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【試乗】新型ルノー キャプチャーは、1340kgによる軽快感と硬くないサスペンションの絶妙バランス

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【試乗】新型ルノー キャプチャーは、1340kgによる軽快感と硬くないサスペンションの絶妙バランス

欧州で人気ナンバーワンのコンパクトSUV=キャプチャーがいよいよ国内発売。早速、横浜の街に連れ出してみた。乗って良し、眺めて良し。ルーテシアに続くルノーの新世代BセグメントSUVは、所有することに心ときめくこと間違いなしだった。思い切った価格設定にも食指が動く。

フレンチコンパクトらしい洗練に磨きをかけた新型キャプチャー
待望の2代目が目の前にいる。一応、Bセグメントにポジショニングされるらしいが、私にはCセグメントにしか見えない。それくらい堂々としていて、しかも華やかだ。

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曲線と局面で構成されたエクステリアはややもするとボテッと見えてしまいがちだが、キャプチャーはアスリートの滑らかな筋肉を連想させる曲線と曲面で構成されている。躍動感にあふれ、ときに優雅にも見えるのだ。とどめがアンダーボディとキャッビンを貫くクロームトリム。キャビン部とボディに明確な視点の切り替えを組み込むことで、都会的なシルエットに昇華させている。

この巧妙なボディワークが、先行して国内デビューしたルーテシアよりもひと回り以上大きく、ダイナミックに見せている。とは言っても、それは威圧感とは程遠い、フレンチコンパクトらしい洗練されたもの。このデザインの巧みさに、まずは所有欲を刺激される。

もっとも、実際のボディサイズは全長4230mm、全幅1795mm、全高1590mm。先代キャプチャーより95mmも長くなり、幅は15mm、高さは25mm増えている。注目すべきはホイールベースで、新型は2640mmと先代比で35mm伸びている(つまりクラス最長だ)。冒頭での印象のとおり、限りなくCセグメントカーに近づいている。

ボディ外寸の拡大分は、そのまま室内スペースの拡大に充てられている。フロントシートの座面長は20mmも長くなり、より身体をしっかり支えてロングドライブでの疲労を軽減してくれるはずだ。また、リアシートの膝まわり(前席との間隔)も17mm増やされ、これもまたクラストップレベルの居住性を実現した。

さらに、前席のカップルディスタンスは15mm、リアシートも(センター部計測)40mm増やされるなど、ここでもCセグカーに匹敵する空間が与えられている。手に触れるところはすべてソフトパットに覆われていて質感も高く、もはやBセグと呼ぶのが憚られるほど上質で居住性に優れたインテリアである。これならダウンサイザーからも不満は出ないはずだ。

新開発CMF-Bプラットフォームとパワーアップした1.3L 直4ターボエンジン
この絶妙なパッケージングを実現したのが、ルノー・日産・三菱アライアンスから誕生したCMF-Bプラットフォームである。ルノーでは新型ルーテシアから、日産では欧州の新型ジューク、そして先ごろ日本でも発売された新型ノートに採用された新世代のアーキテクチャーだ。もっとも開発を主導したのはルノーであり、もちろんキャプチャーに採用するにあたっても勝手知ったるルノーならではのノウハウが注入されているに違いないとは思うが・・・。

搭載されるエンジンは、フランス本国でTCe155、日本でH5H型と呼ばれる1.3L 直4 DOHCターボ。最高出力154ps、最大トルクは270Nmだ。そもそもこのエンジンの開発にはダイムラーも関わっており、現行のメルセデス・ベンツ Aクラスにも同じDNAを持つエンジンが搭載されている。

新型ルーテシアにも同型式のエンジンが搭載されているが、キャプチャーに搭載するにあたり、最高出力+23ps、最大トルク+30Nmの出力アップが図られて重量増に対応ている。結果的にトルクウエイトレシオは4.9となり、BセグメントはもちろんCセグメントを含めてもトップクラスとなった。

これに組み合わされているトランスミッションは、電子制御の7速デュアルクラッチ(EDC)。こちらは基本的にルーテシアに搭載されたものを踏襲しているようだ。

グレード構成は、ベーシックなインテンスと、それにレザーシート/レーンセンタリングアシスト(車線中央維持支援)/運転席電動シート/スマートフォンワイヤレスチャージャーが標準装備されたインテンスとハイテックのふたつ。あとの装備は全車共通で、本革巻きのステアリングホイールや18インチアロイホイール、そしてアダプティブクルーズコントロールやアクティブエマージェンシーブレーキほか、安全装備などが標準装備されている。

速度や路面を選ばず上質な乗り心地。スポーティな走りも楽しめそう
さて能書きはこのあたりにして、クルマに乗り込んでみる。

ややっ! これは予想以上に開放感がある。日常のアシにCセグメントカーを愛用しているが、感覚的にはそれとほとんど変わりがない。空中に浮かんでいるようなフライングセンターコンソールのおかげでシフトレバーの位置がドライバーに近くて操作性も良好。視点の高さはSUVらしいのだが、ドラポジは乗用車に近い不思議な感覚だ。しかもボディ四隅の車両感覚が掴みやすく、小柄な女性でも車庫入れや縦列駐車で苦労せずにすむだろう。ユニークな形状の薄型ヘッドレストもその一助になっている。

走り始めてすぐに気づくのが、予想以上に良好な乗り心地である。215/55R15という大径扁平タイヤを履くだけにバタバタとした乗り味を予想していたが、そんな心配は杞憂に終わった。しかも、フロアからの微振動がほとんどない。プラットフォームを共用(厳密にはまったく同じわけではない)する新型ノートでも感じたことだが、CMF-Bはかなり素性が良さそうだ。それを上手く手なずけているルノーのエンジニアの腕はさすがである。

直進性にも申し分なく、路面の轍や継ぎ目も絶妙にいなしてくれ、Cセグメントはもちろんさらにその上のクラスに乗っているかのようだ。ロールの進行もあくまで穏やかで、転舵スピード/量と車体の動きが見事に連携している。

エンジンとのマッチングもなかなか。街中では余裕のあるトルクを生かしてスムーズな走りが味わえるし、高速の合流では意外やスポーティな加速も味わえる。とくにスポーツモードにセット(エンジンの特性、変速特性、ステアリングのアシスト力と連動)した時のエンジン回転は文字通りスポーティで、これでワインディング路を走ったらさぞかし楽しかろう。

シートの出来も絶妙だ。座面長が15mm伸ばされた新デザインのフロントシートは、国産車のようにフカフカではなく、かといってドイツ車のようにパツンパツンでもなく、路面を選ばずにドライバーの身体をサポートしてくれる。良好路面ばかりではない日本の道路事情でクルマ好きを満足させる絶妙な硬さと形状である。このあたりにもフランス車の底力を感じさせる。

また操作系にデジタルとアナログを使い分けているのも、オジサン世代にはありがたい。近年、なんでもかんでもディスプレイにまとめてしまう傾向が顕著だが、運転中に操作することも多い機能は伝統的なアナログのダイヤルを採用しているところに好感が持てる。

さて、主要装備においてほとんど差がないインテンスと同ハイテック、どちらを選ぶか。その価格差は20万円だが、私ならハイテックを選ぶ。ダウンサイザー目線で選ぶならば、上級車からの乗り換えでもなんら遜色を感じさせないハイテックに、より食指を動かされるのだ。(文:Motor Magazine編集部:阪本透/写真:井上雅行)

ルノー キャプチャー インテンス テックパック 主要諸元
●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm
●ホイールベース:2640mm
●重量:1310kg
●パワーユニット種類:直4 DOHC16バルブ+ターボ
●排気量:1333cc
●エンジン最高出力:154ps/5500rpm
●エンジン最大トルク:270Nm/1800rpm
●トランスミッション:7速DCT
●WLTCモード燃費:17.0km/L
●タイヤサイズ:215/55R18
●車両価格:319万円

[ アルバム : 新型ルノー キャプチャー インテンス テックパック はオリジナルサイトでご覧ください ]

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