現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > F1にはストリートサーキット多すぎる? スペインGPのマドリード移転に対する懸念は”妥当”なのか

ここから本文です

F1にはストリートサーキット多すぎる? スペインGPのマドリード移転に対する懸念は”妥当”なのか

掲載 1
F1にはストリートサーキット多すぎる? スペインGPのマドリード移転に対する懸念は”妥当”なのか

 F1が2026年からスペインGPの舞台を、バルセロナのカタルニア・サーキットからマドリードのセミストリートコースに変更すると発表したことを受け、ソーシャルメディア上では「これ以上ストリートサーキットはいらない」という反応が多かった。

 発表されたマドリードのツイスティなコースレイアウトは、高速のバンクコーナーなどの特設セクションはあるものの、典型的なストップ&ゴーのコーナーも備えている。ファンが愛するオールドコースとは異なり、刺激の少ないストリートコースが増え続けていると不満を募らせているファンを満足させられるような要素はほとんどなかったのだ。

■F1スペインGP、マドリード開催に移行も……バルセロナにも未来はある? ドメニカリCEOが含み

 近年サウジアラビアGP、ラスベガスGPなどいくつかのストリートサーキットがF1のカレンダーに加わっている。異論はあるだろうが、24戦中7戦がストリートサーキットでのレースに分類できるだろう。サウジアラビアGP、オーストラリアGP、マイアミGP、モナコGP、アゼルバイジャンGP、シンガポールGP、そしてラスベガスGPだ。

 これらはすべて、活気のある”デスティネーション・シティ”でレース開催を目指すというリバティ・メディアの戦略に合致しており、ファンにとっては公共交通機関や既存のインフラを利用して会場にアクセスしやすく、チームやスポンサーにとってはより魅力的なホスピタリティ・オプションを提供できる。

 常設サーキットでのレースが17戦ほど残っている現段階では、ストリートサーキットに対するファンの反発は少し誇張されすぎているようにも思える。

 ストリートサーキットや、90度のタイトコーナーの連続は、スパ・フランコルシャンのオー・ルージュやシルバーストンのストウ、鈴鹿の130Rほどファンやドライバーの想像力をかき立てるものではないし、現代の非常に印象的なグラウンドエフェクト・カーの限界を引き出すようなレイアウトでもない。

 ラスベガスGPの初開催が最終的に成功を収めたことは、純粋主義者たちの心を揺さぶらなかったし、今後もそうなることはないだろう。リバティ・メディアががスーパーボウルのようなビッグイベントを24回開催したいと公言していることも、モンツァやスパがいずれミラノやブリュッセルといった場所に開催を譲らざるを得なくなるのではないかという警戒感に拍車をかけている。

 日本でも、大阪がF1開催を目指すと発表したことに対して、鈴鹿でのF1開催に危機が訪れるのではないかと懸念している反応が多く見られた。

 しかしmotorsport.com/Autosportの取材によると、F1は常設サーキットとストリートサーキット、そして伝統と商業の絶妙なバランスを保つ必要性を強く認識しており、むしろふたつのタイプのレースが互いに競合することを望んでいるという。

 デスティネーション・シティという言葉は、大都市でのレースというイメージを想起させるが、ファンのアクセスや設備が標準的なものである限り、すべての新しい開催地がそうでなければならないというわけではない。

 その一例がオランダGPの舞台であるザントフールトだ。アムステルダム中心部からは少し離れているが、公共交通機関へのアクセスは抜群だ。ザントフールトの南に位置するスパ・フランコルシャンは時代に取り残されつつあったが、交通手段がもともと限られているにもかかわらずここ数年で大きくステップアップし、今でははるかに優れたファン施設とエンターテインメント・パッケージを提供している。

 モンツァはサステナビリティへの取り組みを強化しつつ、カレンダーの枠を守るため、長い間不十分だったインフラの刷新に手をつけている。

 F1は、こうした伝統的でファンの多い会場のプロモーターと協力し、未来のグランプリがどうあるべきかというビジョンを描いており、F1がグランプリの伝統を完全に放棄するわけではないという自信を抱かせるものだ。

 F1がそのバランスに忠実であり続けるかどうかは、実際にどうなるかを見届ける必要があるだろう。マドリードが、長年バルセロナには欠けていたコース上でのアクションをファンにもたらせるのか、ラスベガスのように評価を逆転できるのかも、同じく注視していく必要がある。

 スペインGPのマドリード移転に対する多くの反応は、その警告となるはずだ。終末時計を持ち出すのはまだ時期尚早だと言えるだろう。

こんな記事も読まれています

[car audio newcomer]スズキ スイフトスポーツ(関根貴成さん)by LCサウンドファクトリー 後編
[car audio newcomer]スズキ スイフトスポーツ(関根貴成さん)by LCサウンドファクトリー 後編
レスポンス
フェラーリ、F1ラスベガスGPのフリー走行でフロアの”実験”。来季マシン開発のために実走行データを収集
フェラーリ、F1ラスベガスGPのフリー走行でフロアの”実験”。来季マシン開発のために実走行データを収集
motorsport.com 日本版
レッドブル・ホンダのフェルスタッペン、F1ドライバーズチャンピオン獲得!!
レッドブル・ホンダのフェルスタッペン、F1ドライバーズチャンピオン獲得!!
レスポンス
全長4.4m! 日産の「4ドア“5ナンバー”セダン」がスゴかった! めちゃ「スポーティな画期的モデル」は世界一が目標! 隠れ名車「プリメーラ」はイマ求められる1台か
全長4.4m! 日産の「4ドア“5ナンバー”セダン」がスゴかった! めちゃ「スポーティな画期的モデル」は世界一が目標! 隠れ名車「プリメーラ」はイマ求められる1台か
くるまのニュース
なぜマクラーレンはクルマ好きを魅了するのか? 新型プラグインハイブリッド「アルトゥーラ スパイダー」の絶妙な味わい。【試乗レビュー】
なぜマクラーレンはクルマ好きを魅了するのか? 新型プラグインハイブリッド「アルトゥーラ スパイダー」の絶妙な味わい。【試乗レビュー】
くるくら
むかしは「車庫飛ばし」してでも欲しかった「品川」「横浜」ナンバー! いまは引っ越し時にうっかり…!? 悪意はなくとも違法行為となるので要注意
むかしは「車庫飛ばし」してでも欲しかった「品川」「横浜」ナンバー! いまは引っ越し時にうっかり…!? 悪意はなくとも違法行為となるので要注意
Auto Messe Web
ベントレーが新型コンチネンタルGTなどをクリスマスまで麻布台ヒルズで特別展示【イベント】
ベントレーが新型コンチネンタルGTなどをクリスマスまで麻布台ヒルズで特別展示【イベント】
Webモーターマガジン
マセラティ、フォーミュラEに2030年まで参戦。次世代『Gen4』レギュレーションにコミット
マセラティ、フォーミュラEに2030年まで参戦。次世代『Gen4』レギュレーションにコミット
motorsport.com 日本版
モノクロのアルピーヌ A110が登場!? 写真家とコラボ、デザイン際立つ内外装
モノクロのアルピーヌ A110が登場!? 写真家とコラボ、デザイン際立つ内外装
レスポンス
もしもポルシェが「356RSR」を作ったら……を実現しちゃった男がいた! 世界的有名ショップが魔改造した356の完成度がヤバい
もしもポルシェが「356RSR」を作ったら……を実現しちゃった男がいた! 世界的有名ショップが魔改造した356の完成度がヤバい
WEB CARTOP
OEMなのに専用キャラ「ルクラッコ」を使った超力作CMが大ブレイク! なのにクルマ自体は影薄だった「スバル・ルクラ」を憶えてる?
OEMなのに専用キャラ「ルクラッコ」を使った超力作CMが大ブレイク! なのにクルマ自体は影薄だった「スバル・ルクラ」を憶えてる?
WEB CARTOP
スズキの新型「軽“5ドア”SUV」がスゴイ! 広々“タフ”内装×「スライドドア」がめちゃ便利! 「車中泊」も可能な新型スーパーハイトワゴン「スペーシア“ギア”」で寝てみた!
スズキの新型「軽“5ドア”SUV」がスゴイ! 広々“タフ”内装×「スライドドア」がめちゃ便利! 「車中泊」も可能な新型スーパーハイトワゴン「スペーシア“ギア”」で寝てみた!
くるまのニュース
ヒョンデ「アイオニック 5 N」オーナーになるとこんなに「オイシイ」のか! 特別すぎるイベントで見た光景とは
ヒョンデ「アイオニック 5 N」オーナーになるとこんなに「オイシイ」のか! 特別すぎるイベントで見た光景とは
WEB CARTOP
日本市場に復活した韓国ヒョンデと大々的な広告展開を広げている中国BYD。その現状と今後の戦略は?
日本市場に復活した韓国ヒョンデと大々的な広告展開を広げている中国BYD。その現状と今後の戦略は?
LE VOLANT CARSMEET WEB
余った土地に「ヨシ! 急速充電器を設置するか」は現実的? 個人がEVの充電サービスで儲けられるか考えてみた
余った土地に「ヨシ! 急速充電器を設置するか」は現実的? 個人がEVの充電サービスで儲けられるか考えてみた
THE EV TIMES
「ジープ・コマンダー」の限定車「オーバーランド」発売!人気のオプションアイテムを標準装備
「ジープ・コマンダー」の限定車「オーバーランド」発売!人気のオプションアイテムを標準装備
LE VOLANT CARSMEET WEB
「すごい多重事故…」 関越道で一時「トラックなど玉突き衝突」発生! 追越車線が規制で「通過時間70分」の大渋滞 「電車で行くか…」の声も
「すごい多重事故…」 関越道で一時「トラックなど玉突き衝突」発生! 追越車線が規制で「通過時間70分」の大渋滞 「電車で行くか…」の声も
くるまのニュース
大人のレゴ「フェラーリF1」モデル発売へ…MGU-Hが回転するV6エンジンのこだわり
大人のレゴ「フェラーリF1」モデル発売へ…MGU-Hが回転するV6エンジンのこだわり
レスポンス

みんなのコメント

1件
  • eh1********
    興味のない人は、山奥のサーキットなんて絶対に行くことがないから、ストリートなら都会近くてそういった興味ない層にも訴求出来ると思って、拝金主義のFIAはやりたいんだろうね。

    しかしそもそも興味ないんだから、騒音が煩いと、街が封鎖されて邪魔と思われるだけだよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村