エクステリアもインテリアも細部に渡り質感を高めた
マツダCX-5は、現在マツダが展開しているスカイアクティブ・テクノロージーをフル搭載した最初のモデルとして2012年に登場。それ以来好調な販売を続け、2014年に大幅なマイナーチェンジを受け、これまでに世界120か国で150万台弱を販売。マツダの基幹モデルとしての地位も獲得している。
そのCX-5がついに2代目へとモデルチェンジした。パッと見はモデルチェンジがわかりにくいが、3サイズは、全長4545×全幅1840×全高1690mmと全長で5mm長く、全高で15mm低くなっている。外観は前後トレッドを10mm拡大してボディ全体が地面をつかんでいるプロポーションを表現。またAピラーをリア側に35mm後退させている。
そのデザインは「REFINED TOUGHNESS(洗練された力強さ)」をキーワードに「成熟した骨格」、「品格あるフォルム」、「仕立ての良い質感」を軸に作りこまれている。
フロントフェイスは、メッシュグリルが立体的な造形となり、グリルをまわるシグネチャーウイングはヘッドライトの下側まで伸ばして拡がりを強調。これまでよりも彫りの深い精悍なイメージとなった。
その精悍さを際立たせているのが、目。ヘッドライトの天地幅が80mmもカットされ、細い目つきになった。さらにリヤのライト類も、2レイヤーモールデッド・アウター・レンズを採用し、バックランプもLED化されている。
そして、ボディカラーも、映り込みと造形が際立つ究極の赤「ソウルレッドクリスタルメタリック」を採用。これまでのソウルレッドプレミアムメタリックよりも彩度2割、深み5割増しでより瑞々しくつややかな透明感を実現している。
ほかにはマシーングレイプレミアムメタリック、エターナルブルーマイカ、ジェットブラックマイカ、スノーフレイクホワイトパールマイカ、ソニックシルバーメタリック、チタニウムフラッシュマイカ、ディープクリスタルブルーマイカの8色をラインアップする。
内装はワイドな広がりと仕立ての良さが進化ポイント。ステアリングの軸を中心に水平に要素をレイアウトしたドライバーを中心としたシンメトリーな空間となっている。センターコンソールは高さを持たせ安心感を表現した。
インパネにはウッドと金属の融合という素材表現も用いていたり、インパネ・ドアトリムなどに滑らかな手触りの素材を採用していたり、インテリア全体のパーティングの好きや段差をなくすなど細かなところにまで徹底して質感向上を実現している。
さらに前後シートには新開発の高減衰ウレタンを採用。不快な振動を低減し、上質感のある乗り心地となっているという。また、リヤシートにもリクライニング機構とシートヒーター、さらにUSBポートを配置している。
インテリアカラーも、ピュアホワイトレザー、ブラックレザー、ファブリックの内装色を用意。バックドアはパワーリフトゲートを採用。荷室容量については、リヤシートのリクライニング機構により先代よりも若干少なくなった。
カタログ燃費は落としても実燃費を追求
マツダの児玉眞也主査は「ドライバーだけでなく、そのクルマに乗る人すべてが走る歓びを感じることができる」ことを目指したという。その走りは「人間中心」がテーマ。アクセルの踏み込みに対し、よりリニアな走りを実現。
これまで目指してきたリニア性、コントロール性、そして応答性を、より人間特性に合わせるため、予見性のあるG特性を持たせた「Gベクタリングコントロール」を装備する。クルマがエンジンのトルク変動を自動で行い荷重変化を起こすこのシステムは、遅れを感じない初動により操作と挙動が一致し、修正操作が不要で自然(無意識)に踏めるという特性を実現している。
さらに走りの質感が向上し、より運転がうまくなったという実感が湧く上に、疲労軽減や燃費向上という可能性もあるという。
エンジンラインアップは、2.2リッターディーゼルのSKYACTIV-D 2.2、2リッターガソリンのSKYACTIV-G 2.0に加え、2013年9月に追加された2.5リッターガソリンのSKYACTIV-G 2.5という3機種は変わらず。これをアテンザでも投入したように最新のアップデートを行なっている、という。
SH-VPTS型2.2リッターディーゼルターボ(129kW/420N・m)は、過給圧制御を最適化するDE精密過給制御やナチュラル・サウンド・スムーザー、ナチュラル・サウンド・周波数コントロールの3つの技術を搭載することでさらなる静粛性を確保。
PE-VPS型2リッターガソリン(155kW/196N・m)、PY-VPS型2.5リッターガソリン(135~140kW/245~251N・m)の2機種には圧縮比13.0を採用。2.5リッターでは上下非対称形状を採用し、機械抵抗を低減した。
新世代AWDシステムであるi-ACTIV AWDは、パワーテイクオフとリヤディファレンシャルユニットの軸受け部をすべてボールベアリング化。さらに部位によってはボールベアリングを2列にしたタンデムボールベアリングを採用し、約30%の抵抗低減を実現している。
静粛性については、音の発生源を抑え込み、音の侵入経路の遮断、そして吸音と、あらゆる手を使って静粛性を高めている。車両重量は全モデルで40~50kgほど増加しているが、その大半は、静粛性向上のために使われているというほど。
また、昨今の燃費問題を受け、「数値ではなく実燃費を取りに行こう」という方針となり、実用域での燃費を重要視した。そのため、JC08モード燃費は、ディーゼルが先代比で18.4km/L→18.0km/L(FF)、18.0 km/L→17.2~17.6 km/L(4WD)、2リッターガソリンが16.4km/L→16.0km/L(FF)へ、2.5リッターガソリンが15.2km/L→14.8km/L(FF)、14.6 km/L→14.6km/L(4WD)と若干カタログ数値的には落ちている。
この新型CX-5は予約をスタートさせているが、発売は2017年の2月となる。価格は20S(2リッターガソリンエンジンのFFモデル)の246.24万円から、XD Lパッケージ(2.2リッターディーゼル4WDモデル)の352.62万円となる。ちなみにグレード展開はこれまでと変わらない。
プロトタイプ先行展示イベントを全国各地で行なう予定。その際は、新型CX-5だけでなくロードスターRFも同時に展示されるということだ。
(文・写真:青山義明)
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