現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 「SPOON NSX-R GT改“マカオGP”参戦記~知られざるマカオGPの世界~」前編【公道爆走王世界一決定戦in2008】

ここから本文です

「SPOON NSX-R GT改“マカオGP”参戦記~知られざるマカオGPの世界~」前編【公道爆走王世界一決定戦in2008】

掲載 更新
「SPOON NSX-R GT改“マカオGP”参戦記~知られざるマカオGPの世界~」前編【公道爆走王世界一決定戦in2008】

エンジンは絶好調! でもサスセッティングが…

11月13日(木):練習走行

「SPOON NSX-R GT改“マカオGP”参戦記~知られざるマカオGPの世界~」前編【公道爆走王世界一決定戦in2008】

FREE PRACTICE

地下駐車場の一角に広がるアンダーグラウンドな世界

ドライバーやメカニックといったチーム関係者やオフィシャルスタッフ、それを取り巻く多くの観客でにぎわうパドックとは実に対照的。ロードスポーツチャレンジへのエントリーチームは、蛍光灯もまばらな地下駐車場の一角がピットとしてあてがわれ、スタッフたちは練習走行に備え、黙々とマシンの最終チェックを行っている。

その光景を見る限り、多くの人が頭の中に思い描くであろう、マカオGPの華やいだ雰囲気を感じることはない。ただ、かつては非合法な存在とされ、いまでもパワーや速さを求めるには手段を選ばないチューニングカーにとって、明るい陽射しを浴びた地上のピットよりも、少しばかり薄暗い地下駐車場のほうが似合っているのも事実だ。すでに準備を整えたスプーンNSX-R GT改の姿も、そこにあった。

午前9時、オフィシャルがやってきてパドックへの移動を促すと、各マシンが一斉にエンジンを始動。ストレートマフラーから吐き出されるさまざまなトーンのノイズが、コンクリートで閉ざされた空間に反響する。耳が痛い…。そのあとやってくるのが、今どき珍しいくらい目と鼻に突き刺さる刺激臭だ。チューニングカー好きなら、そんな状況に高揚感を覚えずにはいられない。

隊列をなした猛者たちが、光の降り注ぐ“地上の舞台”に向かってゆっくりと動き始める。いよいよ、マカオGPロードスポーツチャレンジの幕が開けるのだ。

本戦に向けて変更を受けたのがこの2点。ひとつはホイール&タイヤで、SSRタイプC RSにアドバンスリックが組まれる。サイズはフロント240/640R17、リヤ250/660R18。

また、サイドミラーも空力特性に優れるGT500用に交換。「幅があるから意外と見やすいよ」と市嶋サン。

最終テストのままの仕様でサーキットとの相性を確認

練習走行は午前9時40分から10時10分までの30分間。スプーンNSX-R GT改は日本を出発する直前に行ったツインリンクもてぎでのテストから、大きな変更を受けた箇所はない。今のままのセットアップがギアサーキットにマッチするのかしないのか? 練習走行でそれを判断し、セッティングの方向性を見極められればイイ。

コースオープンと同時に、パドックから本コースへと勢いよく飛び出していくマシンたち。全車のコースインを見送ったあと、プレスルームのモニターで各マシンの走りをチェックする。

圧倒的かつ安定した速さを見せつけるのは、唯一2分40秒台(平均速度135~137km/h)で周回を重ねる2台のランエボ。スプーンNSX-R GT改はモニターでもわかるほどピッチングが激しく、思うようにペースが上がらない。9ラップ走り込んでのベストは、トップから38秒遅れとなる3分18秒台(平均速度110km/h)に留まった。さらに、ロードスポーツチャレンジは排気量で分けられた3クラスのマシンが混走しているため、ラップタイムの差は大きく、トップと最下位では1分近くもの開きがある。

練習走行を終えてピットに戻ってきた市嶋サンにマシンの状況を聞いてみる。

「エンジンはパワーが出てるし、よく回ってくれるし、まったく問題ないよ。ただ、サスペンションは思った通り硬くて、路面がバンピーなギアサーキットではクルマが跳ねちゃう。コースはストリート、でもタイヤは入力の大きいスリックだから、普通のストリート用サスよりもバネレートは上がるはずなんだけど、クローズドコースで路面の状態もイイもてぎであわせたセッティングは、やっぱりココでは合わなかったか…」とのこと。

また、「タイヤが浮いてるのがファインダー越しにわかるんですよ。ブレーキングポイントでは毎周フロントがロックしてるし」とは、メルコヘアピンの進入で撮影していた小林カメラマンのコメントだ。

グリップ力を高めるため前後ともバネレートを落とす

「走行時間が短く、セッションの途中でサス交換作業などができないので、一度コースインしたら、とりあえずそのまま走り続けるしかない。ココではある意味、そういう割り切りというかあきらめも必要なんですよ」とスプーン城本メカ。

そこで、練習走行を終えたマシンがピットに戻ってきたところで、サスセッティングを変更することになった。まずバネレートは、もてぎでセットアップしてきたフロント26kg/mm、リヤ30kg/mmから、手持ちで最も柔らかい18kg/mm、20kg/mmへと大幅にダウン。重量配分の関係から、フロントが柔らかく、リヤが硬い…という基本的な前後バランスを崩さないのが大前提になる。

バネレートが低くなった分、車高が落ちることを見越して、スプリング交換と同時にダンパーロワシート位置を15mmアップ。1G状態での車高をスプリング交換前に合わせて、アライメント変化を抑えるわけだ。

また、11月半ばだってのに、マカオの気温は25度前後とかなり高め。走行中は車内が暑くなってたまらない…という市嶋サンのリクエストに応えて、城本メカが導風ダクトを追加した。

市嶋サンいわく、「明日の予選でセッティング変更の方向性を見て、決勝を迎えることになるよ」とのこと。自信に満ちたその言葉から、予選で大幅なタイムアップを果たすことは間違いなさそうだ。

FREE PRACTICE結果

※クラスは排気量によってA=3500cc以上、B=2000~3500cc、C=2000cc以下に分けられる。また、過給機付きはガソリンエンジンで1.7倍換算、ディーゼルエンジン(今回はエントリーなし)で1.5倍換算となる。

こんな記事も読まれています

新車価格は衝撃の63万円!!! 気分は[日本一速い男] 日産チェリーの正体とは?
新車価格は衝撃の63万円!!! 気分は[日本一速い男] 日産チェリーの正体とは?
ベストカーWeb
イタリアのSAはコーヒーが美味しい! ただしガソリンは日本以上に高いのでセルフサービスを活用しましょう【みどり独乙通信】
イタリアのSAはコーヒーが美味しい! ただしガソリンは日本以上に高いのでセルフサービスを活用しましょう【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
新型トラックや多彩な架装など約150台が集結!ジャパントラックショー2024
新型トラックや多彩な架装など約150台が集結!ジャパントラックショー2024
グーネット
MotoGP:2027年に1000ccから850ccへマシン規則変更。空力パーツは50mm削減、車高調整デバイスは禁止
MotoGP:2027年に1000ccから850ccへマシン規則変更。空力パーツは50mm削減、車高調整デバイスは禁止
AUTOSPORT web
世界に1台!フェラーリ「812GTS」ベースのフルカーボン仕様車を披露 ノビテック
世界に1台!フェラーリ「812GTS」ベースのフルカーボン仕様車を披露 ノビテック
グーネット
時速6キロのお台場めぐり!トヨタの3輪BEV使った観光サービス「おさんぽ」スタート
時速6キロのお台場めぐり!トヨタの3輪BEV使った観光サービス「おさんぽ」スタート
グーネット
アウディの美点を「ギュッと凝縮」 更新版S3へ試乗 333馬力にトルクスプリッター 少し真面目すぎ?
アウディの美点を「ギュッと凝縮」 更新版S3へ試乗 333馬力にトルクスプリッター 少し真面目すぎ?
AUTOCAR JAPAN
日産「マーチ」ベースの「フェアレディ」!? 大人が驚く学生ならではの感性で仕上げたカスタムポイントとは
日産「マーチ」ベースの「フェアレディ」!? 大人が驚く学生ならではの感性で仕上げたカスタムポイントとは
Auto Messe Web
ルノーの名物イベント、今年は10月27日に決定! 「ルノー カングー ジャンボリー2024」開催概要を発表
ルノーの名物イベント、今年は10月27日に決定! 「ルノー カングー ジャンボリー2024」開催概要を発表
月刊自家用車WEB
宮田莉朋、無念のトラブルで勝利逃すも「全然ネガティブには思っていません」。原因はギヤボックス/ELMS第2戦
宮田莉朋、無念のトラブルで勝利逃すも「全然ネガティブには思っていません」。原因はギヤボックス/ELMS第2戦
AUTOSPORT web
ルクレール3位「マクラーレンの強さは予想以上。僕たちにはアップグレードが必要」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール3位「マクラーレンの強さは予想以上。僕たちにはアップグレードが必要」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
800馬力のランボルギーニ「ウルスSE」は10種のドライビングモードで楽しめる! EVだけでも60km以上走れるクラス最速SUVです
800馬力のランボルギーニ「ウルスSE」は10種のドライビングモードで楽しめる! EVだけでも60km以上走れるクラス最速SUVです
Auto Messe Web
レッドブル&HRC密着:敗因はフロアのダメージとハードタイヤでの苦戦。勝つことの難しさを痛感したフェルスタッペン
レッドブル&HRC密着:敗因はフロアのダメージとハードタイヤでの苦戦。勝つことの難しさを痛感したフェルスタッペン
AUTOSPORT web
高速道路を走りながら「EV充電」現実に! 本線で「走行中給電」実証やります NEXCO東日本
高速道路を走りながら「EV充電」現実に! 本線で「走行中給電」実証やります NEXCO東日本
乗りものニュース
合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
WEB CARTOP
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
Merkmal
知的なアスリート──新型マセラティ グラントゥーリズモ試乗記
知的なアスリート──新型マセラティ グラントゥーリズモ試乗記
GQ JAPAN
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

95.2105.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.088.0万円

中古車を検索
ストリートの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

95.2105.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.088.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村