軍事オタクとは何か
世の中には多種多様なオタクが存在している。何かに強いこだわりや愛着を持ち、知識を高めたり、応援したり、お金を費やしたりするのは、本人たちにとっては非常に気持ちのよいもののようだ。
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外部の人間からすれば、その情熱は理解できないものなので、オタクにはある種の異様さがつきまとう。軍事オタクはその最たるものといってもいいかもしれない。
第二次世界大戦での敗戦以来、憲法の平和主義の原則のもと、
・戦争の放棄
・戦力の不保持
を叩き込まれてきた日本人は、戦争を特別タブー視してきた。一方で、常に戦争もののドラマや映画は作られてきた。「戦争を忘れない」という名目のためでもあったし、生死に関連した最も人の心を揺さぶる刺激的なコンテンツのひとつとして商業的に選ばれてきたジャンルでもある。
戦争とは切っても切り離せない軍事オタクは「ミリタリーオタク」略して“ミリオタ”とも呼ばれ、ネットで検索すると、
「ミリオタ 気持ち悪い」
をはじめ、
「不謹慎」
「嫌われる」
「怖い」
などが検索の候補に挙がってくる。
女性の視点から見る「軍事オタク」の違和感
女性である筆者(鳴海汐、国際比較ライター)は、子どものころ、バブル期の浮かれた空気のなか、有事は日常からほど遠いものであるので、軍事オタクを随分な「物好き」だと感じていた。
属性としては圧倒的に男性が多い。筆者の家族のなかにもいて、
「こんなに戦争の映画を見たり、軍艦のビデオを見たりして、いったい何になるだろう」
と思っていた。21世紀に入っても、国が防衛費を増やすのは無駄だと思っていたし、兵器の性能を語ったりする軍事オタクの知識も
「何の役にも立たない」
と思っていた女性は多かったはずである。戦争ものには、飛行機や戦車などの乗り物がつきもので、男性がそれらに本能的に惹かれる部分はあるのだと想像できる。単純に
・ハイテクノロジー
・兵器の大きさ
・軍隊の規模の大きさ
・個人では到底払えないような莫大な費用がかかること
にも惹かれるのかもしれない。軍服などへの憧れも分からないものでもない。
しかし、そこにはどうしても「戦い」「負傷」「殺戮」などがともなうので、心理的な拒否反応が出てしまう。
女性は、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」精神というか、何よりも無事でいること、死なないことを最重要視している。そもそも戦争が起きないことを求める平和志向でもある。
だから、必要もないのに、軍事を趣味とする人に強い違和感を持つのである。
「軍事オタク」とは何を求める存在なのか
軍事オタクが知識を深めたいものはさまざまで、銃器だったり、兵器だったり、戦略だったり、戦史だったりさまざまだ。グッズのコレクターやコスプレイヤーもいる。無線の傍受からはじまり、インターネットの普及により、軍事情報にアクセスしやすくなり、独自の研究を行う人もいる。そうなると
「戦争好き」
かと想像してしまうが、X(旧ツイッター)まとめメディアTogetter(トゥギャッター)には
「ミリオタはだいたい『武器・兵器やそれが戦っているところは好きだけど戦争は嫌い』と思っている→『ほんとそれ』『業が深い』と賛同集まる」
といったスレッドがある。戦争反対の気持ちから戦争を理解しようとすることで詳しくなった人もいると聞く。
筆者の家族の場合は、戦後に少年期を過ごすなかで、大東亜戦争(太平洋戦争)の敗戦、原爆被害といった、敗戦国になったことが残念な気持ちがベースにあったそうだ。
「いつか米国に仕返ししたい」
と若いころは思っていて、それが難しいものだと考えてもなお、少しでも可能性があるのなら、と軍備増強心に結びついたという。愛国心ともいえるかもしれないといっていた。
海外でも、たとえば米国には1861~1865年かけて起きた南北戦争のオタクが一定数いて、それに関心を持つ人のためのツアーがあったりする。理解を深めるために専門家とディスカッションする機会がある。そこには歴史的な探求心や愛国心がきっとあるのだと想像できる。
南北戦争好きは、日本での“幕末好き”のようなものかもしれない。戦争でも世界大戦以前のものであれば、歴史の要素が強くなってくる。それだって軍事なのに、殺戮なのに、ロマンがでてきて、「歴女(歴史好きな女性)」にも受けてしまうのが不思議だ。
変わる「軍事」の位置づけと評価
それが、ここ数年、世界情勢の緊張が高まる中で、軍事オタクに対する見方も少しずつ変化してきているように感じられる。
軍事オタクの最たる存在ともいえるのが、東京大学先端科学技術研究センター准教授でロシア軍事の専門家としてウクライナ戦争の解説でメディア露出のある小泉悠氏である。プーチン政権の誕生とインターネットの普及によって、
「気軽にマニアックな軍事情報にもアクセスできるようになった最初の世代」
なのだという。人工衛星の画像分析といった次世代の研究手法などが評価され、第25回正論新風賞(フジサンケイグループ)を受賞した。受賞式では
「『軍事オタク』の興味から始まった研究が、時代の変化で、大きな意義を持つようになってしまった」(2025年2月27日付け『産経新聞』)
と話している。
こうなると、軍事オタクのイメージも俄然変わってくるのである。
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