現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 限定500台に1万2300人の希望者殺到・即完!!! 2台の「GRMNヤリス」に乗った!!!

ここから本文です

限定500台に1万2300人の希望者殺到・即完!!! 2台の「GRMNヤリス」に乗った!!!

掲載 48
限定500台に1万2300人の希望者殺到・即完!!! 2台の「GRMNヤリス」に乗った!!!

 2022年1月のオートサロンで発表された2台のGRMNヤリス。1台はオンロードのサーキットを速く走るためだけに考え作られた「サーキットパッケージ」。もう一台は買ってそのままの仕様でラリー大会に出ても上位に食い込めそうなポテンシャルを持った「ラリーパッケージ」だ。

 購入希望者が殺到し、あっという間に完売となってしまったが、どんなクルマに仕上がっているのか、興味は尽きない人は多いはず。自動車評論家 国沢光宏の試乗レポートをお届けする。

限定500台に1万2300人の希望者殺到・即完!!! 2台の「GRMNヤリス」に乗った!!!

※本稿は2022年6月のものです
文/国沢光宏、写真/ベストカー編集部、撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』2022年7月26日号

■座った瞬間から盛り上がる!!! 545点ものスポット溶接を打ち増しした「サーキットパッケージ」試乗

GRMNヤリス「サーキットパッケージ」。これぞエボモデルといった雰囲気はカーボン製のリアスポイラーに加え、専用のBBS製18インチアルミホイール装着によって全幅が10mmワイドになっているからだ

 今年の東京オートサロンで発表されたGRMNヤリスは、500台限定のところ1万2300人の購入希望者が出て瞬時に完売となってしまった(抽選で決めたそうな)。

 もはや購入できないのだけれど、どんなクルマなのか気になると思う。

 ということでGRMNヤリスのサーキット仕様とラリー仕様の試乗レポートをお届けしたい。おそらく今後も限定車は出てくるだろうから参考にしてほしい。

 まずサーキット仕様から。

 シートはサイドエアバッグ付きレカロのフルバケット。5点式シートベルトが付いていた。座った瞬間から盛り上がります。1速に送り込みクラッチミート。

 強化メタルのため、気持ち長めにハーフクラッチを使う。2速にシフトアップすると、いい感じで繋がる。そのまま3速~4速へ。

 う~ん! 気持ちいいギアレシオだ。ノーマルと随分違う。

 試乗会は月曜日。日曜日にノーマルミッションのGRヤリスで全日本ラリーに出場したけれど、2速ギアが高すぎるため、登り坂などで1速からシフトアップすると失速してしまう。

 このあたり、開発チームもしっかり認識していたという。

 GRMNヤリスを開発するにあたり、当然の如くギアレシオの変更を考えたそうな。私のラリー車もこのギアが欲しい~!

 1ラップで各部の印象&挙動チェックを行い、2ラップ目から全開!

 するとどうよ! サーキットのような限界域で走らせたら、標準車とずいぶん印象が違う。

 具体的に言うと車体の剛性感と大きな入力を受けた時の挙動です。

 剛性感は競技車両に匹敵する545点に及ぶスポット溶接の打ち増しと、12mもの接着材使用カ所の延長によるものだと思う。

 挙動は路面の起伏を横方向のGを掛けたまま高速で通過すると「いいね!」とハッキリわかる。

 標準車だと振られて怖さを感じるものの、GRMNだと一発で収束してくれるのだった。

 ボンネットとルーフにカーボンを使い20kg軽量化していることと、ビルシュタインの本社工場製ダンパーが良質のハンドリングを作りだしているんだと思う。

 高速コーナーではリアスポイラーのダウンフォースも効いている感じ。

 GRMNのベースのよさに加え、サーキットを走るためチョイスされたパーツがすべて「いい仕事」をしている。ちなみにタイヤは私のお気に入りであるアドバンA052。

 騒音規制や優れたウエット性能を持ちながらSタイヤに匹敵するグリップ性能を持つ。さすがサーキットで鍛えられたクルマだと納得至極!

 次回作(きっとある!)が大いに楽しみになりました。

【国沢光宏の採点】GRヤリスを100点とすると「サーキットパッケージ」は200点!!

●GRヤリス サーキットパッケージ 主なベース車との違いと専用装備
・最大トルク390Nm(39.8kgm)
・2人乗り
・カーボンフード&ルーフ
・BBS製専用18インチホイール
・18インチブレーキ
・ビルシュタイン製減衰力調整ショックアブソーバー
・カーボン製リアスポイラー
・クロスギアレシオ&ローギアード
・強化クラッチ
・機械式LSD
・サイドスカート
・リップスポイラー

■GRヤリスで感じた「物足りなさ」が消えた…! そして楽しい!! 「ラリーパッケージ」グラベルで全開!!!

GRMNヤリス「ラリーパッケージ」。ラリーパッケージは2人乗りになり、ロールバーも装着されている。ちなみに500台中50台がラリーパッケージと素のGRMNヤリスに割り当てられた

 続いて試乗コースをグラベルに移し、ラリー仕様です!

 ボディやギアレシオ、シートなど基本スペックはサーキット仕様で乗ったGRMNヤリスと同じ。

 グラベル用のサスペンションに、ダンロップのグラベルタイヤと前後の機械式LSDを装備している。

 GRラリーチャレンジなら出場可能なロールケージやアンダーガード類も付いており、競技車両の入り口だと考えていただければいい。

 試乗コースはわかりやすい設定だから最初から全開! 試乗会の前日までラリーに出ていたため競技3日目という気分だ。サイドブレーキと左足ブレーキ使いまくる(笑)。

 驚いたことに以前に試乗したGRヤリスのグラベル仕様で感じた「物足りなさ」がなくなっている!

 その時のスペックだとすべての操作にタイムラグや違和感があり、車体の挙動をコントロールすることに苦労した。

 今回は「WRCのベース車両として企画されたGRヤリス」の基本特性のよさがハッキリ出ている。

 重量のあるパーツは車体中心に集め、前後の重量配分を適正化。全日本ラリーで走っている時も車体の真ん中に座っている感覚を味わった。

 ボディ剛性を上げ、軽量化したGRMNのボディだと一段とコントロールしやすい感じ。ハンドルを切り少し荷重移動させるだけでフロントがインを向く。

 このまま全日本ラリーに出ても、充分戦えると思う。GRラリーチャレンジだったら勝てる可能性大。

 ちなみに私が全日本ラリーで乗ったGRヤリスは急遽製作したこともあり、変更点はサスペンションくらい。

 左足ブレーキが使えずABSで制動力伸びまくりながら、路面コンディションのいいギャラリーステージで総合10番手のタイムを出せた。

 GRMNヤリスのラリー仕様なら、もっと優れた戦闘力を持つと思う。

 ラリー仕様車は街中で乗っても楽しい! 良質グラベル用のタイヤを選び、少し車高を上げてやれば、どんな道でも気兼ねせず乗れる。

 ラリー用のリアウイングなど付けたら一段と気分も上がるだろう。

 それでいてオートエアコンやADASなども付いているため、安全性だって担保している。

 来年、GRヤリスを買おうと思っているのだけれど、ラリー仕様にしようと決めた。補助灯も付けます。

【国沢光宏の採点】GRヤリスを100点とするとラリーパッケージは300点!!

●GRヤリス ラリーパッケージ 主なベース車との違いと専用装備
・最大トルク390Nm(39.8kgm)
・2人乗り
・カーボンフード&ルーフ
・ラリー用GRショックアブソーバー&ショートスタビリングセット
・クロスギアレシオ&ローギアード
・強化クラッチ
・機械式LSD
・GRアンダーガード
・GRロールバー

●トヨタ GRMNヤリス「サーキットパッケージ」主要諸元
・全長:4030mm(3995mm)
・全幅:1815mm(1805mm)
・全高:1475mm*(1455mm)*スポイラーを外した全高は1445mm
・ホイールベース:2560mm(←)
・車重:1260kg(1280kg)
・エンジン:直3DOHC+ターボ(←)
・排気量:1618cc(←)
・最高出力:272ps/6500rpm(←)
・最大トルク:39.8kgm/3200~4000rpm(37.7kgm/3000~4600rpm)
・トランスミッション:6MT クロスミッション(6MT)
・乗車定員:2人(4人)
・最小回転半径:5.7m(5.3m)
・価格:846万7000円(456万円)
※()内はRZハイパフォーマンス

■GRヤリスも「390Nm」にできる! 齋藤尚彦主査に聞く

 GRMNヤリスにはミッション、クラッチ、LSD、サスペンションなどに専用のものが採用され、エンジンのトルクアップだけでは、味わえない気持ちのよさを引き出している。そう考えると800万円を超える価格にも納得できる。

 GRMNヤリスは完売ながら、専用に開発されたパーツが秋から発売されることは大きなニュースだ。カーボンのフードやリアウイングが、GRガレージで装着できる。さらに、オーナーなら最も気になる最大トルク390Nm(39.8kgm)がソフトウェアの交換によって手に入る。

 アフターでさまざまなものが発売されているが、メーカー保証も付く安心感は大きな魅力。

「アップデートによって、ユーザーが愛車をいつまでも大切に乗ることは、モリゾウさんから真っ先にやれと言われたことでした」。GRヤリスの齋藤主査は、うれしそうに話してくれた。

GRMNヤリスが手に入らない人もGRMNパーツで戦闘力アップが可能だ!

【番外コラム】そもそも「GRMN」ってなんだ?

 GRMNとはGAZOO Racing tuned by MN(マイスターオブニュルブルクリンク)の略。

 トヨタのマスターテストドライバ―だった故成瀬弘さんが世界一過酷なサーキット、ニュルブルクリンクサーキットを車両開発の拠点にし、鍛え上げたコンプリートモデルのブランドとして始まった。

「トヨタのクルマはつまらない」という声にこたえる形で開発され、第1号車は2009年のiQ GRMN。以来尖ったコンプリートモデルを限定で販売し、いずれも完売している。

●こだわりぬいた走りの専用装備の数々

 アフターでさまざまなパーツが販売されているが、トータルでの精緻な高性能を求めるなら、メーカーコンプリートモデルの出来が勝る。

 GRMNヤリスにはミッション、クラッチ、LSD、サスペンションなどに専用のものが採用され、エンジンのトルクアップだけでは、味わえない気持ちのよさを引き出している。そう考えると800万円を超える価格にも納得できる。

GRクロスミッション&Loファイナルギア(左上)、GR機械式LSD(右上)、GR強化メタルクラッチ&クラッチカバーセット(左下)、ビルシュタイン製サーキットパッケージ専用ショック(右下)

こんな記事も読まれています

「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
くるまのニュース
BMW「G 310 GS」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
BMW「G 310 GS」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
軽だけど広い! フラットスペースが魅力のスズキ エブリイがベースの軽キャンパー
軽だけど広い! フラットスペースが魅力のスズキ エブリイがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
えぇ!? 攻めたワゴンの高級車!? 懐かしきホンダ[アヴァンシア]
えぇ!? 攻めたワゴンの高級車!? 懐かしきホンダ[アヴァンシア]
ベストカーWeb
豊田章男会長、トヨタの大逆転王座に歓喜。戦友ヒョンデへ「来年もいい勝負しましょう!」/ラリージャパン後コメント全文
豊田章男会長、トヨタの大逆転王座に歓喜。戦友ヒョンデへ「来年もいい勝負しましょう!」/ラリージャパン後コメント全文
AUTOSPORT web
ラリージャパン主催者に対し2400万円の罰金通告。FIA/WRCがSS12一般車進入事案のさらなる詳細を発表
ラリージャパン主催者に対し2400万円の罰金通告。FIA/WRCがSS12一般車進入事案のさらなる詳細を発表
AUTOSPORT web
ベストカー三人衆に内乱勃発!? 国沢さん、なぜ[ランクル300]じゃなく250にしたんですか!!
ベストカー三人衆に内乱勃発!? 国沢さん、なぜ[ランクル300]じゃなく250にしたんですか!!
ベストカーWeb
くるまりこちゃん OnLine 「バックブザーの音」第124回
くるまりこちゃん OnLine 「バックブザーの音」第124回
ベストカーWeb
「君はその一瞬一瞬すべてにふさわしい」レッドブル代表がフェルスタッペンの戴冠を称賛。懸命に作業に取り組んだクルーにも感謝
「君はその一瞬一瞬すべてにふさわしい」レッドブル代表がフェルスタッペンの戴冠を称賛。懸命に作業に取り組んだクルーにも感謝
AUTOSPORT web
[ダイハツ]に期待しかないよ!? 今後作ったらアツい[クルマ]を語ってみた
[ダイハツ]に期待しかないよ!? 今後作ったらアツい[クルマ]を語ってみた
ベストカーWeb
フェルスタッペン、王座確定のため、マネジメントモードで5位フィニッシュ「自分のレースを心掛けた。最高の気分」
フェルスタッペン、王座確定のため、マネジメントモードで5位フィニッシュ「自分のレースを心掛けた。最高の気分」
AUTOSPORT web
HRC/ホンダ渡辺社長がフェルスタッペンを祝福「4連覇をサポートし続けられたことは誇り。さらなる高みを目指し支援する」
HRC/ホンダ渡辺社長がフェルスタッペンを祝福「4連覇をサポートし続けられたことは誇り。さらなる高みを目指し支援する」
AUTOSPORT web
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
AUTOSPORT web
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb

みんなのコメント

48件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.0533.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

223.01280.0万円

中古車を検索
GRヤリスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.0533.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

223.01280.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村