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元祖クロカンSUV! 王者ランクルに挑んだ超個性派ライバル車 4選

掲載 更新 8
元祖クロカンSUV! 王者ランクルに挑んだ超個性派ライバル車 4選

 2021年8月、新型ランドクルーザー300(以下、ランクル)が発売された。「納車がいつになるか分からない」というほどの人気となっている。また、登場から12年経過したランクルプラドも販売好調だ。この2台は、日本車の本格クロカンSUVにおいて孤高の存在となっている。

 さかのぼること、1990年代には、各社から個性あふれるSUVが続々販売され、RVブームが到来した。その当時、ランクルと互角に戦ったライバル車4台を振り返っていく。

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文/永田恵一、写真/TOYOTA、NISSAN、MITSUBISHI、ISUZU、MAZDA

[gallink]

1990年代のランドクルーザーには何があった?

1989年~1997年まで販売された80系ランドクルーザー

 ライバル車を振り返る前に1990年代のランドクルーザーを現行型モデルに相当するラージ系から思い出すと、1989年にラグジュアリー路線のはじまりとなった80系が登場した。1998年には80系の路線をさらに発展し、V8エンジンが中心となった100系が続く。

 現在のプラドは、ランドクルーザー70系のワゴン仕様として1990年に初代モデルが登場し、1996年には2代目モデルに移行した。また、ランクルには80年代からオフロードユースに特化した70系もあり、こちらは世界的に見れば、いまだ販売されている国も少なくなく、2014年には期間限定で70系のバンとピックアップトラックが復活した。

日産・三菱・いすゞ・マツダから登場した実力SUVたち

●日産サファリ

 2代目サファリは1987年~1997年まで販売された

 日産サファリはランドクルーザーに相当するモデルで、1990年代に販売されていたのは1987年登場の2代目モデルと1997年登場の3代目モデルである。

 2代目サファリは、1980年登場したランドクルーザー60系同様のいかにも武骨なラージクロカンSUVだった。ランドクルーザーが80系に移行すると約2年という登場時期の差以上に古さは否めなかった。

 サファリは1997年にランドクルーザー100系に若干先行する形で3代目モデルに移行するのだが、2代目モデルに比べればだいぶ洗練されたものの、ランドクルーザー80系と比べても武骨なままだった。

 また、ランドクルーザー100系のV8に対し、3代目サファリは直6ということや、4WDシステムがいまだに切り替え式のパートタイム4WDのままだったといった古さが目立った。いっぽう、ランドクルーザーは80系からフルタイムに移行していた。

 そのため3代目サファリのランドクルーザー100系に対するアドバンテージは、オフロードユースに向いた3ドア車の設定くらいしかなく、販売不振もありランドクルーザーが200系になった2007年に日本向けは生産を終了。

 しかし、海外向けは今もパトロールとアルマーダの車名で、レクサスLXに相当するインフィニティQX80も含め生産が続いている。

●三菱パジェロ

2代目パジェロ。3ドアのJトップとメタルトップ、5ドアの標準ルーフとキックアップルーフという4種類のボディが設定された

 1990年代にはパジェロの絶頂期と言える2代目モデルと3代目モデルが販売された。2代目パジェロはバブル期という時代背景もあり、モデル末期には販売がうなぎ上りとなった初代モデルから満を持して登場したモデルだった。

 それだけにボディタイプは、5ドア、3ドアが通常のメタルトップとキャビン前方がキャンバストップ、キャビン後方がソフトトップとなるJトップだった。エンジンもV6ガソリン、直4ディーゼルなどとラインナップは豊富に揃っていた。

 さらに、4WDシステムはFRモードも持つフルタイム4WDとなるスーパーセレクト4WDに進化し、車内や乗り味も乗用車的に仕上がっていた。2代目パジェロは当時のクロカンSUVにおいて総合力では圧倒的ナンバー1で、月間販売ランキングでは1位になることもあったほどの人気車となった。

 しかし、ランドクルーザープラドが2代目モデルで乗用車路線に向き始めたのに対し、1999年登場の3代目パジェロは内容が進化ながらも、内外装が武骨な印象だったこともあり、この頃からパジェロとランドクルーザープラドの形勢が逆転し始める。

 この流れは2000年代に入っても止まることなく、パジェロは2006年登場の4代目モデルを最後に2019年に絶版となった。

●いすゞビッグホーン

2代目ビッグホーン。ガソリンエンジンは3.2LのV型6気筒DOHC4バルブ、ディーゼルターボはインタークーラー付き3.1Lを搭載

 ビッグホーンは1991年登場の2代目モデルが、ランドクルーザープラドの初代と2代目モデルと戦った。2代目ビッグホーンはハンドリングバイロータスやイルムシャーといった海外チューナーが仕上げたモデルの存在は魅力だったが、それ以外は全体的にパッとするところがなかったというのが率直なところだった。その傾向はランドクルーザープラドが2代目モデルに移行するとより顕著になった。

 ビッグホーンは2002年にいすゞが乗用車から完全に撤退したこともあり、このタイミングで絶版となったが、現在ピックアップトラックのD-MAXをSUV化したMU-Xがタイ国で生産され、好調が続いている。

●マツダプロシードマービー

1991年発売のプロシードマービー。プロシードとしては3代目モデルとなる

 マツダにはかつて現在のハイラックス級のピックアップトラックとなるプロシードというモデルがあった。1991年に、プロシードを乗用車化し7人乗り3列シートとしたのが、プロシードマービーである。

 1991年に登場したプロシードマービーは、全長こそランドクルーザー80系に近かったが、それ以外は200万円台前半となる価格など、プラドも含めたランドクルーザーとはまったく違う手軽なクロカンSUVだった。

 プロシードマービーはコンセプトこそ悪くなかったのかもしれないが、いかがせん非常に存在感が薄く、存在を認知している人も少なかったこともありまったく売れず、このモデル限りで絶版となった。

ランクルと互角に戦っていたのは?

全方位でブラッシュアップされた新型ランドクルーザー。クロカンSUVとしての地位を不動のものに

 振り返ってみると1990年代以降ランドクルーザーとは互角以上の勝負をしていたのは、初代プラドに圧勝した2代目パジェロだけであり、ランドクルーザーの強さは昔から際立っていたことが分かる。それだけにランドクルーザーと勝負できるモデルを造るのは非常に難しいにせよ、日本車にも1台くらいランドクルーザーと勝負になるモデルが欲しいところだ。

[gallink]

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みんなのコメント

8件
  • 三菱は本当にもったいない。あれだけのブランド立ち上げるのにどれだけの時間とコストと実績がいるかと思えば気が遠くなる。
  • パジェロショートに中古で乗っていた
    チョロQを地で行くようなカッコが好きだったなー
    2500ターボで非力だったがグォォォと唸りを上げながら走る様は逞しく感じたものだ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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