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最高のハンドリングを誇る前輪駆動車 20選 FFでも楽しめることを証明したクルマたち

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最高のハンドリングを誇る前輪駆動車 20選 FFでも楽しめることを証明したクルマたち

運転の楽しいFF車 ハンドリングに優れているのは?

スポーツカーに求められる要素の1つにハンドリングがある。ハンドリングというと、後輪駆動車(FR)や四輪駆動車(4WD)にスポットが当たることが多い。

【画像】ハンドリングを楽しめる前輪駆動車【シビック・タイプR、205 GTi、エランM100などを写真で見る】 全78枚

これは基本的に、グリップとバランスの良さが理由である。しかし、フロントに搭載したエンジンで前輪を駆動する前輪駆動車(FF)では、ハンドリングが楽しめない……というわけでは決してない。

今回は、優れたハンドリングを誇り、運転の楽しさを証明した前輪駆動車を紹介していきたい。

フォード・プーマ

1990年代の欧州は、マツダがMX-3(ユーノス・プレッソ)、オペルがティグラ、フィアットがバルケッタを送り出していた時代。後半に差し掛かった1997年、フォードはイアン・カラム氏のデザインによるプーマを投入する。

1.4L、1.6L、1.7Lと複数のバリエーションがあったが、ヤマハが開発した最高出力125psの1.7L仕様が特に好まれた。車重1039kgの軽さを活かし、0-100km/h加速では9秒強を誇った。

シャシーには4代目フィエスタのものを流用し、サスペンションとトレッドを改良することで、より軽快なハンドリングを実現している。1999年には、ラリーのホモロゲーションに対応するため、よりワイドなフェンダー、カムシャフトとエグゾーストの強化、そして約30psのパワーアップを果たしたレーシングプーマが登場した。

ホンダ・インテグラ・タイプR

前輪駆動車として最高のハンドリングと評されたインテグラ・タイプRは、後に続くタイプRシリーズのベンチマークとなった。大型リアウイングで揚力を30%低減しつつ、フロントのエアロリップで高速走行時の安定性を確保している。

シャシーでは、サブフレームを強化し、スポット溶接を追加して剛性を高めた。ダブルウィッシュボーン式サスペンションと15インチのアルミホイールを装着し、フロントガラスは10%薄くして重量を抑えている。走りを磨くために、無駄をとことん削ぎ落としたモデルである。

ミニ・クーパー

ミニは現在、クーパーシリーズを中心に人気を集めているが、初代クーパーはゴーカートのようなハンドリングと「ジャイアントキラー」としてのステータスを獲得したモデルである。

従来のスプリングの代わりにラバーコーンサスペンションが採用され、独特の乗り心地と四輪が各コーナーに押し出されるような動き、低重心と短いサスペンショントラベルによって鋭いコーナリングを実現した。1963年には、よりパワフルな1.1Lエンジンと大型ディスクブレーキを搭載した「S」モデルが発売された。

ロータス・エランM100

ロータスといえば後輪駆動の軽量スポーツカーだが、エランM100はマツダMX-5(ロードスター)に対抗して作られた、ロータス流の前輪駆動車であった。当初は後輪駆動とする計画もあったが、最終的に前輪駆動に落ち着いた。

高剛性のスチール製バックボーン・シャシーに軽量なコンポジットボディーをまとい、フロントサスペンションにはダブルウィッシュボーン式を採用。さらに、トルクステアを軽減するための「コンプライアンス・ラフト」が高剛性のブッシュで取り付けられている。

しかし、当時ロータスファンの多くは前輪駆動を見過ごすことができず、4700台しか販売されなかった。その後、キアがこのデザインを採用し、韓国と日本で1056台が販売されている。

ルノー・クリオ182トロフィー

ルノー・スポール車は数多く存在するが、中でもクリオ182トロフィーは、ウィリアムズのコンパクトなフィーリングと現代の200カップの性能を併せ持つ象徴的なモデルである。

スポーティな182カップをベースに、ザックス製のラリー用リモートリザーバーダンパーをフロントアクスルに追加し、ボディコントロールを最適化。コーナリングでもほとんど傾かないようにした。車高も10mm下げている。激しいコーナリング時には、アンダーステアではなく、リアを流して走れるようになった。

プジョー205 GTi

205 GTiには最高出力105psの1.6L仕様と132psの1.9L仕様があり、フロントはマクファーソン・ストラット、リアはコンパクトなトレーリングアーム式で、ハンドリングは上級車に匹敵するほどであった。

1.9L仕様では、サスペンションの調整によってピッチとロールを抑え、初期の1.6L仕様に見られたアンダーステアに対処している。価格性能比の高さから人気が高まり、現在でも世界最高の前輪駆動車の1つとみなされている。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIクラブスポーツS

ホンダ・シビック・タイプRやルノー・スポール・メガーヌ275トロフィーRも過激なモデルだが、フォルクスワーゲンはゴルフGTIをさらにアップグレードしたクラブスポーツSを送り込む。リアシートを取り外して30kgの軽量化を実現したハードコアモデルだ。

最高出力310psを発揮し、専用のダンパーチューニング、キャンバーの拡大、軽量なアルミ製フロントサブフレーム、ミシュラン・パイロット・スポーツカップ2タイヤにより、ブランド史上最速のゴルフとなった。

フロントスプリッターとリアウィングが生み出すダウンフォースにより、60kgの揚力を削減。わずかながらも、これにより完璧なシャシーバランスを獲得している。

フォード・フォーカスRS500

2代目フォーカスRSに皆が慣れてきた頃、フォードは出力45psアップのRS500を投入した。シャシーはベースのフォーカスRSと変わらないが、LSDを搭載することで、高出力化したマシンをうまくコントロールし、コーナリングを楽しめるようになっている。

フォード・スポーツKa

1990年代から2010年代にかけて、ホットハッチは活況を呈し、スズキ・スイフト・スポーツやフィアット・パンダ100hpなどが多くのドライバーに愛された。標準のフォードKa(カー)は1.0Lと1.3Lのエンジンで性能不足だったが、スポーツKaは1.6Lエンジンから95psを引き出している。

さらに、路上追従性を向上させるためにフロントトレッド幅を22mm広げ、ブッシュを強化し、ブレースを追加し、サスペンションを14mm下げ、アンチロールバーを60%強化するなど、足回りにも変更が加えられた。このため、わずかな入力にも熱心に反応するようになったのだ。

アルファ・ロメオ・アルファスッド

1970年代のアルファスッドは、そのハンドリングが高く評価されたが、製造品質には疑問が残り、後にゴルフGTIへ主役の座を譲るきっかけとなった。アルファスッドは、四輪ディスクブレーキを装備した当時としては珍しいモデルである。

低く構えたスタンス、マクファーソン・ストラット式フロントサスペンション、巨大なアンチロールバーの役割を果たすリアのビームアクスルによって、ロールのないハンドリングを実現。その結果、路上追従性に優れた楽しいクルマに仕上がっている。

ルノー・メガーヌR26R

ロールケージとカーボンファイバー製ボンネットを追加し、リアウィンドウをポリカーボネートに変更、リアシートを取り外し、ラジオと助手席エアバッグを取り外すことで、従来のメガーヌRSから123kgを削ぎ落としたR26Rが完成する。

フロントとリアのスプリングレートは10%以上柔らかくなり、ダンパーとスプリングも改良され、コーナリングでの安定性とコントロール性が向上した。ディファレンシャルはノーマルのままだが、R26Rには高いグリップ力を発揮するトーヨータイヤが装着されていた。

セアト・レオンST280

レオンST280のドライブトレインには、油圧クラッチを介して最大100%のトルクを片輪に送ることができる電子制御ディファレンシャルが採用された。これにより、コーナーの立ち上がりでスロットルを全開にしても、トルクステアがほとんど発生しない。

通常のレオンSより車高が25mm低く、まさしく路面に吸い付くような走りを見せる。オプションでサーキット走行向けのパフォーマンスパックも用意され、2.1kg軽いアルミホイールにミシュラン・スポーツカップ2タイヤを装着することができた。

フォード・モンデオST200

フォードはモンデオST200という高性能ファミリーカーを作り上げた。シャープで反応の良いステアリングと、入念にセッティングされたサスペンションを持ち、乗員に快適さを提供しながらも、力強くコーナーを曲がっていくことができる。

17インチホイールも、アグレッシブなキャラクターの演出に一役買っている。2.5L V6エンジンは従来のST24から改良され、出力は169psから205psに向上した。

ホンダ・シビック・タイプR

ホンダのシビック・タイプRは、どの世代を選んでも素晴らしいハンドリングと信頼性を備えているが、ここではFK2に焦点を当てる。

310psの最高出力をしっかり前輪に伝えるために、ホンダはアダプティブ・ダンピングを備えたデュアルアクシス・ストラット式のフロントサスペンションを採用。トルクステアに対抗した。19インチホイールにコンチネンタルタイヤを装着している。

走行モード「+Rモード」では、アダプティブダンパーやエンジン、パワステなどがよりスポーティな設定となり、クルマと一体となった走りを体験できる。

アバルト695ビポスト

フィアットは、アバルト695を世界最小のスーパーカーと謳った。決して誇大広告ではなく、Hパターンのドッグリング・トランスミッションとLSD、4点式ハーネス付きレーシングシート、ロールケージ、190psの1.4Lターボが標準装備されている。

リアシートを取り外し、ラリー用のネットを装着することで38kgの軽量化を実現し、総重量は997kgとなっている。左右のオフセットを5mmずつ増やして全幅を10mm拡大し、タイヤはグッドイヤー・イーグルF1を装着して高いグリップ力を発揮する。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(初代)

同時代の上級後輪駆動車と比較しても、その確かな安定性と思い切りの良さから、初代ゴルフGTIのランクインは妥当なところだろう。標準のゴルフに比べ、ダンパーとスプリングを硬くし、アンチロールバーを装着、車体を20mm路面に近づけている。840kgの車重と110psのパワーで、一般道を軽快に駆け抜けることができた。

プジョー106 GTi

1990年代のホットハッチとしては、アルファ・ロメオ145、セアト・イビサ・クプラ、ルノー・クリオ・ウィリアムズなどが挙げられるが、プジョーは306 GTI-6と106 GTiを投じることで、ホットハッチの水準を大きく引き上げた。

106 GTiは、小型ながらもホットハッチの要点を見事に捉えている。マクファーソンストラットにアンチロールバー、トーションバー、そしてリアにアンチロールバーを装着。1.6Lエンジンから120psを引き出し、950kgの車重で、都市部から郊外まで走破する実力を備えている。

トヨタ・セリカT-スポーツ

セリカTスポーツは、欧州トヨタが販売するセリカの最上級グレードである。ちょうどホンダ・インテグラ・タイプRやフォード・レーシングプーマが退場する時期に登場し、低重心な車体とエンジン回転数感応式パワステシステムにより、「ベスト・ハンドリング前輪駆動」と称されるようになった。シャシーは従来のセリカのままだが、エンジン出力は145psから192psに引き上げられている。

フォルクスワーゲン・ルポGTI

ゴルフやポロと同様、ルポGTIは圧倒的な躍動感と楽しさからカルト的な人気を博した。スプリングとダンパーを強化し、標準車より車高を20mm下げたことで、路面に吸い付くようなスタンスとなっている。

太いタイヤと小さなホイールベースでシャープなターンインを実現し、アンダーステアが予測しやすく、運転の楽しさを教えてくれるようなクルマだ。1.6Lエンジンは127psを発揮し、0-100km/h加速8.2秒と、「GTI」の名に偽りはない。

ヒョンデi20 N

欧州では実に多くのホットハッチが販売されているが、人気も値段も高いフォード・フィエスタSTをあえて避けるのなら、ヒョンデi20 Nが良き相棒となるかもしれない。

209psの出力をLSDを介して前輪に伝達し、18インチのアルミホイールにはピレリPゼロ・タイヤが標準装備されている。頑丈なフロントナックルに加え、ネガティブキャンバーとシャシーブレース追加により、荒れた路面では軽いトルクステアを伴うものの、安定感のあるコーナリングを見せてくれるのだ。

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