F1第11戦オーストリアGPでポールポジションを獲得したのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペン。今季のトップ争いがますます熾烈になっていた中で、2番手以下にコンマ4秒の差をつけてのポールポジションとあって、ライバルたちも「現実を見せつけられた」と頭を抱えることになった。
今季のF1は開幕から7戦連続ポールポジション、その内5回でポール・トゥ・ウインを記録したフェルスタッペンが好調なスタートダッシュを切り、早くもシリーズ4連覇を確実なものにしようとしていた。しかし最近では第6戦マイアミGPで初優勝したランド・ノリスが対抗馬として肉薄しているだけでなく、第8戦モナコGPはフェラーリのシャルル・ルクレールがポール・トゥ・ウイン、第9戦カナダGPではジョージ・ラッセルがポールを獲得してメルセデスの復調を印象付けるなど、混戦模様となっていた。
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ただオーストリアでのフェルスタッペンは、完膚なきまでにライバルを圧倒しようとしている。土曜日のスプリントでポール・トゥ・ウインとなったフェルスタッペンは、予選で1分04秒314というタイムを記録。ノリスが1分04秒718で2番手に続くのがやっとであり、誰も近付くことさえできなかった。
予選で3番手タイムをマークしたマクラーレンのオスカー・ピアストリ(※トラックリミット違反によるタイム抹消で最終順位は7番手)は、フェルスタッペンがQ2でQ1から1秒近く速いタイムを出してきた時に衝撃を受けたという。
「少しだけどね」とピアストリは言う。
「彼のQ2でのラップは、みんなに現実を見せつけるものになったと思う。彼はQ3でも同じことをした」
「あそこでギャップが一気に大きくなったのはなぜか分からないけど、彼らは明らかに僕らを倒せる力を持っているということだ」
「マックスは誰よりも一歩リードしているように見えた。でも、僕たちとメルセデス、フェラーリの差はとてもタイトだったと思う」
またメルセデスのルイス・ハミルトンは、フェルスタッペンそしてレッドブルとの高速コーナーでの差は「正気じゃない」としたが、彼らは予選で一段ギヤを上げてきたことに対しては驚いていないという。
「僕たちはマックスに比べて高速コーナーでかなり後れを取っていた。彼らの高速コーナーでの速さは正気の沙汰ではない」とハミルトンは言う。
「時速にして12kmか13kmは速かったと思うけど、驚きとは言えない。僕たちはいつもFP1やフリー走行では速そうなのに、それからみんながどんどん速くなっていく。そういうものなんだ」
当のフェルスタッペンはこの速さの要因について尋ねられると、最近のレースでは感じなかったようなマシンとの一体感を感じたと答えた。
「確かに、短い周回だった中でギャップも大きかった。でもその一方で、クルマとのフィーリングはすごく良かったし、バランスも良かった」
「それでプッシュしてコーナーを攻めることができた。それでこのようなギャップができたんじゃないかな。このような感覚を味わうのは久しぶりだった」
「ここ数戦は、いつも前も後ろも接近しているような感じだったから、今回のことはチームにとっても非常にポジティブなのは間違いない」
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