システム総合225psと36.7kg-mのPHEV
ホイールベースは異なるが、フランス大統領の移動手段にもなっているのが、今回ご紹介するDSオートモビルのDS 7だ。2023年度版としてアップデートを受けた最新版が、グレートブリテン島にもやってきた。
【画像】フランス大統領御用達 DSオートモビル DS 7 Eテンス225 競合クラスのSUVと比較 全119枚
英国価格は約3万6000ポンド(約579万円)からの設定ながら、最上級グレードでは6万ポンド(約966万円)を超える。VIPのおクルマとして、相応しい価格といえる。
1番お高いのが、トップグレードとなるEテンス 4x4 360。四輪駆動のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)で、好評価なプジョー508 PSEと基本的には同じパワートレインを搭載している。最高出力は360psもある。
一方で、最も手に届きやすいDS 7が、ブルーHDi 130と呼ばれる前輪駆動。1.5Lディーゼル・ターボエンジンを搭載し、0-100km/h加速は10.7秒と凡庸ながら、優秀な燃費でオーナーを満足させてくれる。
これに、インテリアが充分豪華に仕立てられる「リヴォリ」トリムグレードを組み合わせても、4万ポンド(約644万円)を切る。ゆとりのある車内空間を高効率なパワートレインが引っ張り、高速道路を優雅に流せるだろう。
今回筆者が試乗したのは、その中間に位置するPHEVのEテンス225。ガソリンエンジンと駆動用モーターが組み合わさり、システム総合で225psと36.7kg-mを発揮し、前輪を駆動する。トランスミッションは8速オートマティックだ。
スムーズでクリーンな加速 カーブも意外に得意
実際のところ、このパワートレインはさほど魅力的とはいえないだろう。とはいえBMWのPHEVも、低出力の場合はさほど楽しさを感じさせるものではない。DS 7だけの課題とはいえない。
エネルギー効率は悪くない。日常的な環境で中間加速を求めれば、駆動用モーターが加勢し、スムーズでクリーンにスピードを高めていく。反応も良好だ。
アクセルペダルを踏み込み、すべてのエネルギーを召喚すれば追い越しは朝飯前。トランスミッションの仕事ぶりも好ましい。
ただし、リアアクスル側にも駆動用モーターを搭載する、1つ上のEテンス300の方が活発なことは事実。トップグレードのEテンス360なら、このクラスでは確実に俊足だといっていい。
2023年仕様のアップデートでは、駆動用バッテリーの容量が大きくなっており、Eテンス225は電気の力だけで走れる距離が伸びている。最長69kmがうたわれ、ハイブリッド・モードで優しくアクセルペダルを傾けると、電気自動車のように走ってくれる。
フランス生まれのモデルらしく、コーナリングも意外に得意なことへ驚く。英国郊外の道をハイスピードに処理することが専門ではないにしろ、シャープにフロントノーズは向きを変え、リアアクスルは路面を確実に掴んでくれる。
1760kgの車重を持つSUVでありながら、期待以上にドライバーへ応えてくれる。車重が嵩むEテンス300は、Eテンス225ほどの機敏さはない。楽しさでいえば、前輪駆動の方が勝るようだ。
実力は低くない ニッチを求めるユーザーへ
乗り心地では、四輪駆動の方が一枚上手。それでも、カメラ映像も利用したアダプティブダンパーには改善の余地がある。波長の長い揺れは巧みに吸収するものの、傷んだ舗装などの細かい入力は均しきれないようだった。
風切り音は、上級モデルとしては大きめ。回頭性を考えれば、シートはもう少し横方向のサポート性が欲しい。DS 7の能力を霞ませる要因になっている。
インテリアは、パフォーマンス・ラインを選ぶとアルカンターラが多用される。好みはわかれるかもしれない。三角形が多用されたディティールも、少々過剰な装飾に感じる人はいるだろう。フロントマスクのLEDデイライトと同様に。
ソフトなレザーがお好みなら、リヴォリやオペラ、ラプルミエールといったスポーティさと距離をおいたトリムグレードがいい。DSというブランドにマッチしており、高級感溢れる車内でくつろげる。
運転席からの視認性は良好。ダッシュボード中央のタッチモニターは、スマートフォンとの連携機能がスムーズ。車内空間を支配しない適度なモニター・サイズという点も、好ましい。
DSオートモビル独自のアイリス・インフォテインメント・システムは、反応が軽快でグラフィックスは美しい。快適性を引き立てている。
実力や品質は高いものの、本質的な豪華さや洗練性にまでは迫りきれていないといえる、DS 7。アウディQ3やBMW X1といった主流とは別の、ニッチを求めるユーザーに向けたモデルのように感じられることは従来どおりだ。
DSオートモビル DS 7 Eテンス225 パフォーマンス・ライン(英国仕様)のスペック
英国価格:4万8835ポンド(約786万円)
全長:4595mm
全幅:1895mm
全高:1631mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:63.0-88.5km/L
CO2排出量:26-36g/km
車両重量:1760kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:12.9kWh
最高出力:225ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?