911ターボこそ最強のスーパーカー!
これまでも様々な車種のプラモデル制作を実際の作業と並行してお伝えしてきた当コーナーだが、このたび新たな企画として、ポルシェ911ターボの制作を始めることとした。タミヤ製キットのボディに、フジミ製キットのシャシーやエンジンを組み合わせてみようという趣向だが、まずは、制作を行うプロモデラー・北澤志朗氏に、その狙いなどを語っていただこう。
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1961年生まれの私は少年時代にスーパーカー・ブームにどっぷり浸かった世代です。当時スーパーカー好きの子供たちの間では、フェラーリBBとランボルギーニ・カウンタックのどちらが最強か、というのが常に論議の的でした。しかし生来天邪鬼な私はそのどちらでもなく、ポルシェ911ターボこそが最強のスーパーカーだ、と考えていました。
コンパクトでハイパワーなターボエンジンと、強力なトラクション性能を生み出すRRレイアウト、そしてリアシートまで備えるスポーツカー離れした実用性の高さ……すべては愛読していた某エンスー系自動車専門誌の受け売りでしたが、あれから半世紀以上を経た今も、私にとって空冷時代のポルシェ911ターボは永遠のアイドルであることに変わりはありません。
そんな911ターボですが、1970年代生まれのスーパーカーの中ではプラモデルにあまり恵まれない車種でした。スーパーカー・ブームの頃には粗製濫造なプラモデルがいくつもありましたが、大人向けの本格的な1/24スケールの国産プラモデルはフジミとタミヤしかありません。
フジミはエンジンやフロントフード内部、シャシーなどが精密に再現されていますが、1980年代半ばにリリースされた旧いキットなので、ボディのプロポーションや外装細部の表現は、今の目で見るとちょっと物足りない感じです。
一方タミヤは2005年リリースと比較的新しく、プロポーションや外装細部の表現は素晴らしいですが、シャシーとインテリアは1980年代の製品である911ターボ・フラットノーズからの流用で、エンジンも無く、前輪ステアすら省略されています。
そこで今回は、このふたつのキットのいいとこどりをしてみようと考えました。タミヤの外装とフジミのシャシー・インテリアを組み合わせるのです。フジミのキットは1985年型、タミヤのキットは1988年型ですが、外観・メカニズムともにほとんど違いは無いので、両者を組み合わせても齟齬は出ないはずです。
これまでにフジミもタミヤも何台も作ったことがある私ですが、正直どちらのキットにも物足りなさを感じていました。今回、ついに1/24のポルシェ911ターボの私的な決定版を作れるのではないかと、期待にはやる気持ちを抑えつつ、制作を開始したのです。
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