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「三菱」vs「ヒョンデ」の日韓バトルが勃発! 海の向こうでガチな闘いが繰り広げられていた

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「三菱」vs「ヒョンデ」の日韓バトルが勃発! 海の向こうでガチな闘いが繰り広げられていた

 この記事をまとめると

■インドネシアでは三菱とヒョンデがガチンコの販売競争を展開している

「ペーパークラフト?」と思いきや立派な実車! 「タマラウ」と「キジャン」がトヨタ車とは思えない衝撃の姿だった

■お互いの売れ筋車種に対して直接的なライバル車を開発して投入している

■かつてのインドネシアでは三菱が圧倒的支持を得ていたが最近ではBEVに強いヒョンデが台頭

 ASEAN地域における三菱のドル箱にヒョンデが噛み付いた

 ここのところ、インドネシアの新車販売事情で特筆すべきトピックは、“三菱自動車vs韓国ヒョンデ自動車”のガチンコ対決だろう。

 三菱自動車は2017年に開催された「GIIAS(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2017)」において、コンパクトサイズながら3列シートを持つMPV(多目的車)となるエクスパンダーを公開、同年インドネシアでの販売を開始すると、以降タイ、ベトナム、マレーシアなどASEAN(東南アジア諸国連合)各国でも発売を続け、いずれの市場でも大ヒット。三菱自動車のASEAN市場におけるドル箱の1台となっている。

 すると、2022年に開催された「GIIAS2022」において、韓国ヒョンデ自動車は、エクスパンダーと同カテゴリー車となるコンパクトMPVのスターゲイザーを公開。インドネシアのヒョンデ現地工場で生産して同年インドネシアで発売、さらに立て続けにベトナム、フィリピン、タイなどでも発売されている。

 2023年8月に「GIIAS2023」の取材のためにインドネシアの首都ジャカルタとその近郊を訪れると、エクスパンダーとスターゲイザーの両車とも互角と言えるほど街なかで多く見かけることができた。つまり、“ガチンコ”で販売競争を展開していたのである。

 エクスパンダーをベースにクロスオーバーSUV風に仕立てたエクスパンダークロスは2019年11月に発表され、インドネシアでも発表翌日より発売されている。

 その後、2020年にベトナム、2022年にタイでも発売され、2022年には「GIIAS2022」で改良新型が初公開されている。

 三菱自動車の牙城を狙うヒョンデはいち早くBEVも導入

 そして、「GIIAS2023(今年開催のGIIAS)」に会場において、ヒョンデはスターゲイザーをクロスオーバーSUV風にした派生モデル、つまりエクスパンダークロスのライバルとしてスターゲイザーXを発表した。

 三菱も黙っていない、「GIIAS2023」において、新興国向けコンパクトクロスオーバーとなるエクスフォースを世界初公開した。エクスフォースはヒョンデの新興国向けコンパクトクロスオーバーSUVとなるクレタを強く意識したモデルとされている。

 クレタ自体はすでに2代目となっており、初代は2014年に中国でデビューしている。インドネシアでは現地工場生産モデルが2023年3月より発売となっているが、今年8月にジャカルタ及び近郊を訪れると、かなり目にするほどの大ヒットとなっている。インドなどでも多く見かけるヒットモデルなので、三菱が強く意識してエクスフォースを投入したと言われても違和感はない。

 また、これまで新興国では小型車のラインアップが多かったヒョンデであるが、直接キャラがぶつかるとまでは言えないが、インドネシアでは三菱パジェロスポーツ、トヨタ・フォーチュナー(タイではさらにいすゞMU-X)といった大型SUVのライバルと言えるパリセードを発売しており、こちらも好調に売れているように見えた。大型の高額車両がそこそこ売れるということは、ある意味でヒョンデのブランドステイタスが上がってきているともいえるだろう。

 つまり、三菱とヒョンデは、ASEAN市場での売れ筋モデルにおいて、お互いガチンコとなるモデルを持っているのである。

 さらに「GIIAS2023」の会場でも、展示棟の真ん中のコンコースを隔てて向き合うように展示ブースが並ぶレイアウトとなっていた。さらに、ヒョンデブースに置かれる展示車はすべて三菱ブースを向いていた。

 “どっちが……”というのについては、比較的いままでインドネシアでは存在感の薄かったヒョンデが一気に三菱へ勝負を挑んでいるように見える。トヨタほど車種ラインアップ自体はバラエティに富んでいるわけではないが、ASEANで勢いのある日系ブランドということで、ヒョンデはターゲットとしてロックオンしているのかもしれない。

 ヒョンデがここまで本気になった背景には、まずインドネシアにおける現地工場の本格稼働があるだろう。2022年に本格稼働しており、ICE(内燃機関)車だけでなくBEV(バッテリー電気自動車)となるアイオニック5の現地生産も行っており、こちらもジャカルタとその近郊では勢いよく売れている。

 現地生産だけなら日系メーカーだってすでに長年行っているが、インドネシア政府も熱心に取り組んでいるNEV(新エネルギー車)まで生産してしまうところは、日本メーカーとは大きくことなる点。ヒョンデ車全体が好調に売れているのも、首都ジャカルタとその周辺と言う局地的現象ともいえるが、やはり「BEVを自国で生産し販売しているメーカー」というのは、消費者から見れば先進性やインドネシアに対する熱意というものを感じ、ICE車の購入検討であっても、「ではヒョンデ車にしてみようか」と背中を押すきっかけになっているようにも見える。

 ガチンコ勝負の場合は、挑戦者は攻めるばかりなので有利ともいわれている。これを当てはめればヒョンデが有利に勝負を運びそうだが、エクスフォースで意地を見せたように、三菱の反撃もけっして侮れないとも言える。来年の「GIIAS2024」ではどのような動きを見せるか非常に楽しみである。

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みんなのコメント

18件
  • 仮にも技術も無く誰も助けてくれなかった当時の現代を情けで助けてくれた三菱に対して、典型的な「恩を仇で返す」形ですな。
  • ヒュンダイですか?日本で欲しいとは言う人に反対するつもりは無い。欲しい人は買えば良い。私は欲しいとは思わない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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