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ポルシェ・マカン EVになる次期型のさらなる情報が明らかに

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ポルシェ・マカン EVになる次期型のさらなる情報が明らかに

内燃エンジンの現行モデルもしばらく併売

ポルシェのSUV部門責任者が、完全な電気自動車となる次世代型マカンの情報を明かした。

【画像】ポルシェ・マカン/タイカン 全105枚

AUTOCARで2018年10月に初めて報じたとおり、次世代のポルシェ・マカンは電気自動車になることが既に発表されている。この次期型は、ポルシェにとって新しいモデルとして生まれ変わるため、そのことを反映して現行のマカンとはまったく異なるボディスタイルになるという。

フランクフルト・モーターショーで話を聞いた際、ポルシェのSUV部門でディレクターを務めるジュリアン・バウマンは、次期型マカンが発売された後も、既存の内燃エンジンを搭載するマカンはしばらくの間、併売されることを認めた。この戦略は、パナメーラとタイカンの関係性にも似ている。

電気自動車となるマカンは、2021年に発表される見込みだ。タイカンと同様、当初は高性能なグレードから発売になる。その高性能モデルには、ポルシェの慣例に従い「ターボ」のバッジが付けられるだろう。その後も当分の間、現行型マカンの販売は継続される。その理由について、バウマンは「まだEVに移行する準備ができていないお客様」がいるため、「2つの異なるモデルを併売することになるでしょう」と語った。

タイカンの開発チームが空力を担当

実際、この2つのマカンは根本的に異なる。電動化される次期型モデルには、タイカンのJ1プラットフォームを改良したものが使われる予定だからだ。

このプラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループの新しい高級電気自動車用プラットフォーム「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」の元にもなる。高い柔軟性を備えるPPEは、車高の低いGTから背が高いSUVまで、同じハードウェアを共有することができる。

ポルシェのルッツ・メシュケ副会長によれば、今のところPPEはアウディとポルシェのみで使われる予定で、両社が各々アーキテクチャを開発するよりも、コストを30%削減できるという。

タイカンとマカンではモデルとしての役割が異なるものの、両車の開発に「根本的な違いはない」とバウマンは言っている。「現行マカンはそれほど空力を重視していませんが、次期型ではかなり力を入れて開発しています。これにはタイカンの開発チームが参加しています。タイカンの空力性能において、われわれは一切諦めることをしませんでした。マカンでも同じだと、わたしは確信しています。600kgのバッテリーを積むことは運動性能にとって有利とは言えませんが、重心が低くなるという利点があります」。

完全な電気自動車専用モデルとして開発されるため、フロントにエンジンの搭載を考慮する必要がない。そのため、フロントノーズを短くすることが可能だとバウマンは言う。

「電気自動車となる次期型マカンのデザインは、次の段階を切り開くことになります。しかし、(現行マカンと)ボディ構造は一切共有しないにもかかわらず、一目でそれと分かるでしょう」と、バウマンは語った。

現行モデルの精神を受け継ぐ

現行マカンは登場から4年が経った2018年秋にフェイスリフトを受けたが、ポルシェが当初計画していたよりも長い期間、生産が継続される見込みだ。電動化される次期モデルの発売後も、内燃エンジン搭載モデルを残すという役割を担うことになったためである。

メシュケは、内燃エンジン搭載の現行モデルと、電気自動車になる次期型モデルが併売される期間は「2~3年になるだろう」と見ているという。電気自動車の普及は急速に進んでいるものの、状況は地域によってだいぶ差がある。インフラつまり充電施設の数も偏っているし、施設があってもすぐに確実に使用可能とは限らない。

「電気自動車へ完全に移行するのがいつのなるのか、はっきり言うことはできません。地域によって違います」と、バウマンは言う。しかしメシュケは、全世界におけるポルシェの販売が「5年以内に30~40%は完全な電気自動車になる」と予想している。

さらにバウマンは、次期型マカンが「先代のDNAを受け継ぐ」と付け加えた。「(現行マカンは)ポルシェのベストセラー・モデルです。その精神は維持するつもりです。つまり、セグメントで最もスポーティなモデルになるということです」

タイカンの0-100km/h加速は3.0秒を切る。そのプラットフォームを使用するにもかかわらず、電気自動車となる次期型マカンは、クーペSUVにはならないという。「日常的な使いやすさを維持しなければなりません。マカンは家庭で普段使われるクルマになることが多いからです」と、バウマンはその理由を説明する。

全固体電池の実用化は5~7年先

電気自動車のマカンは、前後アクスルに1基ずつモーターを搭載する四輪駆動になる可能性が高い。最もパワフルな仕様は、最高出力700ps前後、最大トルク100kg-m以上になる見込みだ。その下に、いくつかパワーを抑えたモデルもラインナップされる。タイカンと同様、最も高性能なモデルに「ターボS」、その下のモデルには「ターボ」というバッジが付けられるだろう。

オンロードでは素晴らしいハンドリングを発揮する一方で、高めの最低地上高と緻密なモーターの電子制御によって、マカンEVはオフロードでかなり高い走破性を発揮するに違いない。

さらにメシュケは、リチウムイオン電池の効率が現在より20~25%高くなるだろうと予想している。しかし、「次の大きな変革は全固体電池」になるという。全固体電池なら現在と同じ出力を半分の体積で発生することができるようになる。だが、その実用化には「あと5~7年はかかるでしょう」と述べている。

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