2022年6月13日(英・現地時間)、 ベントレーはドライバーにフォーカスした新たな「Sシリーズ」に「フライングスパーS(BENTLEY FLYING SPUR S)」を追加すると発表。6月23日から6月26日までイギリスで開催されるモータースポーツの祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で公開される。
ベントレー「Sシリーズ」の最後を飾る1台
ドライバーのスポーツマインドに焦点を当てたベントレーの「Sシリーズ」に、同ブランドのフラッグシップモデル「フライングスパー」が加わった。ベントレー最高峰の4ドアセダンにラインナップされる「フライングスパーS」は、「Sシリーズ」の最後を締めるモデルでもある。
ベントレー コンチネンタルGTに「GT S」と「GTC S」を追加。V8の鼓動を強調するスポーツエキゾーストで心を揺さぶる
「フライングスパーS」はV8モデルに加え、V6ハイブリッドモデルも用意される。ベントレーの伝統ある「S」バッジを装着する初めてのハイブリッドモデルだ。これは、持続可能な未来に向けた「ビヨンド100」戦略の果実のひとつとして数えられるだろう。
さて、その2つのパワートレーンについて見ていこう。「フライングスパーS」のV8モデルは、ベントレー最先端の4L V8エンジン(最高出力550ps/最大トルク770Nm)を搭載し、0→62mph(約100km/h)加速わずか4.0秒、最高速度は(制限速度内で状況が許せば)198mph(時速約318km)のパフォーマンスを発揮する。
走行性能に関しては、「ベントレーダイナミックライド」が標準装備される。急カーブ時には、「ベントレーダイナミックライド」が0.3秒以内に最大1300Nmのアンチロールトルクを発生させてボディを水平かつ安定した状態に保ち、巡航時には左右ホイールをデカップリングすることによってスムーズかつしなやかなや乗り心地をもたらすシステムだ。
「エレクトロニックオールホイールステアリング」も標準で装備される。低速時には後輪が最大で 4.2度前輪と逆方向に切られるため、回転径が小さくなり敏捷性が向上する。一方、高速時には後輪が前輪と同じ方向に操舵されるため、車線変更や追い越しの際の安定性が確保されるというものだ。
渋めの色使いでスポーティさを強調するエクステリア
V6ハイブリッドモデルは、2.9L V6ガソリンエンジンと高度な電気モーターの組み合わせにより、システム最高出力544ps、最大トルク750Nmを発生する。そこから生まれるパフォーマンスは、0→62mph加速がV8モデルよりわずか0.1秒遅れの4.1秒。その性能に不満はない。EV航続距離は最長で41km、1km当たりのCO2排出量はわずか75g(WLTP)と、ベントレー史上最高の効率性の持ち主でもある。
2種類の高性能パワートーインはそのサウンドでも際立つ。V8モデルは、スポーツエキゾーストの設計見直しによってサウンドの質を向上、V6ハイブリッドモデルでは、「スポーツモード」時のエンジンルーム内のサウンドにこだわりを見せる。それでいて、両モデルともリアキャビンの高い静粛性は確保しているという。まさに、ベントレーの真骨頂といえるだろう。
エクステリアは、凜とした佇まいが魅力だ。どのボディカラーを選んでも、ブラックのブライトウェアが存在感をアピールする。「明るく輝くメタルパーツを減らすことによってクルマのフォルムに自然と目線を惹き付け、より低くワイドな印象を与えよう」という、デザインチームの試みだ。
グロスブラックのバンパーロアグリル、ダークティントのヘッドライトとテールランプ、ブラックのクアッドテールパイプフィニッシャー、フロントフェンダーの「S」バッジなども、エクステリアをぐっと引き締める。
グリルとその周りはブラックグロスで統一され、縦型のバーチカルベーンがそそり立つ姿はまさに王者の貫禄だ。トランクリッドに装着された「ウイングドB」のバッジと、「BENTLEY」のロゴだけがブライトクローム仕上げとされているところも味わいがある。
足元は、新設計のY字型の5本スポーク22インチホイールを装着。仕上げは「グロスブラック」または新登場の「ペールブロガーサテン」を選択できる。加えて、「グロスブラック仕上げ」と「ブライトマシニング仕上げ」を施した21インチトライスポークホイールも専用として用意される。レッドのブレーキキャリパーは、どのタイプのホイールに対しても標準で装備される。
モータースポーツ由来のインテリアデザイン
滑らかなレザーとソフトな起毛仕上げのダイナミカを組み合わせたインテリアは、ハンドクラフトの技が光る。なかでも、ツートンカラースプリットは、このモデルのパフォーマンスの高さを予感させてくれるデザインとなっている。
スエード調の素材であるダイナミカは、ヒーター付きステアリングホイール、ギアレバー、シートクッション、シートバックレストに配置され、レザーハイドはシートボルスター、ドアパッド、インストルメントパネル周り、コンソール周りに配される。
各シートのヘッドレストには「S」のエンブレムが刺繍される。無償オプションでベントレーウイングの刺繍に変更することも可能だ。インパネは、モータースポーツとゆかりの深いクロノメーターからインスピレーションを得たデザインで、コンチネンタルGTスピードと共通のグラフィックが用いられる。なお、すべてのシートは、キルティングをオプションで選択することもできる。
フェイシアの金属製「S」バッジも小粋だ。イルミネーテッドトレッドプレートには「Bentley Motors Ltd」の代わりに「S」のデザインが刻まれる。
さて、ベントレー「Sシリーズ」の最高峰となる「フライングスパーS」だが、その初披露は6月23日から26日までイギリスで開催されるモータースポーツの祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で行われる。
先に発表された「コンチネンタルGT S」、「コンチネンタルGTC S」とともに「ファーストグランス」クラスとしてヒルクライムに登場し、イベント開催中はパドックに展示される。そこには、ターボチャージャー付きベントレーの誕生40周年の祝いとして、新旧のベントレーも併せて展示される。
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