メルセデス・ベンツ W220 S600プルマン(Mercedes-Benz W220 S600 Pullman):新車状態の希少なメルセデスS600プルマン。2000年代初頭、普通のメルセデスSクラスでは物足りないという裕福な顧客は、エクステンデッドプルマンを注文することができた。
これ以上の贅沢はありえない!2000年代初頭、普通の「メルセデスSクラス」では物足りないという人は、全長6メートルを超える「プルマン」を注文することができた。値段は?法外だ!豪華さ?法外だ!だが、新車状態のこの「S600プルマン」は、現行の「メルセデスS500」より高いとは思えない!
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136,731ユーロ(約2,325万円)で新型「メルセデスS500」のベーシックバージョンを手に入れることができる。あるいは、さらに10,000ユーロ(約170万円)を追加すれば、6.3リッターV12、リヤ個別シート、インターフォーンシステムなどを備えた「W220」世代のエクステンデッド「Sクラス」を手に入れることもできる。
380kmの新車「メルセデスS600プルマン」は、独プレイデルスハイムのメルセデス専門ディーラー「メカトロニック(Mechatronik)」によって提供される。外装色「ブリリアントシルバーメタリック(カラーコード744 U)」のこの高級サルーンは2001年に製造され、走行距離はわずか380km、たったの380kmの新車の状態だ。
全長6メートルを超えるメルセデス プルマン。全長6メートルを超える「W220 Sクラス」の「プルマンバージョン(VV220)」は、2001年に登場し、アファルターバッハのAMGによって開発された。Sクラスのロングホイールベースバージョンのホイールベースが3,085mmであるのに対し、プルマンのホイールベースは4mを超え、後席乗員にのみ恩恵をもたらすスペースを備える。
リヤに4つの個別シートシートヒーターとベンチレーションを備えた個室のシートには、4人が向かい合って座ることができる。コールウェイティング機能付きインターフォーンシステムは、絶対的なハイライトだ。カーテンとリヤローラーブラインドは、プライバシーを最大限に確保する。また、主に政治家が使用した高級サルーンにふさわしく(ウラジーミル プーチンもプルマンを所有していたと言われている)、その他の装備も豪華だ。
乗員はリヤの4つの独立したシートに座り、贅沢な気分に浸ることができる。プライバシーはカーテンで守られる。ブラックのエクスクルーシブレザーのシート表皮には、数多くのリアルウッドトリムエレメントがあしらわれ、コントラストをなしている。リヤのクーリングコンパートメント、運転席と助手席のマルチコントゥアーシート、コマンドシステム、パーキングエイド、ソフトクローズなど豪華な装備だ。繰り返す。走行距離はわずか380kmだ。
希少な6.3リッターV12エンジンをボンネットに搭載真のハイライトはボンネットの下にある。プルマンには、306馬力のV8(M113)を搭載した「S500」と、367馬力の5.8リッター自然吸気V12(M137 E 58)を搭載した「S600」がある。ただし、このモデルには別のエンジンが搭載される: 6.3リッター(6258cc)のV型12気筒エンジン(M137 E 63)で、「S63L AMG」から流用された。我々の調査によると、444馬力の自然吸気V12エンジンは、1カ月間しか提供されなかったというから、このクルマをさらにエクスクルーシブなものとしている。
自然吸気V12エンジンの排気量は6258ccで、希少なS63L AMGから流用された。出力は444馬力、620Nm。2001年当時の新車価格はおそらく60万ドイツマルク(約5,337万円)前後で、通常の「Sクラス」の何倍もの価格だった。それから23年後、このプルマンはほとんどバーゲンで通用するようになった。「メカトロニック」は、このパワフルなV12を搭載した新車状態のメルセデスS 600プルマンに148,750ユーロ(約2,530万円)を要求している。
大林晃平:いきなり否定するようで申し訳ないが、メルセデス・ベンツ600プルマンと聞いて僕が連想するのはこの車では決してない。600プルマンといえば、コードナンバーW100 を持ち1963年から1981年まで生産されていた、あの堂々たる自動車のことで、それは一般人には関係のないアンタッチャブルな車であった。どれほどアンタッチャブルだったかというと、主なオーナー(というのか)は、毛沢東、ブレジネフ、フセイン、マルコス、アミン、金日成、金正日、チャウシェスク、(ちなみに日本では某新興宗教の教祖さまが愛用されていた)などなどであり、その中でもチトーは熱狂的な600ファンであり複数台を所有していたと聞く。
メルセデス・ベンツ 600 プルマンPhoto: Sven Krieger / AUTO BILDそういう、触っちゃいけない人たちが自分の圧倒的な権力と恐ろしさをいかに徹底周知するかの道具としての自動車がW100 600プルマンであり。それからしたら今回のW220ベースの600プルマンなど、できの悪い「大人のおもちゃ」のようなものである。
そもそもW220は完成度の低いSクラス メルセデス・ベンツとして有名で、なんだかパッとしないアピアランスも、時代遅れのインスツルメンツパネルも、今や哀愁を覚えるほど古くみすぼらしいものだ。
もし、今までの「Sクラスの中で一番の不人気はどれでしょう?総選挙」があったとしたら、おそらくセンターポジションはW220 Sクラスが不動の1位である。
ベースになったW220など、もしビックモータースに持ち込んだとしても、査定額はおそらく限りなくゼロ円から、悪けりゃ処分料を払わなくてはいけないような代物だし、いくらストレッチモデルで走行距離ほぼゼロだと言っても今回の物件は、買わない方が身のため、という一台であろう。
確かに新車であることは奇跡のようなことだし(この間の保管料だけでも大変なものになるだろう)、希少なことも、リヤシートのきれいで出来のよさそうなことも否定しない。だがこれに乗ったとして得られるプライドアンドジョイ(Pride &Joy)は限りなく低いし、その反面維持することに必要なエネルギーは結構なものを要するだろう。
ぶっちゃけた話、こんなもの買うのなどおやめなさい、と言いたいところだが世の中にたったお一人にだけこの車を絶賛おすすめしたい。それは今の北朝鮮のショウグン様で、確かこれとまったく同じ形式の600プルマンをご愛用していたはずであった。そのショウグン様の愛用車のスペアカーかパーツ保持用にこの車は適役だろうし、そういう目で見るとなんとなくこの車、あの男の顔に似て見えてくるような気もしてしまうのだが・・・。万景峰号(まだあるのか??)に積み込んで個人輸入されてはいかがでしょうか?
Text: Jan GötzePhoto: mechatronik.de
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