現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 引退も検討していたニューウェイがアストンマーティンと長期契約。天才デザイナーを引き留めたF1の魅力と、妻の意見

ここから本文です

引退も検討していたニューウェイがアストンマーティンと長期契約。天才デザイナーを引き留めたF1の魅力と、妻の意見

掲載
引退も検討していたニューウェイがアストンマーティンと長期契約。天才デザイナーを引き留めたF1の魅力と、妻の意見

 アストンマーティンF1チームが天才F1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイとの契約を発表した記者会見において、新たにマネージングテクニカルパートナーに就任することが決まったニューウェイは、F1の世界で働き続けることを選んだ理由や経緯について語った。

 レッドブル・レーシングでチーフテクニカルオフィサーを務め、チームに大きな成功をもたらしたニューウェイだが、今年の5月1日、2025年の前半にレッドブルから離脱することが発表された。その後、複数のチームによって彼の争奪戦が繰り広げられた後、最終的にアストンマーティンが契約をまとめ、9月10日に正式な発表が行われた。

エイドリアン・ニューウェイ、アストンマーティンF1加入を正式発表。マネージングテクニカルパートナーに就任

 シルバーストンに位置するアストンマーティンの本拠で行われた記者会見において、ニューウェイは、今年のF1日本GPの週末に、レッドブルから離れることを決断したと語った。

「レッドブルで働くのをやめると決めた。それは4月の鈴鹿の週末でのことだ」とニューウェイは明かした。

 今年初め、クリスチャン・ホーナー代表が女性従業員に対して不適切な行為を行ったとの内部告発がなされた後、シーズン開始前にレッドブル社はホーナーを不問に付すことを決めた。しかしチーム内では緊張が高まり、権力争いも激化、それに嫌気が差したことがニューウェイ辞職の原因のひとつであるといわれている。

 日本GPでは、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスが予選でも決勝でもワンツーを達成。チームにとって最高の週末だったが、ニューウェイにレッドブルで働くことへの情熱を維持させるのに十分ではなかったようだ。

 レッドブルから離脱することを決めたものの、当時「次に何をするかについては全く分からなかった」とニューウェイは言う。

「頭の中を空っぽにして、状況を整理して、少し休みを楽しみたいと思っていただけだ。いつか、シャワーを浴びている時に、『これこそ進むべき方向だ』というひらめきが訪れることを期待していた」

 65歳のニューウェイは、記者会見の間ずっと、妻が今回の意思決定プロセスに大きく関わっていたと強調した。

「何をすべきかについての話し合いのなかで、マンディも大きな影響力を持っていた」とニューウェイは明かした。さらに、「彼女は、『彼が家にいる時間が長すぎると私はおかしくなってしまうかもしれない』と心配したのだと思う」と冗談も付け加えた。

 ニューウェイは引退も検討していたにもかかわらず、結局、アストンマーティンと長期契約を結び、フルタイムで働くことを決断した。その理由について彼は、こう説明している。

「6月下旬になって、こう思った。『モーターレーシングの世界にデザイナーとして関わることは、10歳くらいからの夢だった。それを実現できたのは本当に幸運だったじゃないか』とね。キャリアのすべての日を楽しんだというのは大げさにしても、90パーセント以上はとても楽しんで過ごしてきたんだ」

 45年近くモータースポーツに関わってきたニューウェイは、最初にこの世界に足を踏み入れたきっかけと、今でもこの世界で働きたいという意欲を感じる理由について、次のように語った。

「マシンのパフォーマンスを向上させるというチャレンジが今でも大好きだ。それが私の一番のモチベーションであり、毎朝起きる時の原動力なのだ。技術的なスポーツ、つまり人とマシンの組み合わせから成るスポーツの素晴らしいところは、自分が行ったことに対するフィードバックを即座に得られることだと思う。もちろん、うまくいっていないときには辛い思いをするけれど、それでもフィードバックを得ることができる」

 ニューウェイは、F1での仕事をかつての同僚たちの仕事と比較し、モーターレーシングの世界でエンジニアとして働くことの最大のメリットについて、次のように指摘した。

「大学時代に航空工学コースで一緒だった友人たちと今でも連絡を取り合っている。ブリティッシュ・エアロスペースやロールスロイスのエンジン部門などで働いている友人たちは、フィードバックを得ることはなかった。当時の私はそのことに気付いていたわけではなかったが、人と機械の組み合わせで戦うこのスポーツで働くことを、目標のひとつに選んでいた。そして、『人と機械の組み合わせで戦うスポーツの頂点は何か』といえば、明らかにそれはフォーミュラ1だ」

「確かに今でも(ヨットレースの)アメリカズカップに関心があるし、他にも多くのことに興味を持っている。だが、人と機械のスポーツの世界にとどまるのであれば、人々から必要とされる限り、頂点のカテゴリーにとどまりたい」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
AUTOSPORT web
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
くるまのニュース
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
AUTOCAR JAPAN
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
AUTOCAR JAPAN
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
グーネット
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
AUTOSPORT web
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
AUTOSPORT web
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
くるまのニュース
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
AUTOCAR JAPAN
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
AUTOSPORT web
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
AUTOSPORT web
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
乗りものニュース
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
くるまのニュース
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
VAGUE
輪留めは物理的なブレーキであると共に気もちのブレーキとしても重要! 輪留めがプロドライバーの意識を高めていた
輪留めは物理的なブレーキであると共に気もちのブレーキとしても重要! 輪留めがプロドライバーの意識を高めていた
WEB CARTOP
グーマガ 今週のダイジェスト【12/14~12/20】池田直渡氏、吼える!
グーマガ 今週のダイジェスト【12/14~12/20】池田直渡氏、吼える!
グーネット
[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村