カーアクション映画『キャノンボール』に登場した「カウンタックLP400S」が製造45周年を迎える
1981年に公開されたカーアクション映画『キャノンボール』に登場したランボルギーニ「カウンタックLP400S」が製造45周年を迎え、映画の中で共演した俳優のエイドリアン・バーボーとタラ・バックマンがインタビューのために再会を果たしました。このクルマはアメリカの文化や社会に大きな影響を与え、米国議会図書館に歴史、社会、伝統にとって極めて重要なものとして登録されています。カウンタックLP400Sと映画を振り返ります。
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撮影時のカスタムはそのまま維持され、現在は熱狂的なファンが所有
自動車映画の頂点に君臨する作品のひとつとして『キャノンボール』が挙げられる。この映画に登場したランボルギーニ「カウンタックLP400S」の製造45周年を記念し、ランボルギーニは俳優のエイドリアン・バーボーとタラ・バックマンをインタビューに招待した。2人は1981年の映画公開以来の再会を果たすこととなった。
映画で使用されたカウンタックLP400Sは、今から45年前の1979年11月に生産された。ネロ(ブラック)のエクステリアとセナペ(マスタード)のインテリアを持つこのモデルは、当時ローマにあったディーラーに出荷され、そこからアメリカで直接販売が行われ、最終的にはフロリダへたどり着いた。オーナーはハル・ニーダム監督の友人で、撮影用に貸し出した。
このカウンタックLP400Sには舞台メイクとして、大型フロントスポイラーと2基のスポットライト、3本のアンテナ、12本のエキゾーストパイプが取り付けられ、助手席の前にはフェイクの計器類が取り付けられた。ユニークなカスタムはそのまま維持され撮影終了後にオーナーの元へ戻されたが、2009年にフロリダに住む熱狂的なファンのジェフ・イッポリティ氏(以下:ジェフ)の手に渡った。
ジェフは少年時代に『キャノンボール』を鑑賞しており、スクリーンの中で夢を見させてくれたクルマを自分が所有する日が来るとは想像もしていなかったという。ジェフはこのように語る。
「カウンタックが動いているのを見たのは、映画のオープニングが初めてだった! 実物を初めて見たのはそれから26年後のことで、家に持ち帰ることができるまで、さらに1年半の交渉が必要でした」
文化的価値が認められ、米国議会図書館に登録された
映画『キャノンボール』は大陸横断5000kmの「キャノンボール」レースにインスパイアされたもので、ニューヨークをスタートし、ロサンゼルスまで最短時間でアメリカ大陸を横断して競う。
映画はジャッキー・チェン、ロジャー・ムーア、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・ジュニア、さらにファラ・フォーセット、エイドリアン・バーボー、タラ・バックマンといった俳優陣が出演している。
エイドリアン・バーボーとタラ・バックマンは作品内唯一の女性クルーとして登場した。最も印象的なシーンは、オープニングのパトカーとのカーチェイスシーンだろう。劇中のレースでカウンタックを操縦し、映画のオープニングでカウンタックから降りて道路標識にスプレーで「X」を描くシーンは話題を呼んだ。これらのシーンはクルマ好きの間で伝説となり、アメリカの伝統の一部となったほどで、米国議会図書館に登録された数少ないクルマのひとつとなった。
映画で共演して以来の再会で語ったこととは
マーシー・サッチャー役を演じたエイドリアン・バーボーとジル・リバーズ役を演じたタラ・バックマンは映画で共演して以来直接会っていなかったが、インタビューでは彼女らの記憶が蘇り、このように話した。
「当時のランボルギーニは年間50台あまりしか生産していなかったこともあり、2人とも撮影が開始するまでランボルギーニを見たことも、ましてや運転したこともなかったわ」
また、エイドリアン・バーボーは、このようにコメントした。
「私はこのクルマを見てすぐに美しいと思った。私たちは最高のクルマに乗っていて、間違いなく最も美しかったわ」
タラ・バックマンは、このように付け加えた。
「カウンタックには勝者の風格があり、他のどのクルマも勝てなかったと思う。そして、オープニングのシーン、あのサウンドトラック、そしてカウンタックが疾走し、パトカーとかくれんぼをする姿。カウンタックだからこそ、これだけの影響をもたらす作品になったのでしょう」
「この映画が伝説的な地位を得ると予想していたか?」という質問に対し、2人はこう答えた。
「私たちだけでなく、誰もが成功を予想していなかったでしょう(笑)。サインを求められるようになるまで、この映画がどれほど成功したのか、まったく気づかなかったわ。ホラー映画で俳優として成功し、アニメ『バットマン』でキャットウーマンを演じているにもかかわらず、人々は何よりもカウンタックのモデルカーにサインを求めてくるの」
AMWノミカタ
2024年は伝説の自動車漫画『サーキットの狼』が週刊少年ジャンプで連載を開始して、ちょうど50年目にあたる。この漫画に端を発し、日本では1970年代の後半にスーパーカーブームが起こり、カウンタックはその美しさや最高速度300km/hと謳われた桁外れなパフォーマンス、そして見たこともないシザーズドアのギミックなどで、日本中のすべての子どもたちを虜にした。
映画『キャノンボール』はオープニングで小高い音を響かせながらカウンタックLP400Sが疾走するシーンからはじまる。シザーズドアが開き道路標識にスプレーで「X」印を書くシーン、そしてパトカーとのバトルで圧倒的な加速を魅せるシーンなど、このオープニングの3分間でランボルギーニの魅力のすべてが描かれている。もしかするとアメリカでは、この『キャノンボール』が日本の『サーキットの狼』と同じ役割を果たしたのかも知れない。
いや、熱狂したのは子どもたちだけではないのだろう。アメリカ議会図書館に登録されたことからも、カウンタックLP400Sはアメリカの歴史、社会、伝統にとって極めて重要な存在となったのだ。
【動画】映画『キャノンボール』に登場したカウンタックLP400Sについて俳優のエイドリアン・バーボーとタラ・バックマンが語る
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みんなのコメント
古くてもこれだけ存在感があるのは凄いと思います。