■「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」はなぜなくなった?
1980年代に一世を風靡したいわゆる「ハイソカー」では、「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」に代表される豪華な内装が大きな特徴でした。
しかし、そうした内装が近年のクルマに採用されることはまずありません。そこにはどんな理由があるのでしょうか。
【画像】これは懐かしい! かつて憧れた豪華内装! モケットシート&ハイソカー「ソアラ」の実車を見る!(65枚)
クルマは移動のためのツールであるだけでなく、家族や友人たちと過ごす空間、あるいはひとりで落ち着くことのできるプライベートな空間という側面も持っています。
そのため、程度の違いこそあれ、どんなクルマでも乗員が心地よい空間を過ごせるようにさまざまな工夫がなされています。
ただ、どちらかというと近年のクルマは、シンプルでスッキリとしたデザインの内装が多く、かつてのように見るからにゴージャスな内装を持つクルマは少なくなりました。
例えば、1980年代に一世を風靡したいわゆる「ハイソカー」と呼ばれるモデルは、いずれも「走る応接間」と呼べるような内装を持っていました。
「ハイソカー」の代表であるトヨタ「ソアラ」や「マークII」そして「クレスタ」などのモデルは、いずれもフカフカのソファのようなモケットのシートを持ち、毛の長いカーペットが一面に敷き詰められていました。
さらに、往々にして「赤(ワインレッド)」のインテリアカラーが好まれていました。
一方、現代の日本を代表する高級サルーンであるレクサス「LS」や、16代目へと進化したトヨタ「クラウン」などでは、かつての「ハイソカー」のようなゴージャスさはあまり感じません。
もちろん、LSやクラウンの内装自体は優れた素材が用いられた非常に上質なものであることはいうまでもありませんが、「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」のような世界観とは似ても似つかないものです。
クルマの内装が大きく変化した背景は、いくつかの視点から分析することができます。
自動車メーカーの視点でいえば、当時の「ハイソカー」のほとんどは日本国内限定モデルであり、日本人の趣味嗜好にピンポイントで合わせたクルマづくりが可能だったという事情があります。
一方、現代では多くのモデルが海外でも販売されるグローバルモデルとなっているため、世界中の市場のトレンドにマッチする最大公約数的なデザインになりやすく、特定の国や地域に合わせたデザインを採用しにくいのが実情です。
加えて、より高品質な素材が多く登場したことや加工技術が進歩したことで、モケットのような当時の素材を使い続ける必要がなくなったということもひとつの理由です。
そして、ユーザー視点でいえば、当時の人々が高級車に対して見るからにゴージャスなものを求めていたという事情があります。
そもそも、「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」のような世界観は、1960年代から1970年代にかけてのアメリカのラグジュアリーの影響を色濃く受けています。
さらに元をたどれば、それは英国王室に代表される欧州的ラグジュアリー感へとつながります。
高度経済成長期を経て、いよいよバブル期を迎えようとしている当時の日本では、海外旅行がブームになるなど、欧米への憧れが高まっていた時代でもありました。
そのため、クルマでもキャデラックやロールスロイス、ベントレーといった欧米の超高級車のような内装が好まれるようになったといえます。
■高級車の内装は「アナログとデジタルの融合」がテーマに?
近年では高級車における内装のトレンドもさらに変化を見せつつあります。
例えば、LSでは日本的な美を表現したインパネに12.3インチの大型ディスプレイが配されるなど、最先端のデジタル装備も大きな魅力のひとつとなっています。
また、LSのライバルであるメルセデス・ベンツ「Sクラス」のインテリアには、大面積のトリムと大型メディアディスプレイというアナログとデジタルが調和したデザインが採用されています。
このように、最新の高級車では、最先端のデジタル装備をいかに既存のインテリアに融合させるかがひとつのテーマとなっています。
こうした背景には、クルマの基本性能がすでに一定以上のレベルにあることが関係しています。
例えば、「走る・曲がる・止まる」といったクルマの基本的な機能や信頼性、耐久性については、かつてほどメーカーごと、モデルごとの差がなくなっており、競合モデルとの差を出しにくい時代となっています。
一方、最先端のデジタル装備に関しては、まだまだ発展途上にあり、それはつまり競合モデルとの差別化を図る重要な要素となることを意味しています。
そして、その代表格である大きなディスプレイやスイッチ類などがマッチするのは、やはり「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」よりも、洗練された現代的なインテリアといえます。
※ ※ ※
このようにユーザーのトレンドの変化やメーカーの都合などから、「ハイソカー」に見られるような内装は、近年ではあまり見られなくなりました。残念ではありますが、これも時代の変化ということなのかもしれません。
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みんなのコメント
実質給与は下がるばかり、だから地味な内装じゃないと合わない。
一番の問題は気持ちがさもしくなった。
だからガワだけでかいアホファードみたいな商業トラックで煽り運転するヤツが爆増。