エンスージアストの憧れともいえるフェラーリ。そのフェラーリのほぼすべてを肌で感じられるイベント「フェラーリ・レーシング・デイズ2018」が6月30日と7月1日の2日間に渡り開催された。PHOTO◎小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)/Ferrari Japan
まさに晴天に恵まれた今年の「フェラーリ・レーシング・デイズ2018」。6月30日と7月1日の2日間に渡り、富士スピードウェイにて開催されたこの“跳ね馬”の祭典には、日本全国から500台のフェラーリと5000人を超えるオーナーとファンが詰めかけた。
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毎回なんらかの話題の提供し、会場を盛り上げているこのイベント。今年はフェラーリの最新モデル「488ピスタ」の初披露もさることながら、8台ものF1マシンが集結したことだろう。さらにワンメイクレース「フェラーリ・チャレンジ」のアジア・パシフィック戦も行われ、フェラーリが如何にモータースポーツと直結しているかを肌で感じられる展開で魅了した。
今年、このイベントに集められたF1マシンは、F1-89、412-T2、F2004、F2005、F2007、F2008、F10、F150°イタリア。これらはすべて日本在住のオーナーが所有する個体だが、驚くことに現在、日本には約20台のフェラーリ製F1マシンが生息しているという。実際に走らせるには、それ相当の準備と費用がかかるとはいえ、プライベートでF1マシンをもつことは、フェラリスタにとって夢のまた夢の世界。
それをこの日、快音を交えて、その美しき勇姿を見られたのだから来場者の多くは感動したに違いない。ましてや、アレジやシューマッハ、アロンソといった名だたるドライバーが実際にレースで使用したマシンだ。こうしたF1マシン購入者などを対象にしたフェラーリの専門部門F1クリエンティの手により購入する際にはデチューンされるものの、凄まじい加速とエキゾーストノートは何度みても聞いてもシビレてしまう。
この他、FXX Kや599XXなどといったサーキット専用車「XXプログラム」やワンメイクレースの「チャンレンジ」などに対してはコルセ・クリエンティが担う。これは、主にプライベートレーサー、つまりジェントルマンドライバーが顧客となるレース参戦をサポートする部門だが、XXプログラムに関しては、次世代車両の開発にも携わるプロジェクトとなるため、こうした専門部門が担当するという。
この日のために来日したコルセ・クリエンティのトップ、アントネロ・コレッタ氏によれば、XXカー購入者のほとんどは、チャレンジなどに参戦した経験をもつドライバーが多いと語る。それだけにその走りは刺激に溢れている。このイベントでは、最新のFXX K Evoなど、一連のXXシリーズが顔を揃えたが、そのどれもがまさにレーシングスピード。非レース車両とはいうものの、そのままバトルが繰り広げられそうなほどのペースを見せてくれた。
一方、ワンメイクレースの「チャレンジ」は、さらに刺激が増す。1998年に始まった頃から思えば、モデル毎に進化していくマシンの性能をみても明らかなように、ひと昔前とは展開が桁違いだ。しかも数年前から目立つ中国人ドライバーも今ではかなり腕を上げ、マナーの良さとともに激しいバトルを見せつける。今回も序盤から大いに盛り上げ、1週目からクラッシュするシーンも……。セミプロ級、中堅クラスなど3クラス設けられているとはいえ、その差はさほど開いていないこともあり、常に白熱していたのが印象に残った。
もちろん、このイベントは、希少なモデルが見られるのも魅力だ。2015年にデビューしたプレミアムモデルF12Tdfや、究極系のラ フェラーリ、エンツォ フェラーリ、F50、F40、288GTOなどが勢揃い。日本への正規輸入50周年を記念したJ50(10台限定!)なども含めて、かなり見応えがあった。
その他、フェラーリ認定のレストア部門が手がけたクラシケ車両も展示。250GTベルリネッタTdF(1957)や275GT ベルリネッタ(1965)は、古きよき時代のフェラーリ。如何に華やかな歴史を辿ってきたかを感じとれる、見事に美しく蘇らせた仕上がりで感動させられた。
こうして見ると、やはりフェラーリは長きに渡りレースが根底にあるからこそロードカーが存在し、そしてその実力を日常でも味わえると再認識した。F1を販売してしまうことには驚かされるが、ロードカーもサーキットでこそ、その真価を発揮できると思うと、これほどエンターテイメント性に長けたブランドは他にないと痛感したのは事実である。まさにこの2日間は、ショータイムの連続であった。
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