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【試乗】走りと経済性を両立したボルボ V60 T6は、永く付き合ってみたくなるワゴンだ。

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【試乗】走りと経済性を両立したボルボ V60 T6は、永く付き合ってみたくなるワゴンだ。

2018年秋に日本でも発売された、2代目ボルボV60。今回は、プラグインハイブリッド車のV60 T6 ツインエンジンAWDに試乗してみた。

ゲーム感覚で楽しめるPHEV。ボルボらしさに変わりなし。
現在、日本でもっとも売れているボルボ車はV40。次いでXC40、そしてV60だという。2018年秋に日本デビューを果たした新型V60は、850~V70と続いてきた、ボルボの正統派ワゴンの後継モデルといえるだろう。V70ほどスクエア基調ではないけれど、先代V60よりダイナミックで実用的なデザインだ。

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サイズ的には、先代V60より全長は125mm長いが、全幅は15mm狭め、車高は45mm低められている。日本の要請で全幅を狭めて1850mmに抑えたというのは、評価すべきポイントだ。日本の市街地での走行を考えると、全幅が1850mmを超えたクルマを運転するのはかなり気を遣うからだ。

さて、今回試乗したグレードは「T6 ツインエンジンAWD」。ツインエンジンといってもエンジンを2基搭載しているわけではなく、プラグインハイブリッド車(以下、PHEV)だ。ターボ&スーパーチャージャーで253psのエンジンで前輪を、87psのモーターで後輪を駆動するAWD。ちなみにV60のPHEVにはよりエンジンパワーの強力(318ps)なT8というグレードもあるが、スペックから見てもT6で十分と思われる。

試乗を始めたときは、バッテリーはほぼフル充電状態だった。まずは「ハイブリッド」モードで走り出すが、普通に運転している限りはモーターだけで駆動するため、すごく静か。加速も十分。少し多めにアクセルを開ければエンジンも駆動に加わり、さらに速い。

「パワー」モードにすると、タコメーターが表示され、エンジンとモーターがフル稼働し、ステアリングとブレーキのレスポンスが上がり、アクティブサウンドコントロールがエンジン音を強調する。ここまで使うことはめったにない。普通に乗るなら「ハイブリッド」で不満はない。

40kmほど走行するとバッテリーが空になり、エンジン駆動に変わった。といってもインジケータで確認しているから分かるだけで、駆動が変わるショックもなく、パッセンジャーはまず気がつかないだろう。

このあとは普通のハイブリッド車同様、エンジンを主にモーターがアシストして走行する。とはいえ、ツインチャージドの253psエンジンだから、モーターのアシストなしでも十分以上に速い。

「チャージ」モードにすればエンジンを積極的に発電に使ってバッテリーに充電する。したがって燃費は多少悪くなる。ただし「チャージ」モードでは約80%までしか充電できない。また、「セーブ」モードでは現在のバッテリー量を維持して走ることができる。

そのほか、悪路用の「コンスタントAWD」モードと、自分の運転嗜好に合わせてセットできる「インディビデュアル」モードもあり、自分でモードを選んで、パワー指向で走るか、燃費指向で走るか、ゲーム感覚的に楽しむことができる。

なお、PHEVだから外部電源からも充電はできるが、残念ながら急速充電のCHAdeMOには対応しておらず、200Vの普通充電のみとなる。

ワゴンとしての使い勝手の高さは、ガソリンモデルのV60とまったく遜色はない、バッテリーがFR車でいえばプロペラシャフトの位置に搭載されるため、リアシートの足下フロア中央が少し高くなっているが、フル乗車時でも529Lあるラゲッジスペースの広さは変わらないし、ラゲッジボードを仕切りにできたり、バッグホルダーが備わるなどの便利さも変わらない。

今回試乗した車種はV60 T6でも上級グレードのインスクリプションだったが、2020モデルからロアグレードのモメンタムも導入される。こちらは、シート地がTーTecテキスタイル(インスクリプションはナッパレザー)で装備も少し簡略化されるが、2020モデルのインスクリプションより100万円安い659万円。補助金や減税を合わせるとガソリン車のV60 T5より14万5000円高いだけ。

ツインチャージエンジン+モーターの圧倒的な加速力、それでいながら普段は静粛性と燃費に優れた走りもできる。もちろんボルボ自慢の安全運転支援システム「インテリセーフ」を備え、ワゴンとしての使い勝手も文句なし。

イニシアルコストは少し高いけれど、予算的に問題がなくて、家庭や職場に200Vの普通充電設備が設けられるなら、ボルボ V60 T6は「一生もの」とまでは言わないけれど、永く付き合うことができるワゴンになるに違いない。(文:篠原政明/写真:永元秀和)

V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプション(2019モデル) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2780mm
●重量:2050kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ+S/C+モーター
●排気量:1968cc
●最高出力:186kW(253ps)+34kW(87ps)
●最大トルク:350Nm+160Nm
●WLTCモード燃費:12.3km/L
●トランスミッション:8速AT
●タイヤ:235/45R18
●車両価格(税込):749万円(2020モデルは759万円)

[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]

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