■市販化はある?ない?三菱がPHEVの3列SUVコンセプトを初公開
三菱は、スイスのジュネーブで開催されているモーターショーでコンセプトカー「エンゲルベルグ ツアラー」を世界初公開しました。「エンゲルベルグ」とは、スイスの中央の山間部にあり、自然で人の手が入っていない地形で滑走するスタイルのスキーを楽しめるスキーリゾートがある村の名前です。地名を車名に用いた「エンゲルベルグ ツアラー」とは、いったいどんなクルマなのでしょうか?
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コンセプトカー「エンゲルベルグ ツアラー」のスクエアで力強いデザインからは「パジェロ」を連想することもできます。ただし、プレスリリースには「次世代クロスオーバーSUVの最上級モデル」という表現があるので、“クロスオーバー”ではない「パジェロ」とは直接の結びつきがないと考えるのが自然といえるでしょう。
パッケージングはツインモーターのプラグインハイブリッドシステムを組み込んだ3列シーターのSUV。つまりは現行車種でいうと「アウトランダー」に相当します。
ただし、現在販売している「アウトランダー」で3列シートを用意しているのはガソリン車のみ。「アウトランダーPHEV」には3列シート車は存在しませんから、次期モデルでは「アウトランダーPHEV」にも3列モデルが用意されることを示唆しているのかもしれません。
そんな疑問を現地で開発関係者に尋ねてみたところ、返ってきた答えは「あくまでコンセプトカーなので、市販車に直接結びつくわけではありません」というもの。
しかし一方で「このクルマのデザインのなかには、部分的にですが今後の三菱の市販車に活かされるところもあります」と教えてくれました。
たとえばヘッドライトが車幅いっぱいに張り出して堂々とした風格を与えるフロントの造形や、金属を削りだしたようにソリッドな窪みを入れた立体的なドアパネル、またテールゲートのシャープさなどが市販車に織り込まれていくそうです。
また、今後はテールランプの光り方なども三菱として共通のモチーフにする予定とのことでした。この「エンゲルベルグ ツアラー」は、全体というよりも細部のデザインに注目するといいかもしれません。
■大幅にリフレッシュした「RVR」の2020年モデルも登場
ところで、ジュネーブモーターショーの三菱ブースには、注目のモデルがもう1台ありました。それが「ASX」です。
「ASX」という車名は、日本人には耳馴染みがないかもしれません。しかし、日本名「RVR」といえば理解できるでしょう。
その「ASX」が2020年モデルとして大幅にリフレッシュし、最新の三菱のデザインテイストを用いたフロントデザインになったのです。そして、筆者(自動車ライター工藤貴宏)は実車を見て素直に「似合っている」と感じました。
2010年に発売した「ASX」「RVR」は、世界約90か国で販売されているグローバルモデルで、その累計販売台数は約132万台。デビューから9年がたつものの、昨今の三菱自動車では「アウトランダー」や「トライトン」に続いて3番目に販売台数を誇る人気モデルで、その人気を保つべくデザインが大幅リファインされたというわけです。
実は、「ASX」「RVR」のフロントデザインが大幅に変更されるのはこれで2回目になります。しかも、前回の大改良からわずか2年しかたっていないのだから驚きです。
気になるのは、日本仕様の「RVR」もこのデザインに変更されるのかということ。関係者に尋ねてみたところ「年内には正式に案内できると思います」とのことでした。
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