポルシェは、ケイマンGT4と718スパイダーのシャシーは同一だと説明するだろう。しかし実際には、GT4にはハーフサイズのロールケージを含むクラブスポーツパッケージが装着され、ルーフのないスパイダーよりねじり剛性がかなり高いはずだ。となれば、必然的に走りのキャラクターへの影響があるはずだ。

もっとも公道上で走らせた718スパイダーは、アングルシーで昨年テストしたケイマンGT4と変わらぬシャシー剛性と完璧さをみせる。スカットルシェイクの兆候に悩まされたり、シャシーの歪みを露呈することはない。

さらに詳しくいうなら、30mmのローダウンにもかかわらず、B級道路の隆起や轍を、その大小を問わずうまく吸収してくれる。公道上ではアダプティブダンパーを硬くしようと頻繁に思わず手を伸ばすことはないが、超緊密で疲れ知らずのボディコントロールと実用的な衝撃吸収性のバランスはとてもいい。

そのぶん、アルピーヌA110などと比べれば張り詰めて動じないフィールだ。それでも、十分に荒れた路面をいなしてくれる。

ステアリングのギア比は適切で、ハンドリングレスポンスはアグレッシブというよりプログレッシブ。クイックな操作も容易で、正確でなめらかなフィーリングのドライビングを可能にする。

シャシーは俊敏で切れ味鋭いが、ドライバーを圧倒するほどではない。その性能を引き出そうとするほど、より大きな楽しみを得られるので、走らせ甲斐がある。

もっとカリスマ性がほしい、もしくはもっとわかりやすく、という声もあるだろう。だが、そうした非現実的な方向性に仕上げたならば、このクルマが限界域でみせる一級品のドライバビリティは維持できそうにない。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

ルーフをクローズして乗れば、通常とボクスターと同じような静粛性が得られるだろうと予想するかもしれない。そうだとしたら、ショックに見舞われることになる。

折りたたみ式のキャンバスルーフは、キャンプ用のテントみたいなものだ。そう長くない距離、風雨や日差しを遮る程度のものにすぎない。走行中も頭上を守る傘としては上出来だが、静粛性はあまり期待しないほうがいい。

113km/h巡航時の騒音は77dBで、2016年に計測した4気筒のボクスターを4dB上回った。この速度域では、ロードノイズも風切音もかなり大きく、そのせいで高速道路を長距離走るとじつに疲れる。

とはいえ、これはGT部門が手掛けたポルシェだ。おそらくオーナーになろうというひとびとは、ハードコアさにかなりの我慢を強いられることなど織り込み済みだろう。

ところが、オープン時の静粛性はボクスターと大差ない。風音がややうるさいかもしれないが、屋根を開ければそれはしかたのないことだ。

対して乗り心地のよさは、この手の走りにフォーカスしたクルマとしては奇妙なほど。モータースポーツとの関連性を感じさせる走りのキレは強まっているものの、張り詰めたボディコントロールと強い突き上げへの順応性とのバランスは予想以上。覚悟していたほど快適性は犠牲にされていなかった。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

718スパイダーは限定生産車ではないが、オーダーするなら、本体価格だけで7万3405ポンド(約1028万円)もの大枚を叩いても納車までかなり待たされる覚悟が必要だ。

というのも、製造を手がけるのはポルシェのGT部門で、主流の市販車部門に比べれば微々たる生産能力しか持たないからだ。しかも、その多くはレースカーに割かれる。

待ち切れないというなら、欧米では公認ディーラーがオーダーした新古車を、10万ポンド(約1400万円)近いプレミア価格を承知で探すという手もないわけではない。ただし、先代のボクスター・スパイダーでみつけられたのは2台のみだったが。

オプションに関してはポルシェのいつものことで、限りないほど多い。今回のテスト車は、総計で9万2122ポンド(約1290万円)相当だ。

オプションリストの中でもっとも額面が高いものは、物欲を刺激するという点でも一番かもしれない。とくに、サーキット走行を考えているならば、ぜひとも装着したいと思うはず。そう、カーボンセラミックブレーキとバケットシートだ。それだけで1万ポンド(約140万円)近い。

2769ポンド(約38.8万円)のブルメスター製サラウンドサウンドシステムは外してもいいが、228ポンド(約3.2万円)のクルーズコントロールと825ポンド(約11.6万円)のパークアシスト、236ポンド(約3.3万円)の制限速度インジケーター辺りはほしい。電動格納ミラーが210ポンド(約2.9万円)というのは癪だが、これも必要性は高いだろう。

スペック

レイアウト

3世代目となるボクスターのスパイダー仕様は、はじめてケイマンGT4とサスペンションを共有。すなわち、911GT3由来のマクファーソンストラットを採用する。

9A2エヴォこと新型の4.0Lフラット6はキャビン後方に搭載され、これもGT4と同じ6速MTとLSDを介して後輪を駆動。DIN規格に基づく公称車両重量は1420kgだが、テスト車の実測値は1350kgだった。

エンジン

駆動方式:ミドシップ縦置き後輪駆動
形式:水平対向6気筒3995cc、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ102.0×81.5mm
圧縮比:13.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:420ps/7600rpm
最大トルク:42.9kg-m/5000~6800rpm
許容回転数:8000rpm
馬力荷重比:296ps/t
トルク荷重比:30.1kg-m/t
エンジン比出力:105ps/L

ボディ/シャシー

全長:4430mm
ホイールベース:2484mm
オーバーハング(前):1034mm
オーバーハング(後):912mm

全幅(ミラー含む):2000mm
全幅(両ドア開き):3860mm

全高:1258mm
全高:(リアフード開き):2000mm

足元長さ:最大1070mm
座面~天井:最大1030mm

積載容量:150+120L

構造:スティール、モノコック
車両重量:1420kg(公称値)/1350kg(実測値)
抗力係数:0.34
ホイール前/後:8.5Jx20/11Jx20
タイヤ前/後:245/35 ZR20 95Y/295/30 ZR20 101Y
ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2 N1
スペアタイヤ:なし

変速機

形式:6速MT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.31/10.0
2速:1.95/17.1
3速:1.41/23.5
4速:1.13/29.3
5速:0.95/34.9
6速:0.81/41.0
最終減速比:3.89:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:8.9km/L
ツーリング:10.7km/L
動力性能計測時:3.5km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):5.7km/L
中速(郊外):9.1km/L
高速(高速道路):10.8km/L
超高速:9.9km/L
混合:9.1km/L

燃料タンク容量:64L
現実的な航続距離:571km
CO2排出量:249g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:11.4m

ブレーキ

前:410mmカーボンセラミックディスク
後:390mmカーボンセラミックディスク

静粛性

アイドリング:56dB
全開時:92dB(3速)
48km/h走行時:68dB
80km/h走行時:71dB
113km/h走行時:77dB

安全装備

ABS/TCS/ESC/ポルシェ・サイドインパクト・プロテクションシステム
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.4秒
0-60(97):4.3秒
0-70(113):5.3秒
0-80(129):6.3秒
0-90(145):8.2秒
0-100(161):9.7秒
0-110(177):11.4秒
0-120(193):13.6秒
0-130(209):15.9秒
0-140(225):18.5秒

0-402m発進加速:13.0秒(到達速度:185.6km/h)
0-1000m発進加速:22.9秒(到達速度:241.2km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アルピーヌA110 プルミエールエディション(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温10℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.7秒
0-60(97):4.7秒
0-70(113):5.8秒
0-80(129):7.2秒
0-90(145):8.9秒
0-100(161):10.8秒
0-110(177):13.3秒
0-120(193):16.1秒
0-130(209):20.1秒
0-140(225):24.9秒

0-402m発進加速:13.2秒(到達速度:176.7km/h)
0-1000m発進加速:24.0秒(到達速度:222.4km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):2.2秒(2速)/3.3秒(3速)/4.1秒(4速)

30-50(48-80):2.2秒(2速)/3.2秒(3速)/4.1秒(4速)/5.2秒(5速)/6.5秒(6速)

40-60(64-97):2.1秒(2速)/3.1秒(3速)/4.0秒(4速)/5.2秒(5速)/6.4秒(6速)

50-70(80-113):2.0秒(2速)/3.1秒(3速)/3.9秒(4速)/5.1秒(5速)/6.5秒(6速)

60-80(97-129):2.1秒(2速)/2.9秒(3速)/3.9秒(4速)/5.1秒(5速)/6.6秒(6速)

70-90(113-145):2.8秒(3速)/3.9秒(4速)/5.2秒(5速)/6.7秒(6速)

80-100(129-161):3.0秒(3速)/3.8秒(4速)/5.3秒(5速)/7.0秒(6速)

90-110(145-177):3.2秒(3速)/3.8秒(4速)/5.3秒(5速)/7.5秒(6速)

100-120(161-193):4.1秒(4速)/5.3秒(5速)/7.9秒(6速)

120-140(193-225):5.1秒(4速)/6.0秒(5速)

各ギアの最高速

1速:80.5km/h(8000rpm)
2速:136.8km/h(8000rpm)
3速:188.3km/h(8000rpm)
4速:235.0km/h(8000rpm)
5速:280.0km/h(8000rpm)
6速(公称値):300.9km/h(7346rpm)

6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2750rpm/3143rpm

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):7.3m
50-0マイル/時(64km/h):20.7m
70-0マイル/時(80km/h):41.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.45秒

ライバルの制動距離アルピーヌA110 プルミエールエディション(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温10℃
30-0マイル/時(48km/h):8.0m
50-0マイル/時(64km/h):21.6m
70-0マイル/時(80km/h):42.6m

結論 ★★★★★★★★★☆

世界中のカーマニアが広く信じているだろう考えに反し、ポルシェのじつに偉大なフラット6エンジンにもできないことはある。

たとえば、718系のトップグレードが、そのエンジンを積んだだけで、自動的に完璧なドライビングを体験できるものになるかといえば、そんなことはない。たしかに、718スパイダーのパワーはみごとではあるのだが。

よく回ることによるフレキシビリティ、感覚的なリッチさ、またそのほかの点でも、このミドシップ・ポルシェのパフォーマンスはまさしくスペシャルなものとなった。

乗り心地とハンドリングもまた、公道でもサーキットでも、すばらしい目利きぶりが感じられる。アルピーヌA110以上に正確で走り志向な運動性の質が魅力的だが、楽しさに笑いがこぼれるところもある。

しかし、ギア比設定はいただけない。それが改善されたら、リアルな状況下での速さや心動かされる走りが際立つはずだ。

ポルシェのニューモデルに乗って、改善すべき点をここまでイージーに指摘できることはめったにない。この718スパイダーは、もちろん数少ない例外だ。皮肉屋なら、そこにこう付け足すだろう。そうなった理由は、販売戦略にあるのだろう、と。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースこの718のキャビンレイアウトは、ポルシェの最新ラインナップに比べてじつに古臭く見える。それでも、いまだにメーター周りは愛すべきものと思える。中央を占める回転計に張り付くような、180°に200マイルまで刻んだ速度計ほど、速さを期待させるものはない。

サイモン・デイヴィスシフトレバーほどなめらかに動くわけではないが、カップホルダーは完璧といえるほどのつくりをみせる。このクルマに投入されたエンジニアリングは、計り知れないものがある。

オプション追加のアドバイス

228ポンド(約3.2万円)のクルーズコントロールと825ポンド(約11.6万円)のパークアシストは選ぶ価値あり。1625ポンド(約22.8万円)のスパイダークラシックインテリアパッケージもほしいところ。サーキット走行を頻繁にするのでなければ、セラミックブレーキは外したい。

改善してほしいポイント

・6速MTのギヤ比がロングすぎるので、ファイナル比は低くしてほしい。
・ブレーキのレスポンスは、もっと一定だとうれしい。
・インフォテイメントのグラフィックは、もっとシャープでもいいと思う。

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