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【時代遅れか、集大成か】ジャガーFペイスSVR試乗 5L V8もたらす「旬」の走り

掲載 更新 10
【時代遅れか、集大成か】ジャガーFペイスSVR試乗 5L V8もたらす「旬」の走り

V8 時代遅れか、集大成か?

執筆:Takuo Yoshida(吉田拓生)

【画像】限りあるV8エンジンの命【ジャガーFペイスとFタイプを見る】 全94枚

撮影:Takamasa Miyakoshi(宮越孝政)

編集:Taro Ueno(上野太朗)

最近は純粋な内燃機搭載車に乗ると、「あぁ、これが本当に最後なのだろうか?」といったセンチメンタルな感情が入り混じる。

だからといって、ココ日本に住んでいたら、「次の愛車は脱ガソリン!」なんて宣言はとてもできそうにない。

そもそもEVがメジャーになるほどのインフラがどう考えたって整ってはいないし、もしあなたが昭和の生まれのクルマ好きであるならば、まだしばらくの間はこれまで以上に内燃機関の存在を意識しながら楽しみたいという思いがあるはず。

何しろ、今エンジンはいい時代を迎えている。なにしろ次がない。

つまり、これ以上なく熟成された集大成のようなモデルがずらりと揃っているという見方もできるのである。

話がまわりくどくなってしまったのだが、ジャガーFペイスSVRのステアリングに乗り首都高速を流している最中、ふとこれこそ1つの集大成ではないか? という結論めいたことをひらめいたのである。

ジャガー初のSUVであるFペイス。その最強モデルであるSVRは2019年に本邦デビューしている。

今回試乗したのは内外装に手が加えられた2021年モデルだ。

以前試乗した場所はサーキットで、ストレスなく思い切り走れることに驚かされた。

とはいえ、それをもってFペイスSVRというクルマの立ち位置をすっきりと理解できたわけではない。

運動性能抜群のSUVに、打ち上げ花火以上の商品性があるのだろうか?

ハード的な煮詰めは「究極」

内燃機のトレンドは4気筒ターボに代表されるダウンサイジングを経て、現在は何らかの「電動」を盛り込んだものが主流だ。

そんな時代にあって、FペイスSVRのパワーユニットは大胆だ。

5L V8スーパーチャージドで最高出力は550ps。たとえ高速道路でも性能のほとんどは使えないだろう。

それでも追い越しやレーンチェンジの際、躊躇なく驚くほど速やかに完遂できるのはSVRならでは。

狭い山道でも狙ったラインを鋭くトレースできる。2.1t超えとしては驚異的だ。

これが4気筒ターボなら、スロットルの踏み込みでギアが落ち、エンジンが唸り、ターボの過給が追い付いてようやく加速に移る。

ところがSVRのそれは、電気モーターにない迫力と音を伴いながら、電気モーターのように直接的に期待以上の加速Gを叩き出す。

一方、SVR専用のアシは前後方向のピッチングこそ少し許容するが、横方向はしっかりと抑えが効いている印象で、フラットな動きに終始する。

それでいて、普通のペースで走れば乗り心地も悪くない。ハード的な煮詰めは、やはり究極といえるレベルにある。

まだまだガソリン車に未来があると思われていた10年ほど前の感覚なら、これは発展途上の1台としてスルーされてもおかしくない。

けれどイギリスの新車生産期限が10年を切った今は事情が異なる。

純粋な内燃機関にこだわるのであれば、あえてFペイス最強のSVRをチョイスするのはありだと感じた。

「SVR」10年切った今が旬

今回の試乗車は内外装の色にもかなり凝っている。

カメラマン泣かせの「艶消しブリティッシュレーシンググリーン」は沈んだ色のようにみえて実際はグイグイと迫ってくる、そんなインパクトがある。

インテリアも白黒2トーン(ライトオイスター/エボニー)のセミアニリンレザー・シートがオプション装着されるなど、最強モデルに相応しい突き抜け方をしている。

モデル半ばのマイナーチェンジ的変更を受けた2021年モデルではバンパーやLEDランプ類をはじめとするスタイリング全般に手が入れられている。

だが最も印象的だったのはセンターコンソール周辺の意匠変更だ。

すぐにわかるのはシフトレバーがジャガー独自のダイヤル式から、今どきの高性能車らしい背の低いレバータイプに変更されたこと。

そしてインフォテインメントのモニターが11.4インチに大型化された点だ。以前のモニターは、横幅はそれなりだが天地が低かった。

最新のインフォテイメントシステム「PiVi pro」を操る今回のモニターは少しカーブすることでコンソールのデザインに馴染んでいる。

日本に導入されているFペイスの2021年モデルのエンジンは3種類。

2Lのガソリンとディーゼル、そしてSVR専用のV8である。

もちろん実用車としての性能は2Lディーゼルのベーシックモデルでも充分といえる。

けれど今というタイミングで選ぶ新車は、決定的なものであるべき。

デビューから少し時間は経っているが、FペイスSVRの旬は今だ。

ジャガーFペイスSVRのスペック

価格:1350万円
全長:4755mm
全幅:1960mm
全高:1670mm
ホイールベース:2875mm
車両重量:2110kg
パワートレイン:V型8気筒4999ccスーパーチャージャー
最高出力:550ps/6500rpm
最大トルク:71.4kg-m/3500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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