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まずは5つの事例で確認。自戒を込めて「クルマ好きのおっさんが老害にならないため」に

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まずは5つの事例で確認。自戒を込めて「クルマ好きのおっさんが老害にならないため」に

つい先日、とある国産メーカーのトップの老害っぷりがインタビュー記事で明らかになったりしていた。「ITに頼り過ぎるな、上司を差し置いてその上司に相談するな」等々、時代錯誤の主張を述べていたようだ。案の定、ネットでは大炎上となっていた。

我々クルマ好きのおっさんたちも、とある国産メーカーのトップ同様に年齢を重ねている。「ひとのフリみて我がフリ直せ」ではないが、油断すると自分も老害になってしまう可能性があることを理解しておく必要があるかもしれない。それにはまず、若い世代の人たちもクルマを楽しんでもらえるような雰囲気を醸成したいものだ。

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もっとも恐ろしいのは、自分自身が老害となっていることに気がついていないという事実だ。病気と同じで、自覚症状がないことほど厄介なものはない。気がついたときには裸の王様状態で周囲には誰もいない…となった時点で気がついても時すでに遅し。これではシャレにならない。

そこで、筆者自身(50代)はもちろんのこと、同世代やそのすぐ下の世代の人たち(いわば「老害予備軍(候補生?)」だ)が老害にならないために、今一度、客観的に見つめる機会があってもよいのではないかと思う。

そこで、(繰り返しになるが)筆者自身、自分への戒めも込めて「クルマ好きのおっさん老害あるある」の代表的と思われる事例を5つ挙げてみた。

1.年式違いの部品がついていることを(公衆の面前で)指摘する

オフラインでのイベントやネット上で公開された写真を見て、オーナーへ「このボディの年式なら、このミラーの形状はおかしい、年式違いではないか?」というようなことを言ったり書いたりしたことはないだろうか?

あなたの知識はきっと正確で、多分それが正しい判定なんだと思う。年式が合ってないくてもカッコいいかもしれないし、少なくともオーナーが気に入って装着している以上、細かい年式違いを発見したとしてもぐっとこらえて胸に収めておいた方がいいかもしれない。だいたい、オーナーが一番よくわかっているものだ。高くて手がでないかもしれないし、自分のスタイルやこだわりから敢えてその部品を選んでいる可能性だってある。そもそもオーナーからすれば「余計なお世話」に過ぎないのだ。

2.アフターパーツで楽しむカーライフもアリ?

イベントなどでクルマを眺めているとき、オリジナルではヘッドレストがない小ぶりなスポーツシートがついているはずの年式なのに、レカロのシートが装着されていて、さらに4点式シートベルトに交換しているのを見てしまった際、思わず「もったいねー」と叫んでしまったことはないだろうか?

他にも、スポーツタイプのシートに替える、ステアリングを小さめのものに交換する、ホイールを大きめのものにするなど、メーカー純正以外のもの替えて楽しんでいるのをみて「もったいない」なんて口に出していないだろうか?高価な純正パーツは室内に保管していて、普段用にアフターパーツで気楽に好きなクルマに乗ることも楽しみ方のひとつだ。オーナーごとにいろいろな事情や考え方があると思う。サーキットを走るには必要なのかもしれないし、純正ではないパーツが装着されていても、クルマを楽しみ方のひとつのあり方として応援してあげてもよいのではないか?

3.え?AT限定免許なんてダサくない?

若手が一緒の飲み会や、昼休みの談笑の場で免許の話になり、「俺たちのころは、シートベルトはしなくてよかったし、原付きはノーヘルでよかったんだぞ」みたいな昭和感丸出しの話題を、平成生まれの若者にぶつけていないだろうか?さらに、勢いづいてマニュアルミッション車の愉しさを説明しはじめ、相手の若者がAT限定と知った際「え?AT限定免許なんてダサくない?マニュアル運転できないなんて、クルマ好きとは言えないんじゃないか?」などと上から目線丸出しで言ってしまったことはないだろうか?

おじさん、それ、いわゆる「免許ハラスメント」ですよ(笑)。いまやATのネオクラッシックなクルマも珍しくなくなりつつある。ATだからクルマのことをわかってないわけでも好きじゃないわけでもない、という思考回路自体が平成最後の夏にはナンセンスかもしれない。好きなクルマを楽しもうと思ったとき、AT限定でも全然困らない人も確実に存在する。同じクルマ好き同士、免許の限定項目なんて細かいこと、気にしなくていいんじゃないかと思う。

4.デートに行くのに軽自動車なんてダサい?

まだある。AT免許の続きで、「バブルの頃はさー、ケーニッヒやアーマーゲー(AMG/本当はエーエムジー)には手がでなかったけど、とりあえず国産ならソアラぐらいじゃないとカッコつかなかったんだよ」みたいなことを言い始めて「そう言えば、きみ、先日デートしたって言ってたよな?どんなクルマで行ったの?え?それって軽じゃない?よく彼女、乗ってくれたなぁ」なんて失礼なこと、言ってしまったことはないだろうか?

かっこいい2ドアのスポーツクーペじゃないと女の子が喜んでくれない時代はとうの昔に終わっている(きっぱり)。クルマでデートに行こうという時点で将来有望な若者なのだ。すべての若い女性がそうだとはいわないが、少し背が高くて乗り降りがしやすくて、形と色が素敵な、ちょっと小さなクルマの方がかわいいと思う方も少なからず存在する。

「品川ナンバーのメルセデスかBMWでないと」なんて言ってたバブル女子はすでにオバサ…(以下自粛)である。好きな音楽をかけて、二人だけの空間で移動することの楽しさをわかっているだけでも本当に有望な若者ではにだろうか。星飛雄馬の姉的スタンスで、ひっそりと応援してあげよう(このフレーズ自体がすでに昭和感丸出しだろうというツッコミはなしで)。

5.カーナビを信じない

「昔、観光地へ行ったときに新しい橋を通ったらナビの画面だと海の上走っててさー、それからカーナビは信頼してないんだよ」とか「カーナビが指示した通り行かなかったら、案内途中でやめちゃって、困ったことがあったんだよ」みたいな、ちょっと前のカーナビの評価をずっと引きずっていたりしないだろうか?

ここ数年のカーナビは地図情報だけでなく、渋滞状況までもネットから取得しており、車載の専用機ばかりかスマートフォンのカーナビアプリでも十分道案内の役に立つ。確かにカーナビにしたがって走ると、全体の行程は理解できなくなるので、「近くの別の魅力的な場所」へよってみるみたいなことは少なくなる。しかし、目的地へ最短の時間で安全に到着することはできる。機械にすべてをまかせてしまうことに抵抗したい気持ちは十分理解できるが、最近のカーナビを始めとしてクルマ向けの機器のイノベーションが進んでいることを素直に認めることも大切なことと思う。

「あの星は僕のためにある」の名キャッチコピーを生み出したのはカロッツェリア製の初代カーナビだったが、今は「肌身離さず持ち歩いているスマホがあなたのカーナビになる」時代なのだ。

これをやっていたら危険領域?老害あるある

1.知識と経験をひけらかすようになる
2.オリジナル仕様以外許せなくなる
3.マニュアル、ダブルクラッチ、ヒールアンドトゥができてこそ男(漢?)と思い始める
4.スポーツクーペ以外はモテないといまだに思い込んでいる
5.クルマのIT化に抵抗する(または拒絶する)

まとめ:なんでもかんでも否定するようになったら老害のはじまり?

ビジネスの世界でもITの世界でもSNSの世界でも、過去の成功体験や歴史的な知識をベースに若者たちのやることなすこと、頭ごなしに否定してしまうおっさんがいる。「老害」自体が、世代間の断絶を生むというよりも、否定的なことを発信している本人の評価を著しく落としているだけだ。

時代が変わり、現代の楽しみ方もしっかりと理解しつつ許容し、自分自身も新しい楽しみ方を試してみるくらいの余裕を持つことが、年齢を重ねることによって持つべきことではないかと思うわけだ。若者たちがかっこいいと思っているスタイルが少々自分たちの「かっこいい」と違っても、それは両方「かっこいい」だけで優劣がつけられるわけもない(おっさん側が勝手に優劣をつけたがっているのかも)。ぜひ、違う世代のクルマ好きとコミュニケーションして、お互いの「かっこいい」を理解し合うことで、さらにクルマを楽しむ幅を拡げて欲しいと思う。繰り返しになるが、自分自身への戒めも込めて。

[ライター/ryoshr・画像/ryoshr、江上透]

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