7月14日、アメリカ・アイオワ州のアイオワ・スピードウェイにて、2024年NTTインディカー・シリーズ第11戦の決勝が行われ、チーム・ペンスキーのウィル・パワーが今季2勝目を飾った。
前ラウンドの第9戦ミド・オハイオより、新たにハイブリッド・システムを導入したインディカー。以来初のオーバルレースとして実施されている今回のアイオワ大会は、昨年と同じくダブルヘッダーでの開催となり、250周のレース2は現地時間12時15分にスタートが切られた。
気温31度、路面45度というコンディションで迎えたスタートでは、ポールポジションのスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)にアレックス・パロウとスコット・ディクソンというチップ・ガナッシ・レーシングの2台が続き、各車クリーンな蹴り出しとなった。
序盤は落ち着いた展開が続き、先頭のマクラフランから8番手のグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)までスタートから変動なく1秒以内の間隔を保って周回を重ねる。
96周目、ピットへ先に向かったのは先頭のマクラフランと4番手のコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)。次周にはディクソン、さらにその次の周にはパロウ、パト・オワード(アロウ・マクラーレン)という上位勢が次々とピットへ向かう。
102周目、上位集団が作業を終えたタイミングでアグスティン・カナピノ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)が単独スピンクラッシュを喫し、1度目のフルコース・コーションが導入された。
最初のピットストップを終えて首位に立ったのは、2周遅めのピットインを選択したパロウだ。2番手には、コーションぎりぎりの106周目までピットインを引っ張ったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が22番手から急浮上し、3番手にはポールシッターのマクラフランが続く。
レースは114周目にリスタート。パロウを先頭に各車クリーンな距離感でペースを上げていく。2番手に急浮上したパワーは0.3~0.4秒差をキープしながら、追う姿勢を緩めずに周回を重ねる。
以降はふたたび上位が均衡状態となり、197周目になると3番手のマクラフランが先に2度目のピットインを選択。その2周後に首位パロウが続き、これを見たパワーはインラップのプッシュをかけて最後にピットへ向かった。
注目が集まった首位争いはパワーが見事パロウの前でコースに復帰し、アウトラップでもポジションを堅守してラストスティントへ突入する。2番手パロウは0.3秒差、3番手マクラフランとは2.5秒弱の間隔だ。
終盤はバックマーカーとの絡みも増えるなか、その追い抜きをうまくこなすパワーがパロウとの差をコントロールしていく。レース最終周には後方で接触によるクラッシュも起きたなか、パワーとパロウは0.3915秒差でトップチェッカーを受けた。
22番手グリッドからスタートしたパワーは、21ポジションアップの大逆転で第7戦ロード・アメリカ以来の今季2勝目。僚友マクラフランが制したレース1に続いて、チーム・ペンスキーのドライバーがダブルヘッダーの両レースを制した。2位にはポイントリーダーのパロウが続き、3位はマクラフランが3戦連続の表彰台を獲得している。
2024年インディカーの次戦は、7月19日から21日にかけてカナダ・トロントの市街地で開催される『オンタリオ・ホンダ・ディーラーズ・インディ・トロント』だ。昨年のトロント大会はクラッシュも多い荒れた展開となったが、今季最後のストリートレースはどのような戦いが繰り広げられるだろうか。
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