ドイツで開発された事実が伝わる
かくして、ロータス・エレトレのステアリングホイールを握ってみると、ドイツで開発されたという事実が伝わってくる。今までのロータスとは、明らかにフィーリングが異なっている。
【画像】次代が電動SUVから始まる ロータス・エレトレ 同クラスのモデルは? エヴァイヤも 全127枚
もっとも、驚くほどの真実ではないかもしれない。車重が2.5tを超える、電動で四輪駆動のクロスオーバーは、これまで同社に存在しなかったのだから。
従来とのつながりは、過度に期待しない方がいい。コミュニケーション力に長けたステアリングや、息を呑むような敏捷性、不思議なほど柔軟な乗り心地などは、どんなにペースを速めても体験できない。
英国の技術者も、ドイツへ赴き開発へ携わっている。だが、試乗したグレートブリテン島南東部の傷んだ路面のことは、余り意識されていないようだ。
姿勢制御は落ち着いているが、乗り心地は明確に硬め。タイヤサイズは、フロントが275/40で、リアが315/35とワイド。22インチのピレリPゼロを履く。
オプションで23インチを選択できるものの、ロータスのシャシー技術者は推奨していない。20インチへインチダウンも可能。走行時の抵抗が小さくなり、航続距離にも貢献するため、悪くない選択だろう。しかも無料だ。
走行中は、駆動用モーターのノイズはほぼ車内へ響いてこない。アクティブ・ノイズキャンセラーを機能させることで、ノイズレベルは5dBAも更に抑えられているという。
ドイツ的といえるソリッドな質感
アクセルレスポンスは、低速域で特にリニア。優しく足を傾けると、優しく走り始める。本域で加速させるには、ペダルをしっかり踏み込む必要がある。
ドライブモードは、ツアー・モードが標準。速度域が上昇すると、アスファルトの不整を巧みに均しはじめ、エレトレは落ち着きを増していく。とはいえ、英国では珍しくない隆起部分や舗装の剥がれた穴を通過すると、衝撃がしっかり伝わってくる。
スポーツ・モードではサスペンションが引き締まるものの、乗り心地は我慢を強いるほどではない。モードを問わず、ドイツ的といえるソリッドな質感が常にある。
本来、アクティブ・アンチロールバーは、コーナリングの負荷に反応してボディロールを抑える。一方でストレートでは緩め、しなやかな乗り心地を両立させるために開発された技術だ。
しかしエレトレでは、高速道路のクルージング時でも硬さが残っている印象。そのかわり、コーナリング時のボディの傾きは最小限といえる。カーブへの侵入時に僅かにロールした後は、安定した姿勢が保たれる。
前後に同じ馬力の駆動用モーターが載る四輪駆動で、アンダーステアやオーバーステアといった兆候はほぼ皆無。視界の開けたタイトコーナーで相当に勇気を奮い立たせても、シャシーの能力には余裕が残されている。新しい個性といえる。
例えば、ポルシェ718ケイマンとロータス・エミーラを比較すると、718ケイマンの方が路面をしっかり掴み続けることがわかる。だが、ポルシェ・カイエンとエレトレは、そこまで似ていないとは思えない。
現在のロータスにとって理想的なモデル
ステアリングの感触もドイツ的。安定していて、安心感がある。切り込んでいくと素早く反応し、手応えが増していく。ロックトゥロック2.5回転を使い切るには、かなり意欲的に腕を動かす必要がある。
市街地を片手で運転できるような、軽さに振った設定ではない。穏やかな速度域でも、操っている実感を得られるような特性でもない。だが正確性は極めて高く、操舵に対して重み付けが即座に増していく。ある程度、路面の情報も伝わってくる。
最高速度は257km/h。その超高速域まで、ドラマチックさを高めずに到達できる。
英国の伝統的なブランド、ロールス・ロイスは、新しい2ドアクーペのスペクターを開発するにあたり、何よりロールス・ロイスらしいことを意識したと説明している。バッテリーEVであることは、その次だったと。
ポルシェ・タイカンは、乗り始めてすぐにバッテリーEVだと気がつく。だが、感じ方の程度には差があるとしても、ポルシェだということもちゃんと体感できる。
果たしてエレトレも、バッテリーEVであることは真っ先に伝わる。しかし筆者には、ロータスらしいとは感じ取りにくかった。
とはいえ、今の同社にとって理想的なモデルであることは間違いないだろう。現時点での完璧なクルマは、われわれが望むような小さく軽いスポーツカーではない。多くの人が欲しいと思えるクルマだ。
極めて高性能な電動SUVは、そんな1台になるはず。筆者の理想と現実とは、違うことが多いものだ。
ロータス・エレトレ S(欧州仕様)のスペック
英国価格:10万4500ポンド(約1828万円)
全長:5103mm
全幅:2000mm
全高:1630mm
最高速度:257km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:600km
電費:5.4km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2520kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:109kWh
最高出力:611ps(システム総合)
最大トルク:72.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:−
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