9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。
フォルクスワーゲン一筋
VWの電気自動車「ID.」シリーズの高性能モデルも登場!? ID.オーナーミーティング取材リポート
鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。
彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。
そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。
アウトバーンは130km/hで
ドイツのオーナーだけに、気になるのはふだんアウトバーンをどのくらいのスピードで走っているか。マルクスさんにうかがうと、「速度無制限の区間でも最高130km/hを目安に走っています」とのこと。EVの場合、走行速度が高くなるほど電費は悪化し、とくにSUVスタイルのEVではそれが顕著です。ある程度スピードを抑えて走るのが航続距離を伸ばすポイントなのです。「それでも300kmくらいに一度は急速充電が必要になりますが、休憩するにはちょうどよいタイミングですし、それが安全なドライブにつながると思えば、とくに不満はありませんね」とマルクスさんはいいます。
充電事情も聞いてみると、「自宅で普通充電することはできるのですが、いまは電気代が高いので、急速充電施設を利用することが多いですね。ID.4 GTXの場合、最高175kWで急速充電ができますが、それはバッテリー残量が20%を下回っているような状況で、充電が進むにつれて出力は徐々に落ちてきます」。聞けば、急速充電に対して自宅での普通充電は料金が数倍になるそうです。
ID.4 GTXでお気に入りのポイントは、「ID.4 GTXのパンチ力はもちろんですが、EVだけに静かで安定した走りが楽しめるのが一番のお気に入りです。“トラベルアシスト”(同一車線内全車速運転支援システム)を使うことで、アウトバーンを使った遠出も楽ですよ」。一方、不満なところは、「ID.4 GTXの場合、バッテリーの充電量がある基準以上でないと最大パワーが発揮できないというが、ちょっと残念ですが、不満はそのくらいですね」とID.4 GTXの満足度はきわめて高いのが印象的でした。
「『ID.7』にヴァリアント(ステーションワゴン)仕様が追加されたら、次の愛車として考えてみたいですね」というマルクスさん。フォルクスワーゲン一筋のカーライフは、これから先も変わらずに続きそうです。
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