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昔流行今廃れた? 戦闘機の翼!? 天守閣!? リアスポが凄いクルマは今いくら?

掲載 更新 47
昔流行今廃れた? 戦闘機の翼!? 天守閣!? リアスポが凄いクルマは今いくら?

 昔は、競技車両のリアスポイラーはGTウイングやWRCで大活躍した2代目インプレッサのスプリッターウイングなど、迫力あるものが多かった。

 2000年代までは「高性能車ほど凄いリアスポイラーが付いている」という風潮があったほど、争うようにリアスポイラーの凄さが強調されていた時代もあった。

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 それに対し、最近の市販車はスポーツモデルでもリアスポイラーが強烈に大きい、ド派手な形状をしているクルマというのはあまり見なくなった。

 天を仰ぐような巨大なウイングはGT選手権やWRCなどのレーシングカーには装着されているが、市販車としてはポルシェ911GT3、GT2RS&GT3RS、STIコンプリートカーくらいだろうか。寂しいかぎりである。

 そこで、かつて凄いリアスポイラーを装着していたクルマを振り返りながら、今いくらで買えるのか調べてみた。

文/永田恵一
写真/トヨタ 日産 ホンダ スバル STI 三菱 ポルシェ

【画像ギャラリー】ほかにもこんなクルマがあった!! リアウイングがド派手なクルマをギャラリーでチェック!!

2代目トヨタスープラ

1993年~2002年に販売されたA80型スープラ。3.0LのNAエンジンを搭載するSZ系グレードは約250万円から、ターボモデルのRZ-Sは約320万円から入手できる

A80型スープラの中古車情報はこちら!

 1993年登場の2代目スープラは日本車で巨大なリアスポイラーを装着した最初のモデルだった。その理由は2代目スープラがスポーツカーでありながら、ポルシェ928のように「アウトバーンを超高速で走れるGTカー」という要素にも注力していたためである。

 このリアスポイラーの効果は絶大で、最高速テストなども盛んだった当時の自動車メディアで2代目スープラのターボ車は280km/h程度の最高速を記録し、最高速で走行中も「スタビリティ(走行安定性)は恐ろしいほど高い」と絶賛されていた。

 中古車検索サイトを見てみると、この原稿を執筆している4月上旬時点で2代目スープラの中古車は30数台しか流通しておらず、純正のリアスポイラーを装着している物件はその半分程度だ。

 中古車価格はNA車で250万円から、ターボ車になると350万円程度のものもあるという具合で、ノーマルに近いターボ車は数台しかない。さらにリアスポイラーの付いたターボ車のフルノーマル、走行距離1万km台という物件になると新車価格の倍以上となる1000万円を超え、「価格は応談」という物件も少なくない。

トヨタ86エアロパッケージ

2016年2月に設定されたトヨタ86エアロパッケージ

 2代目モデルが公開されて話題となっているトヨタ86の初代モデルには、ビッグマイナーチェンジ前の前期型をベースにGTウイングの装着を含めたスペシャルモデルとして100台限定で販売されたGRMN(価格は648万円)もあったが、86GRMNは原稿執筆時点では中古車が流通していない。そのため前期型の最後となるDタイプに設定されたエアロパッケージを紹介する。

 エアロパッケージは2015年7月に期間限定で追加されたカタログモデルにはないイエローのボディカラーを纏ったイエローリミテッドのバリエーションとして、リアスポイラーを含めたエアロパーツを加えたモデルである。エアロパッケージには標準車とBBSの鍛造ホイール+18インチタイヤ、ザックス製ダンパー、スポーツブレーキパッドが付くFTの2つがあった。

 また2016年2月には86の前期型初代モデルの最終モデル的存在となる、イエロー以外のボディカラー数色が選べるエアロパッケージも設定され、エアロパッケージ、エアロパッケージFTともにボディカラー以外はイエローのみのときと共通だった。

 エアロパッケージは中古車市場に原稿執筆時点で4台が流通しており、価格は258万円、259万円、272万円、329万円と、やはり標準車に対し絶対額は高い(=値落ちが少ないということだ)。

日産スカイラインGT-R(R33型)

R33型GT-Rのリアスポイラーは0~18度まで、4段階にわたって角度を調整することができた

R33型スカイラインGT-Rの中古車情報はこちら!

 RB26DETT型エンジン+アテーサET-Sというパワートレーンを搭載していた第二世代のスカイラインGT-Rのリアスポイラーは、グループAレース制覇を目指したこともあり、効果の高いものを装着していたR32型、シンプルな形状ながら効果の高いものを装着していたR34型も記憶に残るが、インパクトが強かったのはR33型のものだ。

 というのはR33型スカイラインGT-Rのリアスポイラーは形状もそれなりに迫力のあるものだったのに加え、当時珍しかった角度調整機能(0度から18度までの4段階で、車載工具で調整可能)を備えており、特にサーキットではコースに合わせたリアスポイラーのセッティングも可能ということは当時画期的だったのだ。

 R33型の中古車は原稿執筆時点で40数台が流通しており、価格は360万円からといったところで、500万円台になると年式を考えれば走行距離が多くない10万km以下の物件が増え、650万円を超えると走行5万km以下でフルノーマルに近い物件もあるというイメージだ。この価格でも十二分に高いが、R32型とR34型に比べればリーズナブルなのは確かだ。

ホンダS2000タイプS

2007年10月に追加されたS2000 タイプSのリアスタイル。GTカー並みのインパクトを放つリアスポイラーと大型エアロパーツが目を引く

S2000タイプSの中古車情報はこちら!

 S2000タイプSはエンジンが2リッターから2.2リッターに排気量アップされたS2000の後期型の北米仕様に「走りを極めたS2000」として設定されたCRの日本仕様的なモデルだ。

 CRは標準のS2000の電動ソフトトップをアルミ製の脱着式ハードトップとすることなどにより、ボディ剛性を高めながら車重を約40kg軽量化し、専用サスペンションやGTウイングのようなリアスポイラーを含めたエアロパーツを装着するなどしたスパルタンな仕様だった。

 2007年に登場したタイプSは電動ソフトトップのままとなった点などCRほどスパルタンな仕様ではなかったが、CRと同じエアロパーツ、専用サスペンションなどを装着し、1999年から10年間生産されたS2000の最終モデルとして相応しい完成度を備えていた。

 S2000タイプSの中古車は原稿執筆時点で14台が流通しており、価格は応談を含め468万円からと、新車は399万円だったので、中古車価格はおそらくすべて新車より高い。

 なお14台の中古車の価格の内訳は400万円台3台、500万円台4台、残りの7台が応談となっていた。

三菱ランサーエボリューションIII

1995年1月発売のランサーエボリューションIII。ランエボIIの基本構造はそのままに、エアロパーツを刷新。歴代でトップクラスに迫力がある大型リアウイングが装備された

ランサーエボリューションIIIの中古車情報はこちら!

 ランサーエボリューションはWRCをはじめとしたモータースポーツ参戦ベース車だけに歴代大きなリアスポイラーを装着しており、第二世代のVとVI、第三世代のVIIからIXまでのものも迫力があったが、インパクトが一番強かったのは1995年登場のIIIのものだろう。

 というのもIIIのフロントスポイラー、サイドスカートを含め、リアスポイラーも翼端板の形状を代表に当時のメーカー純正のエアロパーツとしては形状が戦闘的だったからである。

 ランサーエボリューションIIIの中古車は原稿執筆時点で5台が流通しており、2台が競技ベースのRS、3台が一般仕様のGSRだ。3台のGSRの価格は225万円、249万円、298万円となっている。

特に298万円の物件はフルノーマルかつ走行距離5万8000kmの事故歴なしというコンディションなので、価格自体は消費税抜き約298万円という新車よりも高いが、中古車の流通台数やWRCでの活躍など考えれば、納得できるものともいえるかもしれない。

三菱GTO(最終型)

フロントライトとリアスポイラーのデザインが大幅に変わったGTO最終型。約90万円から入手できるが、走行5万km台の個体は300万円前後の高値で流通している

GTO最終モデルの中古車情報はこちら!

 FFレイアウトの初代ディアマンテとも関係の深いスポーツカーである1990年登場のGTOは初期モデルから電動で昇降するリアスポイラーを装着するなど、特徴的なリアスポイラーを装着したモデルだったが、特に1998年に登場した最終モデルのターボ車のリアスポイラーは高さに加え翼端板と支柱の形状も迫力あるものだった。

 原稿執筆時点で最終モデルのターボの中古車は5台が流通しており、価格は199万円、268万円、294万円、310万円、329万円と、価格が高騰しているモデルばかりの1990年代のスポーツカーとしては比較的安い。

スバルインプレッサS201

2000年に300台限定で販売されたインプレッサWRXのコンプリートカー「S201」。2段式の大型リアスポイラーはレースカーがちっぽけに見えるほどごっつい

インプレッサS201の中古車情報はこちら!

 インプレッサWRX STIもランサーエボリューションと同様の使命を持つクルマだけにカタログモデルのリアスポイラーは歴代大きなものを装着していた。その中でもリアスポイラーのインパクトが強かったのはSTIのコンプリートカー第二弾で、初代インプレッサWRX STIの最終限定車的なモデルでもあった2000年登場のS201である。

 300台限定だったS201は280馬力規制があった時代にECUと排気系のチューニングにより最高出力を300馬力に向上したエンジン(スバルではなくSTIのコンプリートカーだから可能だった)を搭載し、車高調整式サスペンションやフロントのヘリカルLSDなども採用。

 エアロパーツもエキセントリックな感があるほど派手なあるものを装着し、リアスポイラーも巨大かつスポイラー部分が二段式となる迫力ある形状だった。

 S201の中古車は原稿執筆時点で4台が流通しており、価格は589万円、689万円、残りの2台が応談と、新車価格が390万円だったことを考えるとやはり超高値である。

まとめ

2021年4月7日に発売された新型911GT3。スワンネックウイングやディフューザーによりダウンフォースは旧型比50%のプラス

 凄いリアスポイラーを装着したモデルはベース車自体の人気が高いこともあるが、希少性などにより中古車価格はやはりリアスポイラーなしや普通のリアスポイラーを装着したモデルより格段に高い。

  それだけにこれから新車ですごいリアスポイラーを装着したモデルを買うのはリセールバリューを含め非常に有意義なのと同時に、凄いリアスポイラーを乗っている人はぜひ長く大切に乗ってほしい。

【画像ギャラリー】ほかにもこんなクルマがあった!! リアウイングがド派手なクルマをギャラリーでチェック!!

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みんなのコメント

47件
  • オバフェンリアスポは90年代のロマン
    なお空力効果は今の車のほうがよっぽど上
  • まぁ、それでもミッキーマウスの絵に滑り台のようなルーフスポイラーのハイエースには敵わないんですけどね。最近、めっきり見なくなったなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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