現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ブレーキダストの軽減、燃費向上も 排ガス規制「ユーロ7」に向けたブレーキ技術の進歩

ここから本文です

ブレーキダストの軽減、燃費向上も 排ガス規制「ユーロ7」に向けたブレーキ技術の進歩

掲載 15
ブレーキダストの軽減、燃費向上も 排ガス規制「ユーロ7」に向けたブレーキ技術の進歩

厳しい環境規制に対応 鍵は「残留トルク」

2025年7月に欧州で施行される排出ガス規制「ユーロ7」は、これまでで最も厳しいものであると同時に、その適用範囲は通常のマフラーからの排出ガスにとどまらず、EVも含まれている。

【画像】回生ブレーキによりブレーキダストもさらに低減?【ポルシェやメルセデスAMGの高性能EVを写真で見る】 全65枚

世界で初めて、自動車、小型商用車、トラック、バスは、ブレーキとタイヤから排出される粒子状物質の規制を受けることになる。ブレーキの場合は、ブレーキから発生する微粒子(ブレーキダスト)、タイヤの場合は、タイヤの摩耗に伴うマイクロプラスチックの発生がこれにあたる。

今のところ、タイヤメーカーがどのようにマイクロプラスチックを削減しようとしているのかは不明だが、摩耗速度を遅くすることで一定の効果が見られ、他の利点もある。しかし、ブレーキに関しては、部品メーカーがすでに先手を打ち、まったく新しい技術をいくつも導入しているのだ。

その一例が、2022年末に発表された新しい排出ガス規制案を受けて、コンチネンタルが発表した「グリーンキャリパー」である。このグリーンキャリパーには2つの利点がある。

1つはブレーキダストを低減すること、もう1つはエネルギー消費を抑えて航続距離を伸ばすことだ。鍵となるのは残留ブレーキトルクの低減である。通常、油圧ブレーキキャリパーは、ブレーキが解除された後も、パッドがディスクの上でわずかに引きずってしまう。これをブレーキの残留トルクなどと呼ぶ。

グリーンキャリパーでは、パッドとディスクの間の残留ブレーキトルクが0.027kg-m以下と低く、実質的にロスがないと言える。コンチネンタルのブレーキバイワイヤシステム「MK C2」と併用され、残留トルクの低減に必要なパッドとディスクの間のクリアランスを考慮しているため、ドライバーはブレーキペダルの緩みや感触不足を感じることはないという。

EVのブレーキには、回生ブレーキと従来のファウンデーションブレーキ(摩擦ブレーキ)の2種類がある。コンチネンタルによれば、グリーンキャリパーは減速の80%以上でファンデーションブレーキが不要であることを考慮し、特別に設計されているとのこと。

急停止の際には制動力を発揮するが、ブレーキの熱負荷がはるかに低いため、従来のクルマのように大きな仕事をすることはないのだ。

その結果、キャリパーはコンパクトになり、パッドも摩耗が少ない分、小型・薄型化された。ディスクの上部をまたぐ部分も薄くなった分、ディスクの直径を大きくすることができ、同じ踏力で大きな制動力を得られるようになった。

全体的に、従来のブレーキシステムより1組あたり5kg軽量化されていると言われ、これによって航続距離が伸び、またバネ下重量が軽減されることでハンドリングの向上も期待できる。

グリーンキャリパーが発表されたのは2022年だが、2~3年後には車両に搭載できるようになるとされていた。

こんな記事も読まれています

【オフロードでは不思議体験!】メルセデス・ベンツ伝統のGクラスにEVはアリ?
【オフロードでは不思議体験!】メルセデス・ベンツ伝統のGクラスにEVはアリ?
AUTOCAR JAPAN
キャデラック、F1参戦を表明…2026年から
キャデラック、F1参戦を表明…2026年から
レスポンス
ヨシムラがマグカップの受注をスタート!
ヨシムラがマグカップの受注をスタート!
バイクブロス
ポルシェ『911 GT3 RS』に新「マンタイキット」…285km/hで1000kg以上のダウンフォース
ポルシェ『911 GT3 RS』に新「マンタイキット」…285km/hで1000kg以上のダウンフォース
レスポンス
スズキ新型「ジムニー“5ドア”」発表! 待望の「ロングボディ」は超豪華“メッキグリル”採用で差別化! 右ハンドル仕様の「本格SUV」はタフな“白サイ”モチーフで登場! 特別仕様車「ホワイト・ライノ」尼国発売!
スズキ新型「ジムニー“5ドア”」発表! 待望の「ロングボディ」は超豪華“メッキグリル”採用で差別化! 右ハンドル仕様の「本格SUV」はタフな“白サイ”モチーフで登場! 特別仕様車「ホワイト・ライノ」尼国発売!
くるまのニュース
「軽なんですか?」 ド迫力フェイスの“タフ”ワゴン発見!? 「謎のブラーバ・イオ」のハスラーとは
「軽なんですか?」 ド迫力フェイスの“タフ”ワゴン発見!? 「謎のブラーバ・イオ」のハスラーとは
くるまのニュース
アウトドアで安全な水の確保を!Greeshowの携帯浄水器がブラックフライデーで特別価格に
アウトドアで安全な水の確保を!Greeshowの携帯浄水器がブラックフライデーで特別価格に
バイクブロス
70年以上前のアルファロメオ、中国初開催の「ミッレミリア」制覇…4日間で約1000km走破
70年以上前のアルファロメオ、中国初開催の「ミッレミリア」制覇…4日間で約1000km走破
レスポンス
真紅と純白のコスから垣間見える美ボディに釘付け……!!! 天野ちよ from TEAMマッハ マッハ車検アンバサダー
真紅と純白のコスから垣間見える美ボディに釘付け……!!! 天野ちよ from TEAMマッハ マッハ車検アンバサダー
ベストカーWeb
ベントレーとブガッティがドバイで激突!? 同じ日に家具ショップをオープン!…「ベントレーホーム」の見どころは最新「ホームオフィスシリーズ」
ベントレーとブガッティがドバイで激突!? 同じ日に家具ショップをオープン!…「ベントレーホーム」の見どころは最新「ホームオフィスシリーズ」
Auto Messe Web
フォルクスワーゲン 新型「パサート」を販売開始。9世代目はワゴンボディ専用モデルに
フォルクスワーゲン 新型「パサート」を販売開始。9世代目はワゴンボディ専用モデルに
Webモーターマガジン
車の「“E”ナンバー」一体何者? 「見れたら超ラッキー!」なすごいナンバーが存在! 「Y」や「わ」でもない「めちゃ珍しい標板」の正体は
車の「“E”ナンバー」一体何者? 「見れたら超ラッキー!」なすごいナンバーが存在! 「Y」や「わ」でもない「めちゃ珍しい標板」の正体は
くるまのニュース
型落ちマシンで超アンビリーバボーな走り!!! 最新マシンを食う激走に海外勢も「ドン引き」レベル?? 総合9位の新井大輝選手がスゴすぎる
型落ちマシンで超アンビリーバボーな走り!!! 最新マシンを食う激走に海外勢も「ドン引き」レベル?? 総合9位の新井大輝選手がスゴすぎる
ベストカーWeb
ポッシュフェイスのアルミ削り出しドレスアップパーツに新色「ピンク」が登場!
ポッシュフェイスのアルミ削り出しドレスアップパーツに新色「ピンク」が登場!
バイクブロス
“日産の復活”象徴する「和製スーパーカー」! 最強マシン「GT-R」の試作モデルが凄い! 伝統の「丸目4灯テール」継承した超パワフルな“プロトタイプ”に注目!
“日産の復活”象徴する「和製スーパーカー」! 最強マシン「GT-R」の試作モデルが凄い! 伝統の「丸目4灯テール」継承した超パワフルな“プロトタイプ”に注目!
くるまのニュース
マツダSKYACTIV-Z、「相反する燃焼技術」をどう両立させるのか? 2027年登場に向けて大胆予測する
マツダSKYACTIV-Z、「相反する燃焼技術」をどう両立させるのか? 2027年登場に向けて大胆予測する
Merkmal
レトロデザインがカッコいい! 人気の単気筒バイク ホンダ「GB350」シリーズに新色が登場 販売店での反響とは
レトロデザインがカッコいい! 人気の単気筒バイク ホンダ「GB350」シリーズに新色が登場 販売店での反響とは
VAGUE
[スイフト]と[ヤリス]は全員[オススメ]!! コスパ最高の両車の微妙な差とは
[スイフト]と[ヤリス]は全員[オススメ]!! コスパ最高の両車の微妙な差とは
ベストカーWeb

みんなのコメント

15件
  • MT車のクラッチ板もダメになるね!
  • まあ、今の車はブレーキもセンサー感知だからねぇブレーキペダルで直接圧を加えてる訳じゃないから違和感を感じる方がおかしい。

    でもさ、回生ブレーキと併用で制動能力が低くて良いと言うのは驚きだね。如何にも平地の多い地域の発想だね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村