現役モデル時代には数多くの賞を獲得
text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)
アルファ・ロメオGTVは現役時代の1995年、数多くの賞を獲得した。そのうち2つは、AUTOCARのベスト・スポーツカーと、カー・オブ・ザ・イヤーだった。
それから25年が経過し、当時のトロフィーの輝きは鈍ったかもしれない。しかし2+2クーペは、今でもエンスージァストのハートを強く誘惑する。
英国では、14万8000kmを走行した整備記録の揃った2003年式GTV 3.2 V6が、英国では7495ポンド(98万円)くらいから。ちなみに英国では使用環境上、走行距離が伸びる傾向にある。
アルファ・ロメオGTVが登場したのは1995年で、スタイリングを手掛けたのはピニンファリーナ。アルファ・ロメオの盾型グリルには、色彩豊かなアルファ・ロメオのエンブレムが添えられた。
インテリアの雰囲気は、やや低級な雰囲気が漂っていた。フェイスリフトを受けた後期モデルでは、エッジはやや丸くなり、フロントのナンバープレートの位置をオフセット。フレッシュさを維持した。
ボンネットやフェンダー、フロンノーズはコンポジット素材で、サビの心配は不要。それ以外のボディパネルはスチールの亜鉛メッキだが、フロアパネルやリアフェンダー、サイドシルの腐食は気に掛けたい。
GTVは当初、2.0Lの4気筒16バルブ・ツインスパーク・エンジンを搭載し、最高出力150psを獲得。しばらくして可変マニフォールドが追加採用されている。性能だけでなく信頼性や価値なども考えると、選択肢に加えたいエンジンだ。
V6だけでなく安価なツインスパークも
1998年になると、3.0LのV6 24バルブ・エンジンが登場。最高出力は220psへ引き上げられた。パワーに対応するべく、大径ブレーキと赤いキャリパーを装備。ホイールも大径のテレダイヤル・デザインが与えられている。
英国では、V6エンジン・モデルの価格が高い。手入れされた安価なツインスパークの方が、選択肢としては安全だろう。一方で筆者があまりオススメしないのは、2003年に登場した165psを発揮する16バルブの2.0 JTSだ。
同時期に3.0LのV6エンジンは、3.2Lへとスイッチしている。241psを発揮し、0-100km/h加速は6秒を切る。数は多くはない。
2004年、GTVクーペの生産は終了。後継モデルとして、アルファ・ロメオ・ブレラが登場した。
10年間のモデルライフを通じて、アルファ・ロメオは多くの改良を加えている。初期型から軽く手の入った、フェイズ1bと呼ばれるクルマの登場は1997年。
フェイスリフトを受けたフェイズ2は、1998年にリリース。センターコンソールが新しくなり、計器類も刷新。ボディキットも追加されている。2000年にはエンジンが手直しされ、フェイズ2bに進化。
2003年に、再びフェイスリフトを受けたフェイズ3が発売。ボディデザインが新しくなり、センターコンソールも変更。トラクション・コントロールにも手が入った。
アルファ・ロメオのファンは、FC1、2、3と呼び分けられる、エンジンの違いにもこだわる。主に、触媒コンバーターの位置と数が異なっている。
V6カップも存在したが、見つけるのは困難。走行距離やグレードより、状態を最優先に選びたい。
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
すべてのエンジンで、タイミングベルトの交換は3年ごとか、5万8000kmが推奨。エンジンオイル交換は、1万2800kmが英国では指定されている。
アイドリング時にディーゼルエンジンのようなカラカラ音が出るのは、カムバリエーターの不具合。タイミングベルトと一緒に交換したい。
JTSエンジンの場合は、ガソリンがエンジンオイルに混ざりやすく、オイルの頻繁な交換が必要。
すべてのエンジンで、タイミング不良による回転数の乱れやミスファイアが起きる場合がある。V6エンジンでは、マスエアフロー・センサーやガスケットの劣化に注意したい。
トランスミッション
変速が滑らかに行えるか確認する。金属粉が溜まり、5速に入りにくくなる場合がある。V6エンジンなら、LSDを装備する予算も見ておきたい。クラッチペダルのつながる位置が浅い場合、交換のサイン。
ホイールとサスペンション、ブレーキ
フロントのローワー・ウイッシュボーンは劣化が進むと、タイヤの内減りがひどくなる。リアサスペンションのブッシュ類も劣化しやすい。ウレタンブッシュへの交換を勧める専門ショップも。
V6エンジン車の場合、フロントディスクが減りやすい。タイヤの空気圧もこまめに点検する。アルミホイールが酸化し、気密性が下がる場合がある。
ボディ
サイドシルや足回り、ジャッキアップ・ポイントなどのサビを確認する。
インテリア
パワーウインドウの動作を確かめる。後期型の場合、ドアを開くとガラスが10mm下る。リアスクリーンの熱線が機能しているかも調べる。ヒューズボックスの不具合を招くことがある。
専門家の意見を聞いてみる
ネッド・カーカム オート・ルッソ代表
「個人的にフェイズ2の3.0L V6を購入しました。エンジンはFC2です。フェイズ1に乗っていたCF1のエンジンから、FC2は有効な改良が施されています。しかし、環境基準のユーロ3に合致させた、後期のFC3エンジンほど複雑でもありません」
「わたしのクルマには、クワイフATB製のリミテッドスリップデフを入れてあります。3.0Lエンジンの場合、ターンインの挙動を大きく改善できます。LSDなしだと、アンダーステア傾向が強いのです」
「JTSは避けた方が良いでしょう。ダイレクト・インジェクションですがオイルが希薄化し、シリンダーボアやカムシャフト、ビッグエンド・ベアリングが摩耗してしまいます。インテークへカーボンが蓄積するのも悩みの種です」
「探しているのはGTV 3.2L。英国で売れたのはわずかに54台でした。程度が良いものは、値段も相応に高いのです」
知っておくべきこと
この型のアルファ・ロメオGTVは、キーが2本必要となった時代のクルマ。2000年以降のGTVの場合、赤と青のキーが必要。
2000年以前では、クルマにキーコードが付いていることを確認したい。キーコードがわからないとスペアキーの制作が難しく、イモビライザーが動かなくなることがある。
いくら払うべき?
600ポンド(7万円)~1999ポンド(25万円)
英国で探すと、メンテナンスされた18万5000kmの1999年式2.0ツインスパークが、999ポンド(13万円)で見つかった。1998年式の同じクルマで14万3000kmなら、1995ポンド(25万円)。
2000ポンド(26万円)~2499ポンド(33万円)
状態の良い2.0ツインスパークが増えてくる。1999年前後の年式で、走行距離は8万kmくらい。
2500ポンド(34万円)~3999ポンド(52万円)
V6エンジンのGTVが増えてくる。16万4000km走った1999年式3.0L 24Vで、3500ポンド(46万円)。
4000ポンド(53万円)~5999ポンド(79万円)
状態の良い、走行距離の浅い2.0ツインスパーク。
6000ポンド(80万円)~9999ポンド(132万円)
走行距離の比較的短い、後期型のV6ルッソなどが出てくる。
英国で掘り出し物を発見
アルファ・ロメオGTV 2.0ツインスパーク 16V 登録:2001年 走行:9万8900km 価格:2450ポンド(32万円)
オリジナル状態のツインスパーク。走行距離は浅めで、整備記録も整っている。キーは赤と青、合わせて4本あり、GTVのツールキットも残っている。2オーナー車だ。
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