■「オフロードのクルマといえば…」を具現化?
スズキが2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジをおこない発表した4代目モデルの「ジムニー」は、そのボクシーなスタイルが話題となり、ジムニー人気に改めて火を付ける結果となりました。
ジムニーはこれまでどのような歴史を歩み、また4代目モデルが販売されている現在、ユーザーの間ではどのような評判となっているのでしょうか。
本格的なオフロード性能を軽自動車に凝縮したスズキ「ジムニー」は、1970年に初代モデルが発売されました。
当時、軽自動車では唯一の四輪駆動車として登場。悪路走破性とコンパクトな車体による取り回しの良さにより、さまざまな作業現場や山間部、積雪地の重要な交通手段として浸透していきました。
1981年に登場した2代目モデルでは、デザイン面ではボンネットからフロントフェンダーが独立した形状を改めたほか、全体的に曲線を減らしたスクエアなボディが特徴となります。
その後軽自動車規格の改正(全長は3.3mから3.4m、全幅は1.4mから1.48mに拡大)にあわせて1998年に登場した3代目モデルでは、ボディ外板の角が丸められて、より乗用車ライクなスタイルになります。
この3代目モデルは前述のとおり約20年販売が続き、これはジムニーのなかでももっとも長い記録となります。
そして、2018年には2代目モデルにも通ずるエッジの効いたボディパネルを採用し、四角くゴツゴツした4代目ジムニーが誕生しました。
4代目モデルとなる現行ジムニーをみると、このボクシーなスタイリングは2代目モデルに通ずるものがあるとわかります。
歴代モデルで圧倒的な悪路走破性を維持しつづけてきたのはもちろん、ボディデザインが世代ごとに変化してきたジムニーですが、直近でのユーザーの反応はどのような状況なのでしょうか。
スズキの販売店スタッフは、ジムニーのデザインに対する反響について次のように話します。
「4代目となったジムニーですが、四角くなったボディに対するお客さまからの評判はやはり上々といえます。お客さまの多くは『オフロードのクルマといえばゴツゴツした四角いデザイン』というイメージを持っていることが多いようです」
※ ※ ※
ユーザーが思い描く「オフロード車といえばこのデザイン」を結果として具現化できていることが、ジムニーが話題となった要因といえるでしょう。
そんななか、ジムニーの現在の販売状況について別のスズキ販売店スタッフは次のように話します。
「新車のジムニーは依然として比較的長納期の傾向となっています。また、4代目モデルの中古車に関しても、新車とそう変わらない値段が付いている場合が多いようです。
この4代目モデルの人気により、(4代目モデルのデザインを諦めて)すぐに乗れる3代目モデルの中古車を改めて検討される人もいらっしゃいます」
角張ったデザインが4代目ジムニーの魅力のひとつといえますが、見た目へのこだわりは強くなくジムニーのクロカン性能をすぐに楽しみたいという人にとっては、3代目ジムニーの中古車も選択肢のひとつになっているようです。
また、別のスズキ販売店スタッフは次のように説明します。
「ジムニーの新車を案内するとき、やはり納期の長さがネックとなることはあります。どうしてもジムニーでなければならない人にはお待ちいただくことになりますが、ジムニーのスクエアなSUVルックに惹かれた人にはライトな軽SUVの『ハスラー』をおすすめしています」
※ ※ ※
2021年1月20日にスズキはインドの子会社「マルチ・スズキ社」でジムニーの生産・輸出を開始したと発表。
インド生産のジムニーは中南米、中東、アフリカなどを仕向け地とする輸出専用モデルで、これまでは日本仕様のジムニーと同じ静岡県の湖西工場で生産されていました。
海外仕様の生産がインドの工場へ割り振られることで、今後日本向けジムニーの納期短縮が期待されている状況です。
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みんなのコメント
ジムニーに、いわゆるSUV的なものを期待するのはナンセンスです。海外製のピックアップやロングWBは、現地に根付いたものと考えませんと。
ジムニーはあくまでも不整地路面を高い走破性で走れるクルマです。そのジムニーの価値を理解するのが第一で、過度な期待は慎むべきです。そうしないとジムニーの価値を下げてしまう危険があります。
私は過去JA11V-5に8年乗っていました。街乗り・ほぼ2WDでしたから私もジムニーの雰囲気が好きだったに過ぎませんが、スパルタンな乗り心地や「これでいいのだ」という割切りに感心しました(ノーマルを堅持しつつ不便な箇所だけ少し手を入れた程度)。なんでもない普段の街乗りやドライブが実に楽しかったです。
ジムニーは今のコンセプトのままで良いと思います。